松井えり菜 個展 アストラル・ドリーマー

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会 期
20240720日 -  20240907
開催時間
12時00分 - 18時00分
休み
日曜日,月曜日,祝日
※夏季休廊:08.11 (日) – 8.19 (月)
クリエイター在廊
入場料
無料
この情報のお問合せ
ANOMALY
情報提供者/投稿者
開催場所
ANOMALY
住所
〒140-0002 東京都
品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
最寄り駅
天王洲アイル
電話番号
03-6433-2988

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

ANOMALYでは、7月20日 (土) より9月7日 (土) まで、松井えり菜個展「アストラル・ドリーマー」を開催いたします。
「変顔」の自画像で知られる松井えり菜は、2004年GEISAI #6で金賞を受賞しデビュー、以後自画像やその絵画史、また自己の作品のルーツについて考察を続け、制作・発表してきました。本年市原湖畔美術館で開催された「市原湖畔美術館子ども絵画展」ではゲストアーティストとして子どもの絵画と共に新作を発表するなど、現在も精力的に活動を続けています。

松井にとっての絵画制作とは、現実では叶わない理想郷を自由に構築できる場であり、スペクタクルな宇宙空間と日常の自分自身の対比など、スケールの大きな世界を描くことのできる手段でした。漫画やアニメから大きな影響を受けてきた松井は、なかでも子供の頃に出会った「ベルサイユのばら」や「魔法使いサリー」など少女漫画に傾倒し、ブロンドの少女や西洋文化に強く惹かれてきたと言います。そのような憧れの対象に変身するような自画像も描いてきましたが、多くは「変顔」と呼ばれる滑稽な表情や極端にデフォルメされた顔でした。「変顔」は、自分の滑稽さを素材にして他者と笑いや感情を共有したいという若者たちから生まれた流行で、80年代生まれの松井はそのものをキャンバス上で体現しながら、絵画の世界にセンセーションを巻き起こしました。

近年在外研修でパリに赴き制作を進める中で、何を描いて/何を描かないかを改めて考察し、むしろ描かなかったことで広がる無限空間に着目するようになりました。「変顔」を描く「上手さ」に通じるリアリズムから距離を置き、入れ子状(鏡を通して自分を見ている自分を天井の視点から描く)の視点から描いた自画像や、少女漫画のような素敵な自分ではなく、憧れのパリに居て朝起き抜けで髪がボサボサな(しかしルーブル美術館のトレーナーを着ている)自分自身のリアリティを描き、鳥瞰する視点が絵画に現れるようになりました。
iPadを見ている最中突然画面が暗転した瞬間に映ってしまった自分自身の姿に絶望したり、電車がトンネルに入った時窓に映った自分の姿が脳内の自分像と乖離していて、がっかりした経験は誰にでもあると思います。年齢を重ね今ある自分自身と、脳内アニメ的自分との乖離が、松井えり菜の場合は非常に大きいのかもしれません。

「自画像を描き続けて20年。歳を重ねていくたびに私自身と私の中の少女性が乖離していくのを感じています。そんな私が「パリに行きたい・・・」と呟くのは決まって目の前の何かから逃避したいと思う時。私の少女性は身体から離れ、池袋の雑然とした自宅から出発し、日本を飛び出し海を越えフィンランドの上空を通過しパ リを目指して飛んでいくのです。
使い古された部屋着のスウェットとレギンス姿の、およそパリに似つかわしくない格好をしている私は、幼少時からの憧れが凝縮したユートピアのようなイマジナリー・パリを散歩します。明るい日差しと美しい街並みを歩き回るうちに、日向を歩くよりも日陰からキラキラとした風景を見る方が心地よく性分に合っていることに気づきます。
そうこう思案していると帰国後に成田空港で飲む味噌汁の旨さを思い出し、急激に意識の乖離が埋まり、なんてことない私の日常に戻るのです。」

松井えり菜

以前の自画像は「インターネット上でのコミュニケーションが氾濫する昨今、人は自らの顔を隠しのっぺらぼうのような世界を作り上げているのではないか」という松井の問いと、「1ミリ表情筋が動いただけで、様々な情報を伝える顔」に「宇宙空間のような無限の広さ、可能性」を示す松井ですが、今回発表する作品は、「描かないこと」で現れる世界と、他者の視点が展開されています。 本展タイトルの「アストラル・ドリーマー」は、幽体離脱(≒アストラル・トリップ)して、夢(時には悪夢という現実)のように様々な自分自身がいる、といった意味合いの造語です。

*同時開催:辰野登恵子個展

関連イベント

オープニングレセプション: 7月20日 (土) 17:00 – 19:00
*作家も在廊いたします。

トークイベント
日時:7月20日 (土) 16:00 − 17:30
登壇者:松井えり菜、西川美穂子 (東京都現代美術館・学芸員) *敬称略
言語:日本語
入場料:無料
場所:ANOMALY、東京
*先着順のためお立ち見になる可能性がございます。

「ハレとケ、映えと毛」
今回の展覧会は、これまでの作品よりもハレとケのケの部分を拡張し作品として展開しています。
また展覧会における“映え”は昨今無視出来ない要素となってきています。
私においては、この20年間で一番変わったのは毛量であり、“映え”を意識するときは、息を吸うようにウィッグを被るようになりました。
最初はハレの日だけのウィッグがいつの間にかケの日も被るようになり私のウィッグ (ハレ) は日常 (ケ) に溶けて混ざりあっていくように実感しています。
同じように (?) 映えは展覧会においてケとなり得るのか?
トークをご一緒するキュレーターの方とじっくりお話したいと思います。
松井えり菜

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