髙橋あやな/アガツマアヤメ「ワンルームの頃」

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会 期
20191022日 -  20191029
開催時間
11時00分 - 20時00分
休み
無し
展覧会の撮影
この情報のお問合せ
Room_412:担当 伊東
TEL:050-5319-8428
E-mail:info@room412.jp
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
Room_412
住所
〒150-0031 東京都
渋谷区桜丘町15-8 高木ビル412号室
最寄り駅
渋谷
電話番号
050-5319-8428

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

大人になると、残酷なくらい毎日が早く過ぎていく。
教室の隅、何度見ても進まない時計はなんだったんだろう。
お酒はおいしかった。
ゲームセンターより楽しい遊びを覚えた。
漫画はまだ読んでる。
ロックスターだと思ってた先輩は27歳で死ななかった。
写真で見た親が、いまよりうんと若かった。
夢の切れ端みたいなものが、ときどき奥できらめいたりする。

どうしようもない友達ばかりで、
みんな社会人になるなんて無理だと思ってた。
でも、なんとかやれているみたいで、
この淋しさをひとりよがりと呼ぶのだと知った。

彼も、あの子も、ワンルームに住んでいる。
家賃的にも、広さ的にも、
いまはちょうどよいのだと思う。
でも、5年後、10年後には
きっと違う人が住んでいるし、
どんなに古びていても、お風呂とトイレいっしょでも、
いきなり、部屋への愛おしさが押し寄せてきたりする。
こんなに居心地いいのに、いつか、入れなくなっちゃうなんて、ね。

私は特別で、私たちは特別で、
ありふれた存在だなんて思ってもみなかった。
同じような帰り道や、
同じような終電後のエピソードや、
同じような爆笑や、
同じような苦しい恋や、
そういう、巻き起こった奇跡みたいなドラマが
他にたくさんあるはずなんてなかった。

それでも、知っている。
他の誰かにとってはしょうもなくても、どうでもよくても、
近づいてみれば、ひとつひとつは全然違っていること。
ぜんぶに題名はつけられないけど、
できる限り、こころの動いて堪らない瞬間には、
シャッターを切る。文字で残しておく。

ありふれた私たちの、二度とない夜に。

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