私の作品は、直線的なモチーフの集積と反復によって表現した、抽象化された空間の記憶である。私は常に、デザインプロ セスの中で生成される対象、特に未完成の建築模型のような、その破片を触媒に自身の忘れていた身体的記憶が再編成され るメディアに惹かれてきた。 紙や木のような身近な素材を、建築の構成要素に見立てることで組み立てられる模型は、枯山水のように、物質であるにも 関わらず、直接的な肉体の介入(侵入)を拒絶し、記号的認識行為を求められる。 私はそのような性質を持ったメディアの生成行為が、幻想の中で際限なく広がるオブセッショナルな形象たちを有限化し、 立体記号的に実空間に呈示されるシステムとして機能するのではないかと考えた。 身体的記憶に内在するパターンやリズムを水平垂直で構成した線的なエレメントに還元し、ちょうどエチュードを作曲する ように、時間的な方向性を持って生成された最小単位を反復していく。 夢や記憶の中の身体性、その感覚がどのように物質界にフィードバックし得るか、またそれを媒介に他者と共有されるモデ ルネの幻想に興味がある。
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