開催時間 |
10時00分 - 17時00分
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休み |
水曜日
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入場料 |
有料 一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
INAXライブミュージアム
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒479-8586 愛知県
常滑市奥栄町1-130 |
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最寄り駅 | 常滑 |
電話番号 | 0569-34-8282 |
株式会社LIXIL(以下LIXIL)が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、2024年4月13日(土)から2025年3月25日(火)まで、企画展「なんとかせにゃあクロニクル―伊奈製陶100年の挑戦―」を開催します。2024年、LIXILの水まわり・タイル事業は100周年を迎えます。本展では、1924年に設立した伊奈製陶からINAX(現LIXIL)に至るものづくりの歴史を、年表とエポックメイキングな製品や技術など100点以上の実資料で展観し、先人たちの創意工夫をひも解きます。
およそ千年の歴史を持つ六古窯の街、愛知県常滑市で設立した伊奈製陶(後のINAX※1)は2024年、100周年を迎えます。
そのルーツは1766(明和3)年、初代伊奈長三郎の茶器づくりに遡ります。陶銘「長三(ちょうざ)」を継ぐ名工として、伊奈家は四代にわたり陶芸分野でやきものづくりを続けました。しかし、初之烝(はつのじょう)に代が変わると、息子・長太郎※2(創立者)とともに、時流を読み陶業へと転換を図ります。設立当初は土管やタイル製造が主な事業でしたが、戦後、水まわりに関わる商品群へと拡大。常滑で培われたものづくりのDNAを受け継ぎ、生み出された数々の製品とその生い立ちは、日本の豊かな住まいと暮らしに向けたあゆみと重なります。
本展では、伊奈製陶からINAXに至るものづくりの歴史を、年表とエポックメイキングな製品や技術などの展示とともに展観します。歴代長三の急須類や初之烝親子による発明品、国産初の温水洗浄機能付便器、当時の最先端技術FRP(ガラス繊維強化プラスチック)素材の浴槽の展示、さらに惜しくも実現しなかった事業やアイディアにも光を当て、先人たちの創意工夫をひも解きます。「なんとかせにゃあ」と奮闘し、挑み続けた伊奈製陶のチャレンジ精神から生まれた数々のイノベーションをご覧いただければ幸いです。
※1 1985(昭和 60)年、伊奈製陶から社名変更、現在は LIXIL
※2 1926(大正 15)年、六代目伊奈長三郎を襲名
■見どころ
本展の会場は、大きく2つに分けて構成します。前半は伊奈製陶設立前から終戦までを年表に沿って、戦後の後半はテーマごとに展示。時代に合わせ変化しながら、社会に貢献するという志をもって生み出された技術や製品にスポットを当てます。会場では、伊奈製陶設立のきっかけをつくった初之烝と長太郎親子をモデルにした愛らしい土管のキャラクターがお出迎えします。
【1】伊奈製陶設立前の発明品
伊奈家は四代まで陶芸分野でやきものづくりを続けました。その中でも、二代長三は技と素材に新風を吹き込んだ名工でした。苦心して探し出した白泥(はくでい)土を用いた「白泥焼」、海草を巻き付けて焼く「藻がけ」など後世に残る手法を生み出します。「白泥藻掛横手急須」をはじめ、歴代長三の精緻な作品を選りすぐってご覧いただきます。
その後、陶芸から陶業へと転換を図った初之烝と息子・長太郎(創立者)は、世界を見据えた様々な研究を進め、人に役立つ革新的なアイディアをもとに数々の特許を取得、惜しみなくその技術を同業者に公開しました。展示では、公共空間の清潔化をめざし発明された「家外小便所(復元品)」や、土管を運ぶ重労働から人々を解放した「伊奈式運搬車」を、特許証とともに紹介。陶芸や窯業の発展に大きく貢献した発明品にご注目ください。
【2】伊奈製陶設立後のスターアイテムたち
1924(大正13)年、伊奈製陶株式会社を設立。当初は土管やタイル製造を主な事業としながら、さまざまな新製品を開発し新市場への参入を試みます。中でも「ラスモザイク」は、厚さ1.3㎜、多彩色の極薄モザイクタイルで、裏面に網(ラス)を貼り壁紙のように安易に扱えるのが特徴でした。展示では施工写真集にも記載がある鹿図を初公開します。
戦後は衛生陶器など水まわりに関わる製品の開発製造へと展開しました。後に、新素材として注目されていたFRPに着目し、試行錯誤の末、1958(昭和33)年にポリバス(FRP浴槽)を開発。軽く施工が楽なこの素材を進化させながら「バランス釜」などの新商材が生まれます。また、1967(昭和42)年には国産初の温水洗浄機能付便器「サニタリイナ61」を発売。技術者たちが未経験の新しい機能開発に悪戦苦闘の結果、生み出した画期的な製品をご紹介します。
【3】中銀カプセルタワーユニットが常滑にやってくる
建築家・黒川紀章の設計により、1972(昭和47)年に東京・銀座に竣工した〈中銀カプセルタワービル〉は、140基の着脱可能なカプセルユニットで建築運動「メタボリズム」の傑作といわれています。そのユニットバスを手がけたのが伊奈製陶でした。ほぼ納材当時の仕様のまま現存するカプセルが「どろんこ広場」に登場。内部空間は円型窓ごしにご覧いただきます。
【4】豊かな暮らしに向けた挑戦事例を紹介
最後は「土」「セラミックス」「FRP」「水流」の4つをキーワードに、技術開発や進化、そこから派生したユニークな研究や製品を紹介します。
やきものの孔の形状や量をコントロールし、機械加工が可能な機能素材「マシナブルセラミックス」を開発し、1989(平成元)年に名古屋で開催された世界デザイン博覧会においてセラミックス楽器に応用しました。また、FRPの軽くて錆びない特性と、浴槽づくりで培った技術と経験をもとに「パラボナアンテナ」を開発。国内だけでなく国際的にも注目を集めます。いずれも事業は継続しませんでしたが、技術者の研究から誕生した開発事例にもスポットをあてます。
主催:INAXライブミュージアム
企画:INAXライブミュージアム企画委員会
協力:とこなめ陶の森、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト、中村眞二、肥田吉生
展示デザイン:株式会社トータルメディア開発研究所