開催時間 |
11時00分 - 19時00分
最終日は18:00まで |
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入場料 |
有料 ¥500 |
この情報のお問合せ |
Tel:03-5722-9799
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒1500022 東京都
渋谷区恵比寿南3-7-17-1F |
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最寄り駅 | 代官山 |
電話番号 | 0357220392 |
恵比寿映像祭2024 地域連携プログラム
彼方の世界:篠田太郎 狩野哲郎 大舩真言 SPREAD 赤塚不二夫&赤塚りえ子
The World Beyond: Taro Shinoda, Tetsuro Kano, Makoto Ofune, SPREAD, Fujio Akatsuka & Rieko Akatsuka
2024年2月1日 - 2月11日
AL (代官山)
▽ 恵比寿映像祭2024 地域連携プログラム
https://www.yebizo.com/program/1018
▽ AL
www.al-tokyo.jp
Statement:
今年、恵比寿映像祭2024は「月へ行く30の方法」という総合テーマを掲げています。「最先端の科学技術や理論以上に、一見それとは結びつかないようなアーティストたちの思考や実践が、新しい発見や創造につながり、月へ向かうための大きなヒントになる」(公式ステイトメントより)、その可能性を写真や映像など多様な表現によって紐解いていく試みです。
本展ではこのテーマを出発点として、人間の身体や意識に基づくスケール感や、現世的な意味や価値から距離をとり、「わからなさ」に向き合おうとする創作活動に着目しました。観る者の固定観念や既存の視座を一新させ、新たな知覚や次元の異なる世界認識が「彼方の世界」にあることを想像させてくれる5組の作家を紹介します。
篠田太郎(1964-2022)は(バカボンのパパ®️赤塚不二夫と同じく)造園を学び、その後作家活動を開始しました。人間と自然の関わりを深く問いかけ、その関係性のあるべき姿をめぐる豊かな着想に満ちた概念を多彩な手法で表現した作品は、国際的に高い評価を得てきました。
《月面反射通信技術》プロジェクトのためのドローイングは、「世界中同じ月が本当に見えるのだろうか?」という瑞々しい疑問から出発しています。段ボールで自作した天体望遠鏡をビデオカメラにつなぎ、東京、イスタンブール、リムリック(アイルランド)、ボストン、ローマ、バーゼル(スイス)、ロサンジェルス、シャルジャ(アラブ首長国連邦)など、世界各地で月面の映像が撮影されました。その映像上映を、砂漠の星の下に寝そべりドラムのライヴと共に眺める……夢のようですが実際に行われたイベントの情景を描いています。
《AAG》に関する4作品は、2017年に篠田がニュージーランド・オークランドで滞在制作した際、オークランドアートギャラリー(AAG)のために考案された未完成のプロジェクトのためのドローイングとシルクスクリーンです。AAGの使われていない螺旋階段を発見したことに着想を得て、その螺旋を貫きながら手摺りと平行して2重螺旋となる、高さ5mのブロンズの円柱の彫刻を設置するプロジェクトですが、予算の関係で保留となっています。
生前、篠田は多岐にわたる作品を制作しましたが、実現されていない作品の制作過程のスケッチや資料も数多く残されています。それらは作家の脳内で着実に構築されていた何ものかの概念図であり、現世の縁側に座って未来の庭を構想するように、未だ見ぬ世界を同時代に先駆けて認知しようとした手がかりと考えられないでしょうか。例えばエマ・クンツやヒルマ・アフ・クリントといった作家が、活動期にはその不可解さ故に調査研究の基準からこぼれ、後世にその作品世界や概念が再評価されたことを参照すれば、さらなる再発見の可能性を秘めた篠田の創作のプロセスに改めて光を当て、その世界観の本質を深く掘り起こす研究がなされることを切望します。
狩野哲郎(1980-)は、生物から見た世界/狩猟/漁業/測量などを軸として、国内外でリサーチ/滞在制作を行っています。モノや空間がそれらがあらかじめ持っていた意味や機能から逸脱して扱われることにより、人間にとっての価値観や認識に頼らない、新たな知覚や複数の世界認識の存在を想像させる作品を制作しています。2011年には狩猟免許(わな・網猟)を取得し、動植物の生態にさらに密着した視点から「新しい風景」を捉えようと試みてきました。
