開催時間 |
9時30分 - 17時30分
金曜日は9時30分~20時00分(入室は閉室の30分前まで) |
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休み |
月曜日
9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火) ※ただし、9月23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室 |
入場料 |
有料 一般2000円(1800円)、大学生1300円(1100円)、65歳以上1500円(1300円) ※カッコ内は前売り。※前売券は2024年8月19日(月)10:00 –9月18日(水) 23:59 までの販売。※高校生以下無料。※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1 名まで)は無料。※身体障害者手帳等のお手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)・高校生以下の方は、日時指定予約は不要です。直接会場入口にお越しください。※高校生、大学生・専門学校生、65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください。※毎月第3 土曜日・翌日曜日は家族ふれあいの日により、18 歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般通常料金の半額(住所のわかるものをご提示ください)。日時指定予約不要、販売は東京都美術館チケットカウンターのみ。 [もっとお得なチケット情報] 平日限定早割ペアチケット(一般のみ) 販売期間:7月22日(月)– 8月18日(日) 価格:3,500円(税込、2 枚セット)販売場所:展覧会公式サイト |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
050-5541-8600(ハローダイヤル)(全日9:00–20:00)
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒110-0007 東京都
台東区上野公園8-36 |
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最寄り駅 | 上野 |
電話番号 | 03-3823-6921 |
このたび東京都美術館で、画家・田中一村(たなか・いっそん/1908-1977)の展覧会「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」を開催いたします。本展は、一村の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌をご紹介する大回顧展です。
世俗的な栄達とは無縁な中で、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の生涯は、「不屈の情熱の軌跡」といえるものでした。
自然を主題とする澄んだ光にあふれた絵画は、その情熱の結晶であり、静かで落ち着いた雰囲気のなかに、消えることのない、彼の魂の輝きをも宿しているかのようです。
本展は、奄美の田中一村記念美術館の所蔵品をはじめ、代表作を網羅する決定版であり、近年発見された資料を多数含む構成により、この稀にみる画家の真髄に迫り、「生きる糧」としての芸術の深みにふれていただこうとする試みです。
[みどころ]
1.最大規模の回顧展!
絵画作品を中心に、スケッチ・工芸品・資料を含めた250件を超える作品で、一村の全貌に迫ります。
奄美で描いた代表作《不喰芋と蘇鐵》、《アダンの海辺》はじめ、未完の大作も展示。近年発見された初公開作品も多数出品し、未知の軌跡もたどります。
2.一村ゆかりの地、上野での展覧会がついに実現!
現在の東京藝術大学に東山魁夷等と同級で入学したものの、2ヶ月で退学。その後は独学で自らの絵を模索した一村。
「最後は東京で個展を開いて、絵の決着をつけたい」と述べたその機会が訪れます。
3.奄美の文化や自然を体感!
展示空間の中で、一村が魅了された奄美の自然を高精細映像で紹介。
会期中に奄美の文化を紹介する関連イベントも実施します。
[展示構成]
第1 章 若き南画家の活躍 東京時代
田中一村(本名孝)は、明治41年(1908)7月22日、栃木県下都賀郡栃木町(現・栃木市)に生まれました。5歳で東京へ移り、彫刻師の父から書画を学び「米邨」の号を受け、数え「八童」「八歳」と署名した絵が最も早く数点残されています。私立芝中学校に在学中から漢籍を学び、栃木で画会を開き、美術年鑑にも名が出、卒業してストレートで東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科に入学しました。しかし、わずか2ヶ月後の6月には「家事都合」で退学してしまいます。それでもその年の11月には新興文人画展に出品。12月には多くの発起人が名を連ね頒布会も開かれました。当時人気の中国近代の文人画家による吉祥的画題の書画によく倣いながら、若き南画家・田中米邨は達筆を縦横に揮い、早くも画家として身を立てたのでした。この若き日の活躍を示す作例は今も各地から新出し、20歳を過ぎる頃までには米邨自身の個性がはっきりと表れ、完成度が高まっていくのがわかります。
