開催時間 |
10時00分 - 18時00分
毎週金曜日は20時00分まで ※入館は閉館の30分前まで |
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休み |
月曜日
(11月4日、1月13日は開館)、11月5日、12月28日ー1月3日、1月14日 |
入場料 |
有料 日時指定予約制(2024年9月3日[火]よりウェブ予約開始) ウェブ予約チケット1,200円、窓口販売チケット1,500円、学生無料(要ウェブ予約) ※予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットをご購入いただけます。 ※中学生以下の方はウェブ予約不要です。 ※この料金で同時開催の展覧会を全てご覧いただけます。 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
アーティゾン美術館
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒104-0031 東京都
中央区京橋1-7-2 |
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最寄り駅 | 京橋 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
アーティゾン美術館では、2020年の開館以来、石橋財団コレクションとアーティストとの共演、「ジャム・セッション」展を毎年開催しています。第5回目となる本展は、国際的なアートシーンで注目を集めるアーティスト、毛利悠子を迎えます。
毛利は、主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有する流れや変化する事象に形を与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開く試みを行っています。
本展タイトルに含まれる「ピュシス」は、通例「自然」あるいは「本性」と訳される古代ギリシア語です。今日の哲学にまで至る「万物の始原=原理とはなにか」という問いを生み出した初期ギリシア哲学では、「ピュシス」が中心的考察対象となっていました。当時の著作は断片でしか残されていませんが、『ピュシス=自然について』と後世に名称を与えられ、生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす哲学者たちの思索が伝えられています。絶えず変化するみずみずしい動静として世界を捉える彼らの姿勢は、毛利のそれと重ねてみることができます。
毛利の国内初大規模展覧会である本展では、新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションと並べることで、ここでしか体感できない微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間に来場者をいざないます。
見どころ
1.現代日本を代表するアーティストの国内初となる大規模展
毛利悠子は、彫刻、音、動きなどを組み合わせることで、空間にただよう「見えない力/事象」に形を与え、わたしたちに感受可能なものに変換する作品で知られています。近年数多くの国際展に参加し、世界のアートシーンで注目を集める毛利は、現代美術のオリンピックと呼ばれる「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」、第60回(2024年4月20日—11月24日)における日本館展示に選出されました。そんな彼女の活動を、アーティゾン美術館の空間に合わせてアップデートする既発表作品と、コレクション作品からインスピレーションを得た新作を交えて、国内では初となる大規模なスケールで紹介します。
*本展は第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示の帰国展ではありません。
2.時代を超えて交わる自然へのまなざし:「動き」や「音」を通じて
2020年の開館以来、現代アーティストとコレクション作品の共演を届けてきた「ジャム・セッション」展。「ジャム・セッション」は、元来ミュージシャンが集まって即興的な演奏を行うことを意味していますが、今回迎える毛利悠子は、デビュー当時から類語の「インプロヴィゼーション(即興演奏)」を創作におけるキーワードのひとつとしてきました。構成/作曲された音楽から逸脱していく現代/実験音楽の「エラー」や「フィードバック」も毛利の作品空間には組み込まれています。そんな音楽的モチーフを通して振幅やゆらぎ、変動や不確定さを重視する作家の観点から選ばれた近代の作品群は、「動き」や「音」をともなった毛利作品と併存することで、これまで見えてこなかった表情を見せ始めます。クロード・モネ、アンリ・マティス、パウル・クレー、ジョルジュ・ブラック、マルセル・デュシャン、ジョゼフ・コーネル、藤島武二といった作家たちと毛利の、時代を超えた創造性の交わりをお見せします。
3.切迫する環境問題への「アート思考」
SDGs(2015年の国連総会で採択された、2030年までに達成されるべき持続可能な開発目標)が多くの企業や行政で共有されている現在は、翻って言えば、我々が深刻な地球環境の危機に直面していることを意味しています。大量生産・大量消費を是とし、「コントロール/制御」を軸に効率重視で発展してきた産業を中心とする社会がもたらす複合的な環境問題に対して、これまでとは異なった思考法が要請されています。
また、明確なゴール設定や効率性を重視しない、まごつきやリフレーミングといった迂回路に導く創造性を培う「アート思考」が、近年ビジネスや教育の現場で注目されています。
「エラー/不制御」や即興的な展開、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった微細な環境の要素を作品に取り入れる毛利の姿勢は、大きすぎあるいは小さすぎて見えない流れ/変化に対する私たちの感度を高め、環境問題とその課題への向き合い方のささやかなヒントとなるでしょう。
土曜講座「アーティスト・トーク」
*各回とも逐次通訳あり
*事前申込制
会場:アーティゾン美術館 3階 レクチャールーム
2024年11月2日(土)10:30—12:00(10:00開場)
毛利悠子 × イ・スッキョン(英国マンチェスター大学ウィットワース美術館館長、第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター)
2024年11月2日(土)14:00—15:30(13:30開場)
毛利悠子 × ヴィセンテ・トドリ(ピレリ・ハンガービコッカ芸術監督)
主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
「ひとを描く」(5階展示室)
古代ローマの大プリニウスの『博物誌』には、コリントの陶器商の娘が旅立つ恋人の姿を残しておくために壁に影をかたどったというギリシア人の説話が書かれています。この物語は、18世紀後半から19世紀初めには、絵画の起源として引き合いに出されました。そして実際、ヨーロッパの美術の歴史を見てみると、「ひとを描く」ことは作品制作の重要な要素のひとつでした。この展覧会では石橋財団コレクションから、古代ギリシア陶器と近代ヨーロッパの絵画作品などの合計85点で、人物表現の豊かさをご紹介します。
石橋財団コレクション選
特集コーナー展示 マティスのアトリエ(4階展示室)
アンリ・マティス(1869-1954)の絵画において、室内は常に重要な要素であり続けましたが、とりわけ1940年代以降、生活と創作とが地続きとなった空間として重要になるのが、アトリエです。 本展は、《踊り子とロカイユの肘かけ椅子、黒の背景》(1942年)の収蔵にちなみ、石橋財団のコレクションにより、マティスの創作においてアトリエが果たした役割について、複数の視点から探るものです。