開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
月曜日,火曜日,水曜日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
Gallery OUT OF PLACE
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒630-8243 奈良県
奈良市今辻子町32-2 |
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最寄り駅 | 奈良 |
電話番号 | 0742-26-1001 |
8’19"という数字が何を意味するのか、すぐにわかる人はどれほどいるだろう?
実はこれは、太陽光が地球に届くのにかかる時間を意味している。
例えば、今あなたは夜明けの富士山頂にいるとする。まさに雲海からご来光が輝き始めたとして、
実はそのまばゆい光はすでに8分19秒も前に太陽を出発した「過去からの光」なのだ。
1秒に約30万km(地球7周半)を進む光が、8分以上かけてやっと地球に届いている。
距離にして太陽と地球は1億4960kmも離れていることを、この数字は改めて私たちに教えてくれる。
しかし逆説的には、 たとえ今太陽が光ることをやめたとしても地球はすぐには絶滅せず、
少なくとも8分19秒間は今まで通り光の恩恵を受けることができる、とも言えるのだ。
太陽が消滅するなどナンセンスな仮説だと一笑に付されるだろう。
しかし本展はエコロジーやSDGsを語ると同時に、光の大切さについて改めて語り合う機会にしたい、そんな想いからこのタイトルが決まった。
太陽の光が届かなくなると知った時、地球上の生物は残された8分19秒をどう過ごすことになるのだろう。
植物はいつもと変わらず淡々と光合成を続けるのだろう、しかし人間は果たしてどんな行動を取ることになるのだろうか。
残された時間が非常に少ないことを知った人間は、その時初めて、太陽から受ける光や熱のありがたみを痛切に知り、
短い時間の中でも何かを生産しようともがき苦しむのかもしれない。
太陽がどれだけの資源と幸福を地球にもたらしてくれているのか、私たちは此の期に及んで真摯に思い出すことだろう。
しかし時はすでに遅し。そうこう考えている間にも、刻々と終末の瞬間が近づく。 ついには特別なことを何もできずに最後の瞬間を人間は迎えるしかない。
いや、ただしアートの世界には常日頃より光の効用を知り光を讃え、光を道具にあるいは光を表現の目的にして制作を続ける作家たちがいる。まさにそれは光合成を行う作家たちの中から、今回は次の3名を紹介したい。
井津建郎(b.1949)が今回公開するシリーズ「BLUE」は、サイアノタイプ(日光写真)の手法とプラチナプリントを組み合わせることによって、繊細な光のマチエールと官能的なフォルムを表現したものだ。
そして吉岡俊直(b.1972)は、フォトグラメトリを駆使し、被写体を3D化したデータをあえて青緑色のインクで刷ったシルクスクリーン(2D化)作品を発表している。そのシリーズから新作を選りすぐり展示する。
3人目のたかはしなつき(b.1971)は、主に間伐材を用い自然と対話しながら地球環境の再生をテーマに彫刻を発表し続けている。今回は、会場にある古い梁にインスタレーション作品を施す。
3人3様の異なる表現形式、独自の「光合成」とも言える制作、そしてそこから生まれるそれぞれの「美」。
私たちは彼らの作品の中に、光と時間の稀有な協働を見出すことになるだろう。
「光合成 8’19”」展を一人でも多くの皆様にご高覧いただきたく、広報にご協力下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
レセプションパーティ
6月15日(土)17:30~19:30
3作家が在廊しトークを行います。ぜひご来場ください。入場無料
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