Dans un petit écrin ... / 小さな「宝石箱」に .../ In a small "jewel case"… Cécile Andrieu セシル アンドリュ 

Dans un petit écrin ... / 小さな「宝石箱」に .../ In a small "jewel case"… Cécile Andrieu セシル アンドリュ 
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    会 期
    20230610日 -  20230702
    開催時間
    11時00分 - 18時00分
    休み
    水曜日,木曜日
    入場料
    無料
    作品の販売有無
    販売有
    この情報のお問合せ
    galleriaPONTE
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    galleria PONTE ガレリア ポンテ
    住所
    〒921-8031 石川県
    金沢市里見町 42 8 里 見町 APARTMENT102
    最寄り駅
    金沢
    電話番号
    076-244-6229

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    文字と言葉による世界への邂逅。
    金沢とフランスで制作を続ける作家、セシル・アンドリューによる個展を開催いたします。
    過去作から最新作までをギャラリー 空間からインスパイアされたセレクトで展示いた します。

    「セシル・アンドリュDans un petit écrin ... 小さな「宝石箱」に .../In a small "jewel case"... に寄せて」
        金沢21 世紀美術館チーフ・キュレーター 黒澤 浩美

     セシル・アンドリューは、来日して日本の大学に学んだことを機会に母国語のフランス語と日本語の間で言葉を使ったコミュニケーションの限界に直面したことをきっかけに、言葉が人間の存在や態度にまで影響を与えているという考察を元に、作品を発表し始めた。その後一貫して言葉とそれを記号化する文字をテーマに、言葉と人間の間の真実を考える場を美術に定め、見極めようとしてい る。
     今回の展覧会でひときわ目を引くタワーの作品《HUMANITY OWER 》は、辞書をシュレッダーにかけてネットで包み、プラスチックの黒い網トレイに規則正しく詰めたものを人の高さほどに積み上げた彫刻作品だ。辞書は人間の叡智を集積したターミノロジーであると同時に、異なる言語間を往還する橋でもある。言葉は人間が実際に使うことによって、行為や意図や感情と共にあり、使う先々から人間の存在、思考、行為の痕跡として残る。すなわち、言葉の意味や理解が内的に人間と分離で きない形で結びついていることで、事態の総体である世界 は言葉を通して見当が付くのである。言葉は力を持つことでコミュニケーションの可能性を拡張するが、同時に人間自ら決めた言葉の規格の中に自身を閉じ込めらているともいえる。本作品ではネットが物を捕まえ固定するという機能に、その含意が見て取れる。

    Artist Statement
    小さな「宝石箱」に・・・ Cécile Andrieu セシル アンドリュ

     ギャラリーの移転後初めて訪れた時、それは小さな「宝石箱」のように見えました。そこで、個展のお話を頂いたとき(金沢での発表は実に 30 年ぶりです)、私は自分の 「宝物」を発表しようと決めました。それは「文字」についての( どの言語の文字であれ)、私の深い関心を作品化したものです。
     人間は言葉を操り言葉に操られる存在です。人間は言葉との抜き差しならぬ関係の中で文化・文明を築いてきました。ところで、言葉は発話と同時に消えてしまうのに対して、粘土や紙に刻印されて文字として存続します。文字は文化・文明の痕跡であり、私たち が存在したそして存在していることの証と言えます。それゆえ、その文字に触れることで、私たちの「今ここにある」という存在感覚はより強固になるのではないでしょう か。
     ところが現在、文字はデジタル化によってPC 画面の光の点滅に回収され、物質性を失ってますます不安定になっているように見えます。デジタル文字は私たちの存在感覚を支えることができるだろうか?人間文化の存続と発展に寄与しうるだろうか?このような疑問が、寡黙な文字の痕跡を日々追い続ける私に、浮かび上がってくるのです。

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