シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

シアスター・ゲイツ《ドリス様式神殿》 2022年 展示風景:「シアスター・ゲイツ展:ヤング・ローズと彼らの軌跡」ニュー・ミュージアム (ニューヨーク)、2022-2023 年 撮影:クリス・ストロング

シアスター・ゲイツ《ドリス様式神殿》 2022年 展示風景:「シアスター・ゲイツ展:ヤング・ローズと彼らの軌跡」ニュー・ミュージアム (ニューヨーク)、2022-2023 年 撮影:クリス・ストロング

openstatus
あと124日後に終了
    • 印刷する
    • add calendar
    • clip-off
    会 期
    20240424日 -  20240901
    開催時間
    10時00分 - 22時00分
    火曜は17時00分まで(ただし4月30日(火)、8月13日(火)は22時00分まで)
    ※入館は閉館時間の30分前まで ※会期中無休
    入場料
    有料
    平日:一般2000円(1800円)、学生[高校・大学生]1400円(1300円)、シニア[65歳以上]1700円(1500円)
    土・日・祝日:一般2200円(2000円)、学生[高校・大学生]1500円(1400円)、シニア[65歳以上]1900円(1700円)
    ※( )内はオンライン料金 ※子供(中学生以下)無料 ※事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」の購入が可能です。 ※表示料金は消費税込み
    作品の販売有無
    展示のみ
    子連れ
    この情報のお問合せ
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    森美術館
    住所
    〒106-6150 東京都
    港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
    最寄り駅
    六本木
    電話番号
    050-5541-8600(ハローダイヤル)

    詳細

    展覧会内容

    世界が注目するプラック・アーティスト、待望の日本初個展!
    陶芸、建築、音楽で日本文化と黒人文化の新しいハイプリッドを描く、壮大なインスタレーション

     森美術館は、2024年4月24日(水)から9月1日(日)まで、「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」を関催します。
     シアスター・ゲイツ(1973年シカゴ生まれ)は、米国シカゴのサウス・サイド地区を拠点とし、彫刻と陶芸作品を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で国際的に高く評価されています。彫刻と都市計画の教育を受けたゲイツは2004年、愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初来日し、以来20年以上にわたり、陶芸をはじめとする日本文化の影響を受けてきました。日本やアジア太平洋地域での印象深い出会いや発見、そして米国ミシシッピとシカゴにルーツを持つアフリカ系アメリカ人として生きてきた経験が、彼の創作の礎となっています。アーティストとして文化的ハイブリディティ(混合性)を探求してきたゲイツは、アメリカの公民権運動(1954-1968年)の一翼を担ったスローガン「ブラック・イズ・ビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学とを融合した、独自の美学を表す「アフロ民藝」という言葉を生み出しました。ゲイツの日本初、そしてアジア最大規模の個展となる本展では、この「アフロ民藝」という実験的な試みを軸に、これまでの代表作のみならず、本展のための新作を含む日本文化と関係の深い作品などを紹介します。
     これまで多数派の声のみが取り上げられてきたことが問い直され、視点の多様化が求められる昨今、グローバルなアートシーンでは、第一線で活躍する黒人アーティストたちの表現に見られる多層的な経験が注目されています。黒人の歴史は、日本人の一般的な知識としては馴染みが薄いかもしれませんが、本展はゲイツの多角的な実践を通し、世界で注目を集め続けるブラック・アートの魅力に迫ります。同時に、手仕事への称賛、人種と政治への問い、文化の新たな融合などを謳う現代アートの重要性を実感する機会となるでしょう。

    シアスター・ゲイツメッセージ

    私にとって日本の民藝運動は、民衆が生み出すものに美を見出し、礼賛するというメカニズムを理解するうえで、20年以上にわたり大事な道しるべとなってきました。米国におけるブラック・パワー運動、黒人解放運動と同様、民藝運動は、西洋文明が瞬く間に侵食してくるなか、極めて特有な伝統や歴史を大切に守り継ごうとしました。もちろん両社ともに盲点や偏り、さらには否定的な意見を抱えていたわけですが、共通していたのは、地域性を称え、美への意識を高め、文化の力を尊ぶ、揺るぎない態度でした。「アフロ民藝」とは、私の芸術の旅路においてこの2つの最も重要な運動を融合させる試みなのです。

    [本展の特徴とみどころ]

