光の揺らぎ-荒川尚也 宙吹きガラス-

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会 期
20140330日 -  20140505
開催時間
11時30分 - 17時00分
休み
火曜・水曜・木曜・金曜・土曜
クリエイター在廊

お問い合わせください。
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
0439-67-3917 村上由朗
sigel@taupe.plala.or.jp
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
Gallery & Cafe SIGEL
住所
〒299-1621 千葉県
富津市竹岡175-230
最寄り駅
上総湊
電話番号
0439-67-3917

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

自家調合のガラスをつかった宙吹きガラスの器、キャストの作品、照明器具 オブジェ など

 自然の光の中で、無色透明のガラスは、周囲の景色を映し込む。
 その像は、ガラスの形と成形時の痕跡で屈折し、
 反射し、
 変形し、
 その乱れは、“揺らぎ”を生み、
 ガラスの表情をつくる。
 それが自然の光の揺らぎと同調したとき、
 見る人の心を動かす。
 光の動きは移りゆく時間の現れでもある。
 光の器は時の器でもある。
 人の心も時の流れに揺らぎ、ひとつの言葉では捉えられない。それは音楽にも例えられる。
 音楽は時の流れに乗せて、人が作り出す音と音色だ。
 音と音色が、聴く人の心の動きと同調した時、心地よさや感動がうまれる。

関連イベント

 僕は、70年代の終わり頃、札幌のガラス工場でガラスを学んだ。そこでは、当時、既に殆どが機械生産やプラスチック製に変わっていた実用ガラス(容器ビン等)が、職人の手によって吹かれていた。
そのガラスには、工業製品には無い美しさがあった。それは、デザインの美しさと言うより、自然の美しさに近く、波や風、人の息遣い、山並みや木々の姿にも見られるリズムと揺らめきをもっていた。機械の幾何的な繰り返しではなく、又、でたらめな乱れとも違う心地よさがあった。
その美しさは、頭で考えたデザインでなく、直接、身体の流れにしたがってガラスを吹くことで生まれる。そのことを、工場で単純なかたちを繰り返し作り続けるという、一見、機械の様な仕事のなかで知った。つまり、精確に動く機械に成ろうとすることで、自分の中にある自然に気が付いたことになる。
人は物を作る時、その素材に触れ、素材の感触を確かめながら手を加えて行く。そのやりとりのなかで、素材の性質を自分の中に取り込んでゆく。
自然素材を使うとき、人は自分の内にある自然を自覚する。それは、人が人となる遥か以前、海に浮かぶ生物だった頃に、遺伝子に刷り込まれた波や潮の満ち干のリズム。人が生まれてから目にし、肌に感じてきた、光や風のもつ“揺らぎ”。それらが人の内に刻み込んだものだ。
その内なる自然、つまり、人の心が持つ揺らぎと自然の持つ揺らぎが共鳴したときに心地よさが生まれる。それが自然素材にふれた時の感覚だ。
しかし、ガラスを熔かす高温の坩堝の中は、人が生きる自然界ではなく、敢えて言えば、重力や熱エネルギーの法則だけが働いている世界だ。人が坩堝から巻き取る、熔けた状態のガラスには、自然界のリズムや揺らぎは刻み込まれていない。そういう意味では、ガラスは自然素材ではない。そこに自然を持ち込むのは吹く人だ。作りたいのは自然と同質のガラス。無色で透明のなかに、自然の光と色を感じたい。

関連情報

晴耕社ガラス工房 荒川尚也
HP:http://www.seikosha-glass.com/

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