トライアローグ : 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション

パウル・クレー 《女の館》 1921年 油彩、厚紙 41.7x52.3cm 愛知県美術館蔵

パウル・クレー 《女の館》 1921年 油彩、厚紙 41.7x52.3cm 愛知県美術館蔵

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会 期
20201114日 -  20210228
開催時間
10時00分 - 18時00分
入館は17時30分まで 
休み
木曜日
入場料
有料
一般1500円、大学・専門学校生1100円、中学・高校生500円、小学生以下無料、65歳以上(要証明書)1400円
本展は、インターネットでのオンライン日時指定予約制です。
※入場無料の方(招待券や障がい者手帳をお持ちの方など)も、オンライン日時指定予約が必要です。 ※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料 ※団体受け入れ及び団体割引は行っておりません。 ※本展の観覧日に限り本展の観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可 
展覧会の撮影
不可
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
045-221-0300
情報提供者/投稿者
開催場所
横浜美術館
住所
〒220-0012 神奈川県
横浜市西区みなとみらい3-4-1
最寄り駅
みなとみらい
電話番号
045-221-0300

詳細

展覧会内容

 国内の各地方を代表する3つの公立美術館、横浜美術館、愛知県美術館、そして富山県美術館。この3館は、1980年前後の、いわゆる「美術館建設ラッシュ」の時期に開館した美術館です。それから約40年の間に、それぞれが多様性に富んだコレクションを築いてきましたが、いずれの美術館も近現代の西洋美術を収集の柱のひとつとし、またその分野に美術館の「顔」となる作品が多く含まれる点て共通しています。
 本展覧会は、その3館が共同し、それぞれのコレクションを組み合わせて20世紀西洋美術の歴史を振り返るものです。3館が誇る西洋美術コレクションから、ピカソ、クレー、ミロ、エルンスト、ダリ、マグリット、ポロック、ベーコン、ウォーホル、リヒターなど、20世紀美術史を彩った巨匠たちの作品を厳選し、絵画を中心に約120点の作品を紹介します。特定の作家をフォーカスして3館の所蔵作品を比較するコーナーなど、連携・共同企画ならではの趣向も織り交ぜながら、表現手法と概念の刷新が繰り返された前世紀の美術の軌跡をたどります。
 3つの公立美術館のコレクションが競演する本展を通じて、欧米の近現代美術の粋をご堪能いただくと同時に、日本の美術館が競いあうように繰り広げてきた西洋美術収集の足跡と、その結果日本にもたらされた豊かな資産を再確認いただく機会となるでしょう。

[見どころ]

各館が誇る珠玉の20世紀西洋美術コレクションが一堂に!

ピカソをはじめとするモダン・マスターから、ウォーホル、リヒターら第二次世界大戦以降の現代アートの巨匠にいたる約70作家の名品が集結。多様性に富み、高い水準を誇るこれらの作品が日本の地方美術館の所蔵品であることは、あらためて思えば驚くべきことではないでしょうか。
本展では、その作品群を通じて20世紀西洋美術の流れを一望することにより、日本の公立美術館の底力を実感いただくとともに、このような西洋の美術遺産が日本に蓄積されていった歴史的経緯も振り返ります。

トライアローグって?

タイトル「トライアローグ」は、3者による会談(鼎談)を意味します。各地域を代表する公立美術館3館が共同企画する本展では、各館の学芸員が長い時間をかけ話し合いを重ねることで、それぞれのコレクションを有機的に接続し、欧米の20世紀美術を概観するためのラインナップを紡ぎあげていきました。このタイトルにちなみ、本展では「3」という数字をキーワードとして、展示構成を「3章立て」「30年区切り」で展開します。

3館共同企画ならではの視点

3館のコレクションを持ち寄ると、互いの相違と共通性とが浮かび上がります。それぞれのコレクションの厚みのある部分は前面に押し出し、手薄な部分は補い合う -各館のコレクションの重点を置く時代・地域のバランスが異なるからこそ、本展の充実した展示構成が可能となりました。
また一方で、3館のコレクションに共通して含まれる作家たちにも注目。「Artist in Focus」と題し、各館所蔵作「三つ巴」の比較検証展示を通じて、その作家と、各館のコレクションヘの深い理解をうながします。

[展示構成]
第Ⅰ章 1900s-アートの地殻変動

西洋美術の20世紀は、さまざまなアヴァンギャルド運動の台頭で幕を開けます。前時代の印象主義、ポスト印象主義の実験精神を受け継いだ芸術家たちは、彼ら先達の芸術的達成を乗り越えるべく、多様な流派=イズムのもとでさらに新しい表現を模索していきます。
本章で取り上げるのは、世紀初頭に興ったキュビスム、フォーヴィスム、表現主義を皮切りに、1910年代前半にヨーロッパで同時多発的に誕生した抽象芸術、第一次世界大戦前後に隆盛した構成主義やダダに至る、20世紀最初の30年の動向です。そうした前衛主義の反動としての古典回帰的な傾向や、フランスやドイツ以外の国々の芸術家たちの独創的な創作活動も交えて、アートの概念や価値基準が激しく揺さぶられ、刷新されていったこの時代を概観します。
3館のコレクションには、この時期を代表する芸術家の重要な作品が多く含まれますが、その象徴的作家が、キュビスムの実験を通じて20世紀美術に決定的な影響を与えたパブロ・ピカソです。各館の所蔵するピカソの描いた女性像は、それぞれのコレクションの文字通り「顔」といえる存在です。

