開催時間 |
9時30分 - 17時00分
※土日・祝日は18時00分まで。金曜日および7、8月の水曜日は20時00分まで。 ※入館は閉館の30分前まで |
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休み |
月
※ただし7月18日(月・祝)、8月15日(月)、9月19日(月・祝)は開館。7月19日(火)は休館。 |
入場料 |
有料 一般1600円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/ 900円)、高校生900円( 700円/ 600円) ※中学生以下無料。 ※( )内は前売/20名以上の団体料金。 ※前売券は2016年4月1日(金)から6月20日(月)まで販売。 ※特別ペアチケット一般2020円。4月1日~4月30日まで2020枚数量限定販売。 ※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)。 ※チケット取扱い:東京国立博物館正門チケット売場(窓口・開館日のみ)、展覧会公式サイト、主要プレイガイドなど。 |
展覧会の撮影 |
不可 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
03-5777-8600(ハローダイヤル)
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒110-8712 東京都
台東区上野公園13-9 |
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最寄り駅 | 上野 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
ギリシャには古代、時代や地域によりさまざまな美術が花開きました。その中心は一貫して神々と人間の姿と物語でした。大理石を削って作った小さなキュクラデス偶像、幾何学様式の壺絵からマケドニアの美しい金製品、等身大のヘレニズムの神像まで、歴史の変遷とともに見事なまでの多様性を目にすることができます。本展はギリシャ国内40か所以上の国立博物館群から厳選された300件を超える古代ギリシャの貴重な作品を展示する、日本でかつてない規模の試みです。青きエーゲ海の美しい島々からはじまるギリシャ最古のエーゲ海文明からヘレニズム時代まで、西洋文化の源である古代ギリシャ文明の黎明から最盛期に至るその壮大な歴史の流れを総合的に紹介します。
時空を超えた旅。
古代ギリシャは驚くほどに変化に富んだ世界でした。時代により、地域により、さまざまに異なった美術が花開きました。今日の西洋文化の原点となった古代ギリシャ世界。その源ともいえるエーゲ海文明からギリシャ本土のアルカイック時代、クラシック時代、アレクサンドロス大王のマケドニア、そしてヘレニズム時代までを「時空を超えた旅」と見立てて紹介します。
究極に美しい。
キュクラデス文明のシンプルかつ美しく謎めいた像、クレタ島やサントリーニ島の豊かで開放的な海洋文明。幾何学様式の壺絵や人間をより自然に表現するアルカイック時代の彫刻。そしてクラシック期には「人間」を尺度の基準とした精緻なプロポーションを持つ理想美が追求されました。その後、アレクサンドロス大王がもたらしたマケドニア王国の洗練された宮廷美術は、やがて人間味に溢れるヘレニズム文化へと花開き、ギリシャの美はローマへと継承されていくのです。
神話は生きている。
古代ギリシャという多神教世界にもスポットを当てます。たくさんの神々がそれぞれの自然現象や領域を司っていました。ある時は人間を守護し、ある時は罰する神々に対し、人々は折々に宗教儀礼を捧げていました。そうした儀礼や死生観は、実は多神教の世界に生きる日本人にこそ理解しやすいのかもしれません。遠いようで近い、古代ギリシャの神々と人間の関わりを紹介します。
第1章 古代ギリシャ世界のはじまり (前7000年紀〜前2000年頃)
古代ギリシャをめぐる旅は、ミノス文明よりも何千年も古い、新石器時代から始まります。紀元前7000年紀、ギリシャの人々は定住して農耕や牧畜を行うようになり、神々への祭祀や葬祭のために人の形の像をつくり、祈りを捧げました。その後、紀元前3000年近くになると、ギリシャは初期青銅器時代に入ります。エーゲ海の真ん中のキュクラデス諸島で花開いた、独特な大理石小像で知られるキュクラデス文明はとりわけ有名です。第1章では、人の形を抽象的に表す変化に富んだ小像から、ギリシャ世界の源泉を感じることができるでしょう。
第2章 ミノス文明 (前3000年頃~前1100年頃)
