開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
月曜日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
TOTEM POLE PHOTO GALLERY
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒160-0004 東京都
新宿区四谷四丁目22 第二富士川ビル1F |
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最寄り駅 | 四谷三丁目 |
電話番号 | 03-3341-9341 |
北陸に親不知という海岸がある。
断崖絶壁に囲まれた厳しい地形の海岸で、昔はこの狭い海岸を通行する為には、荒波の間を駆け抜けるしかなく、北陸最大の難所と言われていた。ここで亡くなった人も少なくなかったらしい。
写真学生だった19歳の冬、海が撮りたい、と父親に言ったら、自身の出身地の近くにあるこの恐ろしげで、美しい海岸に連れて来てくれた。
ホームセンターでダサい長靴を買ってもらい、大雪の中2人で海に行った。忙しい人だったので2人きりで出かけるのは初めてな気がした。私はずっと写真を撮っていて、ふと振り返ると父親は私を見ていた。カメラを向けると凄く照れながら写真に収まってくれた。
親不知で沢山写真を撮ったが、東京に戻った後は繁華街やライブの写真を撮るのに夢中になり、あまり見返しもしなかった。1年後父親の病気が発覚して、2年後に亡くなった。写真はますます見ることが出来なくなった。
15年後の冬、Netflixのドラマを見ていたら、どうしても会いたくなったらどうしたらいいの?とヒロインが叫んで、確かに、もう会えない人にどうしても会いたくなったら、どうしたらいいんだろうと思った。
漸く見ることが出来るようになった当時のネガを見ていたら、なんとなくこの海に行けば、少しだけ父親に会えるような気がして、どうしてそんな気がするのか確かめてみようと、今度は1人で行ってみることにした。