開催時間 |
12時00分 - 18時30分
土・祝:11:00-18:30 |
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休み |
水・日:定休
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この情報のお問合せ |
Mail: info@gallery-closet.jp
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒106-0031 東京都
港区西麻布2-11-10 霞町ビル3F |
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最寄り駅 | 乃木坂 |
電話番号 | 03-5469-0355 |
表現者ではない私には、外的報酬(称賛されるとか収入になるとか)といった動機付け無しに、何かに集中し続けることはとても無理だ。何も得られない事に何十年も一生懸命にはなれない。だから、創作する人々に多く会うようになって、自分が市場経済の中で「合理性」に洗脳され、その領域の中でしか生きていないことを思い知らされる。
平面の入江清美と陶芸の安井ちさとの共通点は、「多作である」ということだ。展示の予定がなくても常に何かを作っている。そんな作家は実は少なくないのかもしれないが、発表するあてもなく材料費を投じるのは、上述のように私にとっては「?」が飛び交う。なぜ作ってしまうのか?作らずにいられないのか。
この疑問にしっくりくるなと思ったのは中沢新一が言うところの、「トランセンデンタル(Transcendental)」である。曰く、人間の心の中には、現実世界での五感や経験の及ぼす働きから完全に自由な領域があり、この自由な領域こそが人間の本質を作っている、というものである。(網野善彦が例に挙げるトランセンデンタルとは、無頼な人生を送る博打打ちや、性愛の神秘を言祝ぐ路傍の神様の中にあるのだが、不思議と両人にリンクしないでもない)。
現代美術には新規性が求められるし、そこには経験から得た合理的戦略が必要だ。もちろん、入江・安井の両人だって、そうした戦略を意に介さないで、ひたすら我が道をゆくわけではない。けれど、なぜ作るのか、という疑問に対する両人の答えは、まさに今回のタイトルのように、彼女たちのトランセンデンタルな領域で、何かが「脈打ち」、「零れ落ちる」から。それに尽きるのである。
art gallery closet
東京都港区西麻布2-11-10 霞町ビル3F
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有限会社ギャラリークローゼット