本展では、古典天文学の時代に、天体の相対位置や惑星の運行を示すために用いられたという機械仕掛けの模型「Orrery/Planetary Machines」に着想を得た新作のモビールを発表します。さらに、既成品のアッサンブラージュ、鋳込み成形による磁器、キャストガラスなどを組み合わせた立体作品を展示します。造形的な美しさを持つ「オブジェクト」として完結しながら、同時に他者のための「風景」を構成する要素として、本作は新たな世界認識を示唆し、モノや場所の意味や価値を問い続けます。
大舩真言(1977-)は大学で日本画を専攻した後、主に広義の顔料を用いた作品を制作してきました。造形的・色彩的に極限まで削ぎ落とされた彼の作品は、作品と場と人との相互作用により豊かな空間体験を創出し、ときに天体の物質性や並行世界の存在をも想像させます。国内外の美術館をはじめ、フランスの教会や城、日本の寺社仏閣など公共空間での展示・恒久設置を多数経験し、その創作は国際的に高く評価されています。
本展では小さな作品を4点展示します。地球の鉱物の顔料を使った半円の作品と、火星の隕石を砕いた顔料を用いた正円の作品は、実際の天体に倣った比率で作られています。また、岩石の1断面を作品化した「Reflection field」シリーズは、滋賀のアトリエ付近で拾われた一見何でもない石ですが、段面をシュンガイトというロシアで産出される石の黒い顔料で仕上げています。この石は20億年前に形成された炭素鉱物で、地球外の炭素成分が混ざっていることや、成分的に唯一無二であることから、隕石によって地球にやってきたという説もあるそうです。床には、滋賀で採掘される湖東流紋岩という、約7000万年前に起こった大噴火により固まった石がインストールされます。高温で様々な成分が混ざり、オパールやムーンストーンなども含まれるその石自体の強い存在感に加え、赤い顔料を施した断面には地球の内部か宇宙の現象、あるいは人間の内面にある何かを投影したイメージが重なります。那智黒の砂利に設えたインスタレーションは、枯山水庭園が表現する内なる自然観、内的宇宙とも見立てられるでしょう。
芸術作品として昇華された鉱物に対峙したとき、すでに顔料の粒子に還元された物質の向こうにある宇宙的時間や空間を感じ取ることができるのか。このようなストーリーを持った鉱物を素材とする大舩の作品は、私たちの日常の認識を超越した途方もない次元の時空間と歴史的記憶を意識させ、人間の想像力のキャパシティに訴えかけます。そして作家自身が創作の過程で繰り返し体験しているという、感覚がひらき湧きあがる「未知への旅」にいざなうのです。
SPREADは、山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニットです。長い時間軸で環境を捉えるランドスケープデザインの思考と、鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合させ、環境・生物・物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り込み「SPREAD=広げる」クリエイティブを行い、国内外で高い評価を受けてきました。
遠目で見ると抽象画のように見える2点の平面作品はQRコードによって構成されています。大きい作品のQRコードにアクセスすると、地球上にある(日本政府に国として認められた)196カ国の政府ウェブサイトへ繋がります。小さい作品は(日本政府には認められていないが)他の政府に国として認められる12カ国の政府ウェブサイトのQRコードで構成されています。QRリーダーをかざすと、無造作に読み取ったどこかの国の入口が立ち現れ、そこには未接続の文化と出会う喜びがあります。ほとんどの場合それらは未知の情報であり、ともすれば文字を読むこともできません。これは現在の社会を表した「四角い地球」。自分が立っている場所にいながら世界を俯瞰する情報のランドスケープ。そして、世界と対話する空間。デジタルテクノロジーの進歩は外界への接続を解放し、多様で複雑な世界が目の前に開かれています。その一方で、モニターを通して知る世界は未だに閉塞的で、分断と対立に満ち、災禍に脅かされています。私たちはその開かれた世界と閉ざされた世界にどう向き合えばいいのでしょうか。