エーゲ海の南に浮かぶクレタ島に花開いた開放的な海洋文明は、伝説のミノス王の名前をとってミノス文明、あるいはクレタ文明と呼ばれています。紀元前2000年紀初頭にクノッソスなどクレタ島各地に建設された宮殿は、政治だけなく、宗教、経済、手工業の中心でした。聖なるモチーフである牡牛や双斧を表した祭具や、海のモチーフで装飾された土器、繊細で美しい装身具に加えて、大噴火で埋もれたテラ(サントリーニ)島アクロティリ遺跡で出土した色鮮やかなフレスコ画が、当時の美術や工芸技術の素晴らしさを伝えます。
第3章 ミュケナイ文明 (前1600年頃~前1100年頃)
ギリシャ本土のミュケナイ(ミケーネ)を中心とするミュケナイ文明は、次第に力を増し、紀元前1450年頃にはクレタ島を征服します。その美術はミノス文明の影響を受けていますが、都市はクレタの宮殿とは異なり、ホメロスの『イリアス』にうたわれるような堅牢な城壁に守られていました。権力者は優れた戦士であることを誇り、死後は立派な武具や黄金の装身具で飾られて埋葬されました。本展では、今から140年前の1876年に、ハインリヒ・シュリーマンによってミュケナイの円形墓域Aと呼ばれる王家の墓で発掘された黄金製品も出品されます。
第4章 幾何学様式〜アルカイック時代 (前900年頃~前480年)
ミュケナイ文明崩壊後、長い暗黒時代を経て、紀元前1000年紀に入るとギリシャ世界は徐々に長い眠りから目覚めてゆきます。これが幾何学様式時代です。紀元前8世紀にはギリシャ各地でポリス(都市国家)が生まれ、ギリシャ文字もつくられました。続く紀元前7世紀の東方化様式時代には、幾何学文はオリエント由来の動物や植物のモチーフに変わり、神々や人間の表現も急増します。そして同世紀末から紀元前6世紀のアルカイック時代には、ついに等身大の大理石彫刻が登場します。えも言われぬ魅惑的な「アルカイック・スマイル」をご覧ください。
第5章 クラシック時代 (前480年~前323年)
紀元前508年にアテネは民主政を確立し、2度のペルシャ軍の撃退の後、クラシック時代に入ります。アテネのアクロポリスにはパルテノン神殿が建設され、演劇や哲学が盛んになり、後の西洋美術に大きな影響を与えるような彫刻・絵画表現が生み出されました。人間の理想美を具現化した美術作品のほかに、オストラキスモス(陶片追放)の名が刻まれた陶片や、公職者を公平に選ぶくじ引きの道具が、民主政を証言します。また人々が神々にどのように祈りを捧げたのか、アポロン、アルテミス、デメテルとコレー、さらにアスクレピオスの信仰にもスポットを当てます。
第6章 古代オリンピック
紀元前8世紀、オリンピアのゼウス神域で4年に一度の競技祭が始まりました。最初は徒競走だけでしたが、5種競技(徒競走、円盤投げ、槍投げ、走り幅跳び、レスリング)や総合格闘技、競馬や戦車競走など、次第に競技の数も増え、全ギリシャから選手が集う大競技祭に発展しました。優勝者はこの上ない名誉を得、その彫像が神域に奉納されました。本展覧会では競技種目を陶器画などでご紹介するとともに、競技者像が優勝者たちの姿を、神域に奉納された競技道具が優勝者たちの思いを伝えます
第7章 マケドニア王国
旧来のギリシャ世界とは異なり、ギリシャ北方のマケドニアは金を豊富に産出しました。マケドニア王国が成立する以前から、権力者の墓にはたくさんの黄金の品々が副葬されました。本展覧会には、新石器時代という非常に古いものから、紀元前4世紀末のアレクサンドロス時代、さらにヘレニズム時代の墓に至るまでの、まばゆいばかりの冠や宝飾品が展示されます。またアテネのアクロポリスで発見されたアレクサンドロスの肖像は彼の生前に、それもおそらく20歳前後に彫られたもので、世界で唯一のたいへん貴重な作品です。
第8章 ヘレニズムとローマ (前323年~)
アレクサンドロス大王の死後、その後継者たちが建てた諸王国が互いに争ったヘレニズム時代に、ギリシャ美術は広い世界へと広まり、多様性を獲得しました。その中でも、驚くほどリアルな肖像彫刻と、官能的で繊細優美な女性像は特筆すべきものでしょう。紀元前31年に、エジプトの女王クレオパトラがローマに敗れた後、地中海はローマの内海となります。しかし征服者であるローマ人たちは逆に、ギリシャの美術や文化の魅力に捕われました。ローマ時代の肖像彫刻やモザイクは、ギリシャ美術がその後も長く生き続けたことを教えてくれます。
■長崎展 会期2016年10月14日(金)~12月11日(日)
長崎県美術館
〒850-0862 長崎県長崎市出島町2-1
■神戸展 会期2016年12月23日(金・祝)~2017年4月2日(日)
神戸市立博物館
〒650-0034 神戸市中央区京町24
主催:東京国立博物館、ギリシャ共和国文化・スポーツ省、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション
企画協力:東映
後援:外務省、駐日ギリシャ大使館
協賛:あいおいニッセイ同和損保、竹中工務店、日本写真印刷、三菱商事
監修:芳賀 京子(東北大学准教授)