レオナルド×ミケランジェロ展

レオナルド・ダ・ヴィンチ《大鎌を装備した戦車の二 つの案》 1485 年頃 トリノ王立図書館 ©Torino, Biblioteca Reale
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    会 期
    20170617日 -  20170924
    開催時間
    10時00分 - 18時00分
    祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで
    入館は閉館の30分前まで
    休み
    月曜休館(但し、祝日は開館)
    入場料
    有料
    一般1700円、高校・大学生1000円、小・中学生500円
    作品の販売有無
    展示のみ
    この情報のお問合せ
    三菱一号館美術館
    イベントURL
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    三菱一号館美術館
    住所
    〒100-0005 東京都
    千代田区丸の内2-6-2
    最寄り駅
    二重橋前
    電話番号
    03-5777-8600

    詳細

    展覧会内容

    15世紀イタリアで画家として才能を発揮し、建築、科学、解剖学の分野にまで関心を広げ「万能人」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチ。10代から頭角を現し「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。本展は、芸術家の力量を示す上で最も重要とされ、全ての創造の源である素描(ディゼーニョ)に秀でた2人を対比する日本初の展覧会です。素描のほかに油彩画、手稿、書簡など、トリノ王立図書館やカーサ・ブオナローティ所蔵品を中心におよそ65点が一堂に会します。「最も美しい」素描とされる、レオナルド作《少女の頭部/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉の頭部のための習作》を間近で見比べる貴重な機会となります。

    ルネサンスとは
    14~16世紀にかけて古代ギリシア・ローマの古典文芸復興を目指す運動としてイタリアで興ったルネサンスは、美術において絵画や彫刻といった芸術で古代を通して自然主義を研究することを指します。「自然」をあるがままに再現するため、解剖学に基づいた人体の把握、遠近法に則った奥行きや立体感、陰影法に忠実な表現といった基本的な規則を順守しました。現代を生きる我々のいう「ルネサンス」という言葉は、19世紀中盤に歴史家のジュール・ミシュレやヤーコブ・ブルクハルトらにより歴史概念として用いられ、市民権を得ていまに至ります。ジョルジョ・ヴァザーリが『美術家列伝』の中で「再び生まれる」という意味のイタリア語「リナシッタ」を用いたことが起源であるとされています。

    レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)とミケランジェロ・ブオナローティ(1475+1564)
    レオナルドは、ミケランジェロよりも23歳年上ですが、2人は「宿命のライバル」といわれています。フィレンツェのヴェッキオ宮殿の壁画における競作、あるいは、考えの違いから起こる対立など互いを強く意識していました。本展では「顔貌」、「絵画と彫刻のパラゴーネ*イタリア語で比較という意味」、「人体表現」、「馬と建築」、「レダと白鳥」、「手稿」、「書簡・詩歌」、「肖像」の8テーマに沿って両者の作品を対比する日本初の試みです。

    イタリアが生んだ2大天才の素描とは?
    レオナルドもミケランジェロも弟子や追随者がいましたが、彼らにとって学ぶべき対象、まさにお手本として扱われたのが絵画、素描、彫刻といった作品でした。弟子たちは先生の素描を間近にみながら学び、日々鍛錬に勤しんでいたことでしょう。
    ミケランジェロは弟子のアントニオに「毎日デッサンしなさい」と言っています。
    レオナルドは以下の言葉を残しています。「素描家よ、君が立派で有益な修業をしたいと思うなら、じっくりと素描するようにせよ。さまざまな明るさを持つものの中で、どの部分が第一の明るさであるか、同様に、影の部分ではどの部分が他よりも暗いか、また光と影がどのような仕方で一緒に混じり合っているのかを判断し、両者の分量を互いに比較してみること。」
    「画家は、まず優れた師匠の手になる素描を模写することに習熟しなければならない。」とも述べています。
    ルネサンス期では、「〈自然〉を母として、