漫画家・赤塚不二夫(1935-2008)は、『天才バカボン』に代表される数々のヒット作を世に送り、まったく新しいギャグ漫画の世界を切り拓きました。手塚治虫に影響を受けて漫画家を志し、1956 年にはトキワ荘に入居した赤塚は、『おそ松くん』、『ひみつのアッコちゃん』、『もーれつア太郎』といった代表作を生み出し、タモリをはじめ数多くの逸材を発掘し鼓舞したことでも語り継がれています。「裸の王様」の少年のような曇りのない眼差しで世の不条理を突破するユーモア。仏教の「虚無」の境地にも通じる清々としたナンセンス。予想を超えた異次元世界にたちまち意識を持っていかれるシュールレアリスム。赤塚があくなき実験精神で生涯にわたり追求した笑いの世界は、子どもから大人まで、多くの人々に目ウロコ的覚醒をもたらしてきました。本展では、企画者が幼少期にちっぽけな固定観念を粉砕された名作「実物大マンガ」が掲載された「少年マガジン」の原本を象徴的に展示します。
不二夫の愛娘であるアーティスト・赤塚りえ子(1965-)は、クラブ・カルチャーを追って1994 年に渡英し、ロンドンで現代美術を学びました。現在東京とロンドンを拠点に、ネオン管やLEDを効果的に使った立体作品やインスタレーションを制作しています。本展では極楽浄土で楽しく遊ぶパパとのミーティングポイントである「仏壇」を展示します。観音開きの奥から何が飛び出すのか? それは仏壇の扉をひらいた人だけが味わえる未知の体験かもしれません。
The World Beyond: Taro Shinoda, Tetsuro Kano, Makoto Ofune, SPREAD, Fujio Akatsuka & Rieko Akatsuka
This exhibition will focus on creative works that distance themselves from human scale and worldly meanings and values to confront what is “unknowable.” It will introduce five artists who have produced works that challenge viewers’ stereotypes and existing viewpoints, leading them to imagine new perceptions and different dimensions from which to perceive the world.
Date: February 1 ‒ 11, 2024, 11:00‒19:00 (until 18:00 on the final day)
Venue: AL (1F, 3-7-17 Ebisu Minami, Shibuya-ku, Tokyo)
Admission: 500 yen
Open every day
Tel: 03-5722-9799
Curation: Chie Sumiyoshi (TRAUMARIS)
Website: www.al-tokyo.jp
日時:2024年2月1日(木)〜2月11日(日) 11:00–19:00(最終日は18:00まで)
会場:AL 東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 1F
入場料:¥500(温かい飲み物を供しております)
休日:なし
Tel:03-5722-9799
企画:住吉智恵(TRAUMARIS)
2/3(土)17:00-20:00
アーティストトーク&オープニング
入場料:¥1,500(1ドリンク付)*出展作家の制作費へのご寄付を頂戴いたします
予約不要。
2/10(土) 18:00-21:00
南風食堂の〈真冬のアーユルヴェーダレストラン〉
ワークショップ&ドネーションディナー (2Fキッチンスタジオ)
参加費:¥6,500(1ドリンク付) *出展作家の制作費へのご寄付を頂戴いたします
要予約: yoyaku@al-tokyo.jp
好評だった昨年に続き、5000年以上の歴史を持つインドの伝統医療''アーユルヴェーダ''の理論を元に、冬の身体を養う4品のコースをつくります。簡単なアーユルヴェーダのレクチャーで理解を深めながら滋味を身体に取り込み、参加作家たちとの会話をお楽しみください。
南風食堂:
食に関する企画提案、レシピ制作、新木場『CASICA』や、下北沢『発酵デパートメント』などの飲食店舗のメニュー監修などを行う。インド政府機関BSS認定のアーユルヴェーダセラピスト、国際中医薬膳師。アーユルヴェーダの料理と暮らし方の教室『mahat tuning class』を開催中。
AL|TRAUMARIS
https://www.yebizo.com/jp/
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