⽇本・オーストリア友好150 周年記念 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの世界

マルティン・ファン・メイテンス(子)《皇妃マリア・テレジアの肖像》1745-50年頃 油彩/カンヴァス ウィーン美術史美術館 Kunsthistorisches Museum Wien

マルティン・ファン・メイテンス(子)《皇妃マリア・テレジアの肖像》1745-50年頃 油彩/カンヴァス ウィーン美術史美術館 Kunsthistorisches Museum Wien

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会 期
20191019日 -  20200126
開催時間
9時30分 - 17時30分
※金・土は20時00分まで ただし11月30日[土]は17時30分まで
※入館は閉館の30分前まで
休み
月曜日、(ただし祝日の11月4日、1月13日は開館)、11月5日(火)、12月28日(土)〜1月1日(水)、1月14日(火)
入場料
有料
当⽇︓⼀般1700 円(1400 円)、⼤学⽣1100 円(1000 円)、高校生700円(600円)
※()内は、前売りまたは20名以上の団体料金。 ※中学生以下は無料。 ※心身に障害のある方と付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。
展覧会の撮影
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
国立西洋美術館
住所
〒110-0007 東京都
台東区上野公園7-7
最寄り駅
上野
電話番号
050-5541-8600(ハローダイヤル)

詳細

展覧会内容

13世紀末にオーストリアへ進出後、同地を拠点に勢力を拡大し、広大な帝国を築き上げたハプスブルク家。15世紀以降、神聖ローマ皇帝の位を世襲し、ナポレオン戦争を引き金に同帝国が解体したのちは、後継のオーストリア帝国(1867年にオーストリア・ハンガリー二重帝国に改組)を統治しました。数世紀にわたって広い領土と多様な民族を支配し、ヨーロッパの中心に君臨し続けた同家は、まさに欧州随一の名門と言えるでしょう。

ハプスブルク家の人々はまた、豊かな財とネットワークを生かして、質量ともに世界屈指のコレクションを築いたことでも知られています。そのうちオーストリアを拠点とし続けた同家本流による蒐集品の主要部分は、今日のウィーン美術史美術館における収蔵品の核となっています。オーストリアと日本の国交樹立150周年を記念する本展では、同館の協力のもと、絵画、版画、工芸品、タペストリー、武具など100点、5章7セクションから、そのコレクションの歴史をみていきます。ハプスブルク家のコレクションの礎を築いた神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-
1519)から、美術史美術館の建設者でもあるオーストリア-ハンガリー二重帝国「最後の皇帝」ことフランツ・ヨーゼフ1世
(1830-1916)まで、同家の人々の紹介も兼ねつつ、時代ごとに蒐集の特色やコレクションに向けられたまなざしを浮き彫りにしていくことが本展のねらいです。

1章ハプスブルク家のコレクションの始まり
本展の冒頭を飾るのは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世ゆかりの絵画や武具などです。ハプスブルク家の発展に重要な役割を果たしたマクシミリアン1世は、同家コレクションの礎を築いた人物でもありました。第1章では、一門の系譜を示す重要なツールであった肖像画や、「中世最後の騎士」と呼ばれる皇帝が着用した甲冑を紹介します。
第1章の鍵となる二人目の人物は、ティロルの統治者であった大公フェルディナント2世(1529-1595)です。彼は、インスブルック近郊のアンブラス城を拠点に大規模な収集を行い、ハプスブルク家のコレクション構築にきわめて重要な役割を果たしました。本章の後半では、フェルディナントが収集に情熱を傾けた甲冑や工芸品を紹介します。

2章ルドルフ2世とプラハの宮廷
第2章では、ハプスブルク家内に留まらず、ヨーロッパ史上においても稀代のコレクターであった神聖ローマ皇帝ルドルフ2世(1552-1612)のコレクションに注目します。デューラーの《ヨハネス・クレーベルガーの肖像》や、スプランゲルやハインツらによるエレガントで官能的な神話画など、皇帝のお気に入りの画家たちの作品や、精巧な細工が施された工芸品、アジア由来の珍しい品々を紹介します。さらに、ルドルフ2世が銅版を所蔵していたデューラーの作品や、皇帝に献呈されたホルツィウスの作品などを通して、彼の版画関連のコレクションやパトロネージについてもみていきます。

3章コレクションの黄金時代:17世紀における偉大な収集

1.スペイン・ハプスブルク家とレオポルト1世
16世紀半ば、ハプスブルク家はオーストリア系とスペイン系に系統分裂し、両家間では互いの近況等を知らせる手段として肖像画が利用されました。ベラスケス晩年の傑作《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》も、のちに神聖ローマ皇帝となるレオポルト1世(1640-1705)に、まだ幼い許嫁の姿を伝えるべく制作されたものです。第3章最初のセクションでは、スペイン・ハプスブルク家からウィーンの宮廷へもたらされたベラスケス作品の紹介をひとつの柱とします。さらにレオポルト1世の宮廷の華やかな宴を描いた大型作品や、その2番目の妻で、帝室コレクションの発展に重要な役割を果たしたクラウディア・フェリツィタス(1653-1676)の肖像画も展示します。

2.フェルディナント・カールとティロルのコレクション
ティロルの統治者であった大公フェルディナント・カール(1628-1662)も、ハプスブルク家の重要なコレクターのひとりです。フェルディナント・カールはインスブルックを拠点に収集を行い、とくに16-17世紀のフィレンツェ派の作品の獲得に努めました。没後、彼の遺したコレクションがインスブルックから近郊のアンブラス城へ移送されますが、本セクションで紹介する作品のほぼすべてが、この際に作成された目録に掲載されています。