第2 章 千葉時代
27歳で父も亡くした一村は、昭和13年(1938)、30歳の時、親戚を頼り千葉市千葉寺町へ移りました。畑で農作業をし、内職をしながらも、周囲との繋がりや支えを得て、絵で生きる暮らしが貫かれました。身近な小景画、デザイン的な仕事や木彫、仏画、節句掛や季節の掛物などからは、展覧会への出品作とは違う、画家の生業というものが具体的に伝わってきます。目に見える相手に向けて丁寧に手がけた一点一点は思い出とともに大切に残され、よく見直せばその時々の画家の画風や志向などを読み取ることができる貴重な資料です。積極的にこれらの仕事に意味を見出し紹介していきます。
第3 章 己の道 奄美へ
昭和33年(1958)12月、50 歳の一村は、姉喜美子と別れ、単身奄美大島の名瀬市に移ります。来島当初は、与論島や沖永良部島を巡るなど積極的に「取材」をし、翌年秋からは国立療養所奄美和光園の官舎に間借りし、景観や動植物を写生したり人々との交流もありました。しかし金銭的にも行き詰まったか、昭和35年(1960)には千葉へ帰ります。戻る家もなく国立千葉療養所の所長官舎に画室として住まいを借り、奄美土産ともいうべき絵も描きました。
自らの覚悟の甘さを認識することになった一村は、昭和36年(1961)、不退転の決意で再び奄美へ戻ると、紬工場で染色工として働いて制作費を蓄えたら絵画に専念するという計画を立て、借家に移って切り詰めた生活を実践しました。連作の構想をたてて構図等の配分を考え、写生は対象により肉薄したものとなり、画材は綿密に計算のうえ東京の専門店から調達しました。昭和40年(1965)には生涯の理解者川村幾三氏や姉が逝去。そして5年間勤めた工場を辞めて、昭和42年(1967)から45年(1970)までの3年間、制作に没頭します。この間に《アダンの海辺》をはじめとして奄美に於ける主要な作品の多くが描かれたとみられます。それは誰のためでもなく自分の良心だけをとことん突き詰めた制作で、一村はついにそれを自らの力で実現したのです。
生涯を賭して何の悔いもない制作をなし得た満足と自負が、一村が自らの作を指して言った「閻魔大王えの土産品」という言葉に表れています。精魂傾けた大作の完成作は限られていますが、この前後の時期に描かれ知人に贈られた小品や色紙がそれを囲みます。人との繋がりの窓口として生涯描き続けた色紙には、一村の絵のエッセンスと、絵画をめぐる思考が常に吐露されてきました。それらの蓄積の上に、孤高と見える畢生(ひっせい)の大作が生まれたことを、そして今に残ったことの幸運と必然とを、あらためて教えられます。
昭和52年(1977)9月11日、奄美で引っ越したばかりの畑の中の一軒家で夕食の支度中に心不全で倒れ、一村は69歳の生涯を閉じました。
■ 記念講演会
第1 回「奄美と一村」
日程: 9月21日(土)時間:14:00 –15:30
登壇:宮崎緑(田中一村記念美術館 館長・奄美パーク 園長)
第2 回「田中一村 不屈の情熱の軌跡」
日程:10月20日(日) 時間:14:00 –15:30
登壇:松尾知子(本展監修者、千葉市美術館 副館長)
[上記ともに共通の情報]
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階)
定員:225名
※聴講無料。
※事前予約制。詳細は展覧会公式サイトでご確認ください。
■ISSON NIGHT
音楽とトークで一村の軌跡を振り返る“ISSON NIGHT”
奄美大島そして一村にまつわるTV番組にもご出演経験のある、ブロードキャスターのピーター・バラカン氏をゲストにお迎えします。お食事とともに、バラカン氏のトークやDJによる音楽を交えて類まれなる才能とその情熱の軌跡を振り返る特別な一夜です。
日程:9月23日(月・祝)予定
出演:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
中原淳行(東京都美術館 学芸担当課長)
定員:100名
会場:Robin Club 表参道(住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 スパイラル B1F)
※詳細は展覧会公式サイトでご確認ください。
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、 鹿児島県奄美パーク 田中一村記念美術館、NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社
協賛:DNP 大日本印刷、日本典礼
監修:松尾知子(千葉市美術館 副館長)