開催時間 |
10時00分 - 17時00分
入館は16時30分まで |
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休み |
月(9月19日、10月10日は開館)、10月11日(火)
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入場料 |
有料 一般1300円(1100円)、大学・高校生800円(600円)、中学生以下無料 ※( )無いは20名以上の団体 ※前売り 一般1000円、大学・高校生500円 ※障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
東京藝術大学大学美術館
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒110-8714 東京都
台東区上野公園12-8 |
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最寄り駅 | 上野 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
すごい!びっくり!かわいい!
「驚きの明治工藤」の世界へようこそ
江戸時代、徳川幕府による安定した政権のもとで、日本の工芸は技術的に大きな発展を遂げました。特に金工、漆工の分野では、造形、装飾に写実が意識され、様々な材料を使用し、技巧を尽くした作品が作られました。江戸から明治に時代が移ると、将軍家や大名の後ろ盾を失った工人たちは、明治政府の殖産振興、外国への輸出政策によって、新たな制作の方向を見いだすようになります。江戸時代に培われたその技術は、表現力をよりいっそう高め、外国における博覧会で絶賛されるに至りました。
この展覧会は、そうした明治時代の工芸品を中心に、その基となった江戸時代後期から、明治時代の影響が及んだ昭和初期までの作品によって、その驚くべき表現や技術を紹介します。
そして、題名の「驚き」にはもうひとつ意味があります。それは、この膨大な作品がすべて一人のコレクター、宋培安氏のコレクションであるということです。明や清の技巧的な作品に、より近い距離で接していながら、宋氏はなぜ日本の工芸をこれほど多く集めたのでしょうか?日本工芸に対する想いや魅力についても、本展では取り上げていきます。
写実の追求-まるで本物のように-
日本では、彫刻をはじめとする立体的な造形は仏像が中心であったため、理想とする姿を顕現化する傾向が長く続いていました。しかし、江戸時代になると、工芸の世界では、動物や植物の姿を写実的にとらえ、それを再現する作品が見られるようになります。特に鍛金や鋳金の金工では、もともと立体的な作品を作っていたため、そうした表現を行いやすかったと考えられます。その代表的な例に、鍛金による自在置物があげられます。また江戸時代には、平面上に金や銀の蒔絵によって文様を表現する漆工においても、写生画のように植物を描いた作品が現れます。明治時代になると、こうした傾向はより強くなり、木彫、象牙彫刻、陶磁などの分野でも写実の追求が行われるようになります。それは対象とするモチーフを「まるで本物のように」写し取る技巧へと進んでいきました。
技巧を凝らす-どこまでやるの、ここまでやるか-
江戸時代には、友禅、高肉象嵌、色絵など、エ芸のそれぞれの分野で新たな技法が開発されます。明治時代になると、そうした技法から生まれた表現は、より高い精度が加わり、細密な作品が多く作られるようになります。明治時代の工芸品は、欧米諸国への輸出が目標とされ、内外の博覧会への出品によって、その優秀な技術を示すことが重要視されました。「公開」という江戸時代にはなかった制作目的のため、より高度な芸術性が求められるようになったのです。漆工、金工は色漆や種々の金属の象嵌による色彩感のある表現をしたものが好まれ、また染織では、ビロードの生地に友禅染を施すビロード友禅や、漆工、金工、七宝、象牙彫刻を併用した芝山細工など、華麗・繊細な感覚の作品が生み出されます。人の手によって表現しうる限りの技巧を凝らした世界が展開されたのでした。
巡回情報
細見美美術館(京都) 2016年11月12日~12月25日
川越市立美術館(埼玉) 2017年4月22日~6月11日
主催:東京藝術大学、朝日新聞社
後援:台東区
協力:あいおいニッセイ同和損保、日本航空