開催時間 |
11時00分 - 19時00分
|
---|---|
休み |
日・月・祝
|
この情報のお問合せ |
Gallery MoMo Ryogoku 03-3621-6813
|
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒130-0014 東京都
墨田区亀沢1-7-15 |
---|---|
最寄り駅 | 両国 |
電話番号 | 03-3621-6813 |
GALLERY MoMo Ryougoku では、大坂紘一郎キュレーションにより、ロンドンで活躍する70 年代生まれの3 人の作家による「すべてのかたちは空に溶け~インターパッシブの世界~」と題された展示を行います。
GALLERY MoMo Projects での川上幸之介による企画と合わせてご高覧ください。
すべてのかたちは空に溶け~インターパッシブの世界~
『すべてのかたちは空に溶け~インターパッシブの世界~』展は、ロンドンを拠点にしながら自身の文化的出自を探る3 人の若手作家の活動を取り上げます。観る者の倫理意識に問いかける社会の諸相を取り上げながら、かれらの作品は仲介や仲裁の手続きをとる中間的エージェントとして作用し、あたかも集団的忘却( アムネシア) から記憶を呼び覚まそうとするかのようです。
本企画の出発点は、戦後の前衛芸術にみられる社会的関与と、その現代の若手作家への影響をめぐる小さな会話から生まれました。展示作品では主体と主体が交流し合うインタラクティブな関係性に焦点を置く代わりに、さまざまな対話を内在しつつも語り手の主格を持たないインターパッシブ( 相互客体性) の芸術が志向されています。
既成品、日常風景の抜粋や史実の引用などにより、不和や衝突さえもを包み込んで調停の場を打ち立てるこれらの作品には、若手作家の社会へ関与していく取り組み方の変化と、戦後芸術から受け継がれた思想的な近似性とを同時に読み取ることができます。
大衆史を政治的なイデオロギーから捉え直す 川上幸之介(1979 年生まれ) は、アーカイヴ写真《プロレスリング》(2012 年) で、勧善懲悪の「八百長」試合を額に収めてコメモレートし、日米関係の愛憎劇をポストコロニアルな視点から戯画化します。インスタレーション作品《ハンス・ハーケと山崎つる子へのオマージュ》(2013 年) では、循環する水に経済活動の終わりないロテーションを暗示しており、箱の内側から照らされた光が落とす観客の影は、成長主義がひきおこす社会の本質的な不安を象るかのようです。
社会生活の枠組みに収まりきらない感情の余剰を地方の風習や儀式に見出す 瀧澤明子(1971年生まれ)は、人々の記憶を通じて現実と仮想世界が交錯する映像作品を発表します。連綿と続く日常の風景を切り取りながら場の体験を再構築する瀧澤は、文化のDNAに埋め込まれた記憶のコードを巧みに操りながら、時間の移ろいとともに変化してく記憶の有り様を捉えます。
既製品や原材料のアッサンブラージュで思考のミニマルな表現を探る 山田憲太郎(1978 年生まれ) は、さまざまな出来事の特殊性を端的な視覚言語に洗練させ現代のポエジーへと昇華させます。《EVERYTHING COMES IN WAVES》(2011 年) は、繋ぎ合わせた44個の電球が死の直前にみられる振幅の大きな呼吸(チェーンストークス呼吸 )に合わせて明滅する作品。作者が間近にした死の瞬間を光のパターンに変えた本作では、プライベートな追憶から語り手が消えて静かな反響の世界が広がっています。
展示名『すべてのかたちは空に溶け』(All That Is Solid Meilts Into Air) は、マルクス&エンゲルスからの引用です。ここではインタラクティブからインターパッシブへ変わる作品性を象徴することばとして使われています。
キュレーション&テキスト:大坂紘一郎
川上幸之介・瀧澤明子・山田憲太郎 キュレーション:大坂紘一郎
オープニングレセプション:2013年6月22日(土):18:00 - 20:00
クリップした展覧会はありません。