トン●ジン●カン●地平

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会 期
20240720日 -  20240809
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
日曜日,月曜日,祝日
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
Sansiao Gallery
03-3275-1008
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
Sansiao Gallery
住所
〒103-0027 東京都
中央区日本橋3-2-9 三晶ビルB1F
最寄り駅
日本橋
電話番号
03-3275-1008

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

この度、Sansiao Galleryでは、ippaida storageと中尾一平による二人展『トン●ジン●カン●地平』を開催いたします。本展覧会では、異なる表現を持つ2人のアーティストによるインスタレーションとパフォーマンスを展示します。

本展覧会のコンセプトは、都市の風景と個人の記憶や身体との関係を探ることにあります。現代の都市風景は、経済の不安定さ、人口構成の変化、新技術やアルゴリズム、ジェントリフィケーションなどによって変容しています。その中で感じる「トンチンカン」な感覚や、仏教の「貪・瞋・痴」(貪欲、怒り、無知)の感覚を探求します。

ippaida storageの故郷である宮崎で撮影された映像は、風景と個人の記憶が交錯する様子を捉えています。記憶の断片と身体感覚が入り混じり、時間軸が変容する中で、アーティストたちの存在のリアリティが揺らぎます。この展示では、皮膚や身体を使って都市風景に新たな意味を見出し、時間、場所、身体、テクノロジーを超越した新しい関係性を模索します。

展示では、風景論を再考し、都市の変化に伴う個人の経験や感覚を表現します。経済や社会の変動の中で変わりゆく都市の風景がもたらす混沌や違和感をテーマに、アーティストたちの独自の視点を通じて現代の都市風景を捉え直します。

作家テキスト
場所の記憶や、自分の皮膚の痒みすら、都市を目の前にして晒される今日において、都市の風景とは何か。変化するもの、懐かしむもの、安心するもの、恨むもの。悔しくてやるせないもの。。。

1975年に公開された前衛的なドキュメンタリー映画「略称連続射殺魔」があります。この作品は、1968年から1969年にかけて実際に連続射殺事件を起こした永山則夫の幼少期からの足跡を、彼が見たであろう風景を主観ショットで追いかけることで描いています。映画で提唱された「風景論」とは、1960年代末からアクティビスト兼映画批評家である松田政男が唱えた理論で、高度経済成長下で急速に進展する国土開発によって均質化する地方の景観を「風景=不可視の権力」と捉えたものです。しかし、映画が永山の個人性に寄り添うナラティブを展開していたため、後の大島渚監督「東京戦争戦後秘話」では、風景がある男の「遺書」として描かれ、風景論の一部が男性神話に帰結していたように思われます。

2024年にこれらを当てはめることはできません。現代では、日本の均質化された表面の下でゆっくりと変異してきたものが、経済の不安定さ、人口構成の変化、見慣れない技術的実体やアルゴリズムの影響を通じて特異性が露わになりつつあり、都市は新たな影響下で歪みつつあります。そのざわめきの中で、陳腐なものが侵食の兆候を見せ始め、新たな質のカオスへと変わりつつあるでしょう。その倒錯は汚穢であり、下水のように地下に隠されるもので、その排除は虐殺と地続きであるという声に耳を傾ける間もなく。

ippaida storageの故郷である宮崎で撮影された映像は、風景と連動した記憶に呼応しながら追いかけ、追い越し、置いていかれるという時間軸の変容と、擬似記憶の流入が、私とippaidaの存在のリアリティの希薄さをかき混ぜる行為となりました。ippaidaの記憶を頼りに私の身体が記録を重ね、私の身体にippaidaのテクスチャが重なっていきます。

本展示では、風景論を再考するための足掛かりとして、皮膚や身体を用いて侵食の痕跡を露わにし、何もない場所で動けずにいる「トンチンカン」と抱き合うことで、時間軸、場所、身体、テクノロジーを超越した、バイナリーではない新たな関係性を模索します。

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