    ■黒人アーティストによる国内顧大規模の個展
     グローバルなアートシーンで近年関心が集まるブラック・アート。なかでも高い注目度を誇るシアスター・ゲイツの過去の代表作から新作までを一堂に体験できる責重な機会です。背景にある黒人史や黒人文化と併せて包括的に紹介する本展は、国内では過去に例を見ないスケールでの試みとなります。常滑市で制作された陶芸と彫刻が融合した大型インスタレーション、歴史的資料のアーカイブ、タールを素材とした絵画、音響作品、映像作品など、充実した作品群が展示されます。

    ■「ブラック・イズ・ビューティフル」運動からゲイツが思い描く未来まで、黒人史がもたらした現代文化への影響を紹介
     近年のブラック・ライブズ・マター(BLM)運動を含む、黒人差別や迫害に抗ってきた歴史において、大きな役割を担ってきた黒人の工芸、アート、音楽、ファッションなどは、これまでになく高い注目を集めています。ゲイツも、消し去られた歴史に光を当てることに少なからず携わってきたといえるでしょう。そこには、何世紀にもわたる人種的暴力と植民地主義に対し、アクティブかつクリエイティブに抗ってきた一つの文化が反映されています。本展は、ゲイツの領域を横断する多彩な作品群を通して、黒人文化の今日的な重要性や意義を示します。

    ■シカゴを中心とした建築プロジェクトなど、「空間実践」の代表的プロジェクトを紹介
     世界的に知られているゲイツの建築プロジェクトの中でも、最も有名な「リビルド・ファウンデーション」(2009年-)を資料で紹介します。恣意的に隔離され、土地の所有や投資などの平等な権利を与えられなかった黒人が多数を占めるシカゴのサウス・サイド。ゲイツは、この地区の廃墟となった40軒以上の建物を、誰もがアートや文化活動に参加できる空間に作り変えてきました。
     リビルド・ファウンデーション(財団)の活動には、黒人の歴史と文化を記録する重要なコレクションの管理、保存、展示も含まれます。たとえば、黒人の生活や暮らしについての雑誌『エボニー』『ジェット』を発行し、20世紀後半に全米の黒人社会で多大な影響力を持ったシカゴ拠点の出版社ジョンソン・パブリッシング・カンパニー(JPC)のアーカイブや、「ハウスのゴッドファーザー」として知られるDJ、故フランキー・ナックルズ(1955-2014年)が所有していたレコード・コレクションなど、文化的・歴史的に責重な品々を地域住民に公開し、活動への参加を呼びかけています。

    ■日本と関わりの深い新作・プロジェクト
     常滑で制作された陶器から、シカゴのファンク・ミュージックやラウンジにインスパイアされた彫刻作品、教会オルガンを使ったサウンド・インスタレーション、さらに江戸後期の歌人であリ陶芸家でもある大田垣蓮月の作品、日本の香、酒、茶道をモチーフにした新作まで、黒人文化と日本文化の歴史的な資料やオブジェを組み合わせ、ハイブリッドに融合させた作品を展示します。

    ■展示室内にブックラウンジ「ブラック・ライブラリー」が登場
     展示室の壁を本棚で埋め尽くす「ブラック・ライブラリー」が登場。ブラック・アート、歴史、文化に関する数干冊もの書籍を自由に閲覧することができます。

    ■音楽のパフォーマンスやワークショップなどイベントを多数開催予定
     展覧会期中には、聴覚や嗅覚に訴えかけるパフォーマンスや、常滑市にある旧土管工場(丸利陶管)でのインスタレーションなど、ゲイツの幅広い活動を紹介するさまざまなイベントが予定されています。

    「アフロ民藝」とは?
     「アフロ民藝」は、シアスター・ゲイツがハイブリッドな文化の未来構想として描く、黒人の美学と日本の工芸の哲学を融合させた新たな美学のマニフェストです。ゲイツが長年にわたリ築いてきた日本、中国、韓国の陶磁器の歴史との関係をたどりながら、日本の民藝運動と米国の「ブラック・イズ・ビューティフル」運動という2つの重要な運動を反映する、芸術的で知的な試みです。両運動は、ともに文化的な独自性が、近代化と欧米化という外的かつ支配的な圧力によって脅かされていた時代に、大衆への訴求、学術的な討論やプロパガンダを手段として活発になりました。
     ゲイツは「アフロ民藝」について「フィクションであると同時に真理でもある」と言います。これまでの活動の集大成として、ゲイツのアートに大きな影響を与えた民藝運動を生んだ日本で本展を開催することは、文化がその国で、世界で、そして文化問で醸成されていく過程へのオマージュであり、証でもあります。

    主催・協賛・後援

    主催:森美術館
    企画:徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)、片岡真美(森美術館館長)

    平均:0.0 
    レビューした人:0 人

    近くの展覧会

    人気の展覧会

    <<        >>

    クリップした展覧会はありません。