主な出品作家 ※予定
パブ口・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、フェルナン・レジェ、アンリ・マティス、アメデオ・モディリアーニ、エドヴァルド・ムンク、バルテュス、オットー・ディックス、エミール・ノルデ、ヴァシリィ・カンディンスキー、パウル・クレー、ハンス(ジャン)・アルプ、マルク・シャガール ほか

第Ⅱ章 1930s-アートの磁場転換

既成の価値観や理性を否定したダダの運動はほどなく、両大戦間のヨーロッパにおける一大潮流・シュルレアリスムヘと展開します。夢、無意識、偶然性などを介して、人の内にある真のリアリティを開示しようとしたこの芸術思潮は、文学をはじめあらゆる分野の芸術家を巻き込み、国際的な運動へと発展していきました。またそれに続く第二次世界大戦の時期、シュルレアリストを含む多くの芸術家がヨーロッパからアメリカヘ亡命したことをひとつの契機として、抽象表現主義をはじめとする新しいムーブメントがニューヨークで巻き起こります。
本章では、この大戦後におけるアメリカの台頭までを射程に収め、旧来のヨーロッパ中心の勢力図から脱却し、世界各地の芸術家、芸術運動が相互に影響を与えあう時代に突入する世紀半ばの30年の動向を俯瞰します。
ここで紹介する作家のうち、とりわけシュルレアリスムの芸術家たちの絵画や彫刻は、3館それぞれのコレクションの核をなすものです。エルンストやミロ、デルヴォーら3館が共通して所蔵する作家の重要性が顔をそろえ、展覧会のハイライトを形作ります。

主な出品作家 ※予定
マックス・エルンスト、マン・レイ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、ポール・デルヴォー、ジョゼフ・コーネル、アレクサンダ-・カルダ-、アルベルト・ジャコメッティ、ジャクソン・ポロック、モーリス・ルイス、サム・フランシス ほか

第Ⅲ章 1960s-アートの多元化

抽象表現主義で華々しく幕を開けた第二次世界大戦後の美術は、後続する芸術家たちによって次々と刷新されていきます。日常的なモチーフをアートに取り込んだネオダダの芸術は、大量生産やマスメディアを主題としたポップアートヘと受け継がれ、60年代アメリカのアートシーンを席巻しました。その一方で、表現要素を極限までそぎ落としていくミニマルアートも生まれ、その流れは、作品自体よりもアイデアや表現意図といった観急性に重きを置くコンセプチュアルアートや、行為性を前面に押し出した芸術表現へと展開します。
本章では、表現対象や手法が多様化するのみならず、アートの考え方そのものが無数に分岐し、もはやいくつかの流派や傾向では包括しえない時代へと至る、世紀後半の芸術動向を振り返ります。
3館が1970~80年代に収集活動を開始した当時、本章で紹介する作品の多くはまさに、同時代の美術でした。戦後美術の収集に力点を置く富山県美術館をはじめとする各館が、作品の価値が定まっていないゆえにとかく困難を伴うその「現代美術」の収集にあたってきました。今日ではそれらの多くが、国際的に高い評価を得るに至っています。

主な出品作家 ※予定
イヴ・クライン、ルーチョ・フォンタナ、フランク・ステラ、ロバート・ラウシェンバーグ、ジム・ダイン、リチャード・ハミルトン、ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、ルイーズ・ニーヴェルソン、フランシス・ベーコン、クリスチャン・ボルタンスキー、クリスト、ゲルハルト・リヒタ一、ジョージ・シーガル ほか

主催・協賛・後援

主催:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)、日本経済新聞社、神奈川新聞社、tvk
協力:みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、FMヨコハマ、首都高速道路株式会社

平均:3.0 
レビューした人:1 人

評価サマリ

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    • 現代絵画(&オブジェ)はよくわからないなぁと思うのですが、今回は会場でQRコードを読み取ると、何点かの作品について見どころや、ちょっとした質問があり、楽しむことができました。作品制作についての説明も、その場でQRコードから見ることができ、良い企画だなと思いました。ただスマホを利用しない方にとっては、やはり従来のイヤホンガイドが必要かなと思いました。この展覧会後2年間の長期休館になるとのことでしたので、横浜美術館を愛する方々は、ぜひ今月中にお運びになることをお勧めします。

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