メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017ー漂泊する想像力

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会 期
20170527日 -  20170827
開催時間
11時00分 - 17時00分
水曜は20時00分まで。入館は閉館の30分前まで
休み
月(祝日にあたる7月17日は開館)、7月18日
入場料
有料
一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料/学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
原美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
原美術館
住所
〒140-0001 東京都
品川区北品川4-7-25
最寄り駅
品川
電話番号
03-3445-0651

詳細

展覧会内容

■「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」とは
原美術館が2003年からパートナーをつとめる「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」は、日本とドイツの間で現代美術アーティストを交換して交流をはかるメルセデス・ベンツ日本の文化・芸術支援活動で、1991年から続いています。

■日本から2名、ドイツから1名が新作を発表
本展に参加する3名は揃って新作を発表します─泉太郎(いずみ・たろう/2016年ベルリンへ派遣)はどこか不思議な映像インスタレーションを、メンヤ・ステヴェンソン(Menja Stevenson/2015年東京へ招聘)は「Japan」の現在と伝統の中から着想を得た写真やモノタイプなど多彩な作品を、そして招待出品の佐藤時啓(さとう・ときひろ/1993年「アート・スコープ」に参加)は、90年代に一度作品化した東京の街を再び(しかし違う手法で)撮影した写真作品で、過去と現在を対置します。

■どんな展覧会か
作風・スタイルは異なりますが、3名のアーティストはいずれも本展に向けた制作のためにカメラを持って街へ出ました。東京あるいはベルリン─街の中を漂泊するアーティストの想像力が創り出す三者三様の世界をご鑑賞ください。

《出品アーティストと作品について》
泉太郎(映像インスタレーション)─映像を織り交ぜてどこかおかしい空間を創り出す

泉太郎は映像作品・映像インスタレーションやドローイングを制作し、自分自身のパフォーマンスをビデオに収めることも多いですが、他の出演者を起用する作品もあります。映像は、《意味》と《無意味》を往来するような《ゲーム》あるいは《プレイ》を思わせる行為=パフォーマンスを映し出し、一方、インスタレーションは小学生の図画工作にも似た(芸術的洗練とは正反対の)手作り感に満ち溢れています。「くすっと笑ってしまう」感覚と「首をかしげたくなる」感覚が交錯する泉太郎の作品は、社会的日常と現実に対する異化効果を示したものと言えます。本展ではベルリン滞在中に撮影した動画素材や、渡航で得たアイデアによる新作の映像インスタレーションと映像作品を出品。

《プロフィール》1976年奈良県出身。多摩美術大学院美術研究科修士課程修了。「ヨコハマトリエンナーレ2011」など、国内外で多数の展覧会に参加。また、原美術館で開催したグループ展「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(2009)にも出品。本年2月からはパリのパレ・ド・トーキョーで個展「Taro Izumi–Pan」を開催。東京都在住。

メンヤ・ステヴェンソン(写真、モノタイプなど)─異文化の《いにしえ》と《いま》を観察する
ドイツ南部のシュトゥットガルトを拠点とするメンヤ・ステヴェンソンは、さまざまなメディアを使うアーティストです。映像・写真・ドローイング・オブジェなど多岐にわたりますが、映像作品では、泉太郎と同様、自分自身の行為=パフォーマンスを撮影し、それを通して日常の隙間に違和感を生み出すものがあります。本展では東京滞在中に撮影した写真と、同じく滞在中に制作したコンセプチュアルなモノタイプ(版画)が中心になる予定です。今回のプログラムで初めて来日・滞日したことで、カメラを持って東京を散策し、その風景や空間の中に発見を求めると同時に、《Japan=異文化》の伝統と現在にアイデアを見出してコンセプチュアルな作品を制作しました。

《プロフィール》1982年ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州ロットヴァイル出身。シュトゥットガルト造形芸術アカデミーで美術とメディアアートを学ぶ。写真・映像・パフォーマンス・インスタレーションなど作品は多彩。シュトゥットガルト在住。

佐藤時啓(写真)─カメラで切り取る《自分》と《東京》のビフォー/アフター

佐藤時啓はまさにPhotography(直訳:光で描く絵)を実践する作家です。作品の第一印象は上記2作家と異なりますが、80-90年代の代表的なシリーズ「光─呼吸」は、カメラの前で自ら身体的パフォーマンスを繰り広げる点で共通しています。これは、東京をはじめ内外のさまざまな場所に赴き、長時間露光で撮影することで動き続ける自らの姿を写真には残さず、手に持った鏡の反射光やライトの光の軌跡のみを記録した幻想的な作品です。それは現実を《写す》のではなく、人の眼で知覚するのとは違うイメージに《ずらし》、《移す》ものと言えます。本展では、90年代初頭に「光─呼吸」で撮影した東京の同じ場所をもう一度(しかし違う手法で)撮影し、自己の表現と東京の姿それぞれの新旧を対照させます。

《プロフィール》1957年山形県出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了。芸術選奨文部科学大臣賞(2015)など、受賞多数。美術館での個展は東京都写真美術館(2014)、アメリカ・シカゴ美術館(2005)など多数。また、原美術館で開催したグループ展「空間・時間・記憶-Photography and Beyond in Japan」(1994、のち北米3カ国に巡回)、「『アート・スコープ』の12年-アーティスト・イン・レジデンスを読み解く」(2003)、「そこにある、時間-ドイツ銀行コレクションの現代写真」(2015)にそれぞれ出品。埼玉県在住。東京藝術大学教授。

●「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」について補足
このプログラムは1991年に「アート・スコープ」の名称で始まり、原美術館は2003年からパートナーとなりました。そして今回から名称を「メルセデス・ベンツアート・スコープ」と改め、装いを新たにしました。
プログラムの骨子は、現代美術の発展と日欧文化交流促進の一助として(1)日本のアーティストにはベルリンで、ドイツのアーティストには東京で、それぞれ約3ヶ月間の《アーティスト・イン・レジデンス》を体験してもらう、(2)その成果を踏まえた参加アーティストの合同展覧会を原美術館が企画・開催する、というものです。今回から、プログラム名称を改めると同時に、展覧会では、直近の派遣・招聘アーティストに加えて、ゲストとして過去の参加アーティストから1名に出品依頼することとしました。「アート・スコープ」参加以後もキャリアを積み重ねている招待作家の近作を通して、四半世紀を越えて継続する本プログラムの歴史と変遷を検証できることと思います。
なお、アーティスト・イン・レジデンスとは、あるアーティストが一定期間滞在して制作活動あるいは制作のためのリサーチ・研究を行いながら、滞在先で交流を深めるプログラムのことで、世界各国で盛んに行われています。日本国内では1990年代以降、主に自治体やNPO等が受け皿となって活発化し、現在に至っています。

関連イベント

【1】アーティストトーク(予約制、申し込み先着順)
 2017年5 月27日[土]2:00 am - 4:00 pm 原美術館ザ・ホールにて
 出演者:泉太郎、メンヤ・ステヴェンソン、佐藤時啓/司会:安田篤生[原美術館副館長/学芸統括]
 ※予約方法・受付開始日時などの詳細は後日発表します

【2】ワークショップ(予約制、申し込み先着順)
 会期中に出品作家の佐藤時啓による親子で参加できる体験型ワークショップを行います。詳しい内容・日時ならびに参加費、申
 込み方法は原美術館ホームページ、ブログ等で後日発表します

主催・協賛・後援

主催:原美術館、メルセデス・ベンツ日本株式会社
後援:ドイツ連邦共和国大使館
企画協力/レジデンス・プログラム: NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]

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