3.レオポルト・ヴィルヘルム:芸術を愛したネーデルラント総督
第3章最後のセクションでは、ハプスブルク家の最も重要なコレクターのひとりで、ウィーン美術史美術館の絵画コレクションの礎を築いた、大公レオポルト・ヴィルヘルム(1614-1662)のコレクションに注目します。彼は、スペイン領ネーデルラント総督としてブリュッセルに滞在した1647-56年の間に、フランドル絵画や、イギリスの清教徒革命で解体した王侯貴族のコレクション由来のヴェネツィア派絵画などを大量に収集しました。本セクションでは、ティツィアーノの《ベネデット・ヴァルキの肖像》や、ヴェロネーゼの《ホロフェルネスの首を持つユディト》をはじめとする一連の作品を通して、レオポルト・ヴィルヘルムのコレクションをみていきます。

4章18世紀におけるハプスブルク家と帝室ギャラリー
第4章では、ハプスブルク家の難局を乗り切り、優れた政治的手腕で広大な領土を統治して、「国母」と慕われたマリア・テレジア(1717-1780)、その末娘でフランス国王に嫁ぎ、市民革命で命を落としたマリー・アントワネット(1755-1793)など、激動の時代を生きたハプスブルク家の人々の肖像画を中心的にみていきます。また18世紀は、今日の美術館展示につながる帝室ギャラリーの整備や、啓蒙的観点に基づく一般公開の開始という点でもきわめて興味深い時代でした。本章ではこうした歴史も紹介します。

5章フランツ・ヨーゼフ1世の長き治世とオーストリア・ハンガリー二重帝国の終焉
ナポレオン戦争をきっかけに神聖ローマ帝国は解体し、その後継として、1804年にオーストリア帝国が誕生します(1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国に改組)。しかし、同帝国も第一次世界大戦での敗戦により崩壊し、ハプスブルク家の栄華は終焉を迎えることとなります。最終章が取り上げるのは、いわばハプスブルク家の黄昏の時代ですが、この時代には、現在につながるウィーンの街の姿が整備され、ウィーン美術史美術館も建設されました。本章では、その立役者であり、約60年にわたって君臨したいわばオーストリア=ハンガリー二重帝国を象徴する存在、フランツ・ヨーゼフ1世とその妃エリザベト(1831-1898)の肖像画やゆかりの品などを中心に見ていきます。

国立西洋美術館のコレクションとハプスブルク家ゆかりの作品
国立西洋美術館には、ハプスブルク家にゆかりのある作品が数点所蔵されています。なかでも注目に値するのは、大公レオポルト・ヴィルヘルムが所蔵していたマンフレーディの《キリスト捕縛》でしょう。レオポルト・ヴィルヘルムは、イギリス国王チャールズ1世の重臣であったハミルトン公が清教徒革命によって処刑されたのち、イタリア絵画のコレクターであった公が所蔵していた多くの作品のひとつとして、本作を買い取ったとみられます。これがレオポルト・ヴィルヘルムのコレクションに含まれていたことは、彼が自身の宮廷画家テニールス(子)―本展には彼の《村の縁日》が出品されています―に編纂させた、挿図入りコレクション目録などからも確かめられます。国立西洋美術館では、このほかにも、ルドルフ2世が銅版を所蔵していたデューラーの《騎士と死と悪魔》や《アダムとエヴァ》、ルドルフに献呈されたホルツィウスの連作〈ローマの英雄たち〉などの版画作品、さらにハプスブルク家皇女マリー・アントワネットの夫や子供たちの肖像を表した指輪も所蔵しています。

主催・協賛・後援

主催︓国立西洋美術館、ウィーン美術史美術館、TBS、朝日新聞社
後援︓オーストリア大使館、オーストリア文化フォーラム、BS-TBS
特別協賛:大和ハウス工業株式会社
協賛:三井物産、大日本印刷、みずほ銀行、ブックカメラ
特別協力:ANA、ルフトハンザカーゴAG、ぴあ、TBSラジオ
協力:西洋美術振興財団

平均:5.0 
レビューした人:1 人

評価サマリ

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    • ハプスブルク家といえば、マリー・アントワネットを思い浮かべる女性が多いと思いますが、今回の私のお目当ては、「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」でした。 子どもの頃読んでいた少年少女世界名作文学全集の表紙に描かれていた「王女マルガリータ・マリア(?)の肖像」という絵は、私には忘れられない絵でした。 今思えば、それは「ラス・メニーナス」の一部を切り取った絵ではなかったかと思われるのですが。。。 その彼女に会えるとあって、わくわくしながら出かけました。勿論アントワネットも皇妃エリザベトも美しかったのですが、マルガリータの愛らしさは際立っていました。21歳で亡くなりますが、幸せな結婚生活だったとの解説にほっとしました。驚いたのは、私の大好きな「亡き王女へのパヴァーヌ」という曲が彼女を悼んで作られた曲だということでした。 マクシミリアンI世の肖像画家から始まり、美しい皇妃エリザベトの肖像画で終わったハプスブルク展。個性豊かな方々の肖像に600年という時間を、しばし忘れてしまいました。スペインやオーストリァに行ってみたくなる、展覧会でした。

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