中川佳宣「ノート」

中川佳宣「ノート」
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    会 期
    20150627日 -  20150725
    開催時間
    13時00分 - 19時00分
    休み
    日月祝
    入場料
    無料
    作品の販売有無
    販売有
    この情報のお問合せ
    タグチファインアート
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    タグチファインアート
    住所
    〒103-0023 東京都
    中央区日本橋本町2-6-13山三ビルB1F
    最寄り駅
    三越前
    電話番号
    03-5652-3660

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    タグチファインアートでは上記の期間約4週間にわたり彫刻家中川佳宣の新作の展示をおこないます。

    中川佳宣は1964年大阪府生まれで現在滋賀県在住。大阪芸術大学を卒業した1987年の初個展以来、一貫して植物と人間との関わり、すなわち農耕や栽培、農業といった人間の根源的な営みや、植物の構造をモチーフに作品制作をしています。彼は芸術家と作品との関係を農夫と植物との関係によく似たものとして捉えています。農夫が大地に種を蒔くようにキャンバスに絵の具を置き、農夫が畑を耕すように素材に形を与えます。中川の作品は様々な素材を自在に操る職人的な手技や、作品の素朴な佇まいから漂う豊かな詩情により、これまでつねに多くの人々を惹きつけ、東京国立近代美術館や和歌山県立近代美術館をはじめとする国公立美術館や、昭和シェル石油など数多くの企業に収蔵されています。

    今年2月におこなわれたノマルギャラリー(大阪)での個展「原器」において、中川は表面の触知性の問題に焦点をあてた作品を発表しました。平面と立体との間を絶えず行き来しながら制作する自らの原点を確認し、旧作展での過去の作品との対話を経て発表される今回の新作は「ノート」をモチーフとしています。

    ノートより

    今から思えば事の発端は新造形主義の定義にはじまったように思える。新造形主義では、芸術とは「意識的、個別的なものを排除し世界と自己を結ぶ普遍的なものを抽出する行為である」と唱えている。また芸術とは「我々の内にあり、個別的でないものを含むものでなければならない」とも唱えている。
    それがモンドリアンの絵画に対する姿勢であり、ストイックなまでに余分なものの排除なくして自然のなかの普遍的な「美」を追求することなど出来ないという意思の表れでもある。
    このことを考えたときに自分にとっての美の普遍性は、描かれたキャンバスからイメージをそぎ落とし元の白いキャンバスに戻すという行為と農作業で種蒔きする際に畑の土を丹念に均すという行為の中にある。そこから新たに描く前、あるいは種を蒔く前の地平に共通の普遍的な美を感じている。
    そうしたものに美しさを見いだすきっかけとなったものにノートがある。まっさらのノートに文字を書き込むことでその表情は如何様にも変化する。左から右へと書き連ねられる文字はときには数式で記号的であり、抽象的である。またあるときは文字や文章であってそれはさながら絵画的であり、物語性の強いものであったりもする。
    モンドリアンであればノートに印刷された罫線(水平)は「女性」「外面」「自然」「個別」といったイメージに基づいて存在しているのであろう。
    ちなみに垂直は「男性」「内面」「精神」「普遍」だそうである。それはノートに刻まれた無数の文字や数字といったものが、モンドリアンの垂直的なイメージにとても近いのだと思う。
    今回、展示される自作の表面にはあらかじめ下準備に熱で焼かれた罫線が用意されて仕事が始まっている。表面に投げ入れられた絵の具は重力に従い垂直に降下しながら画面を形成する要素となっている。絵の具を文字や数字に見立てて種を蒔くように罫線に刻み込むのである。

    中川佳宣

    本展はタグチファインアートでの中川の9度目の個展となります。制作の原点を確認する作業を経て、中川の作品にはどのような展開が見られるでしょう。ぜひご高覧下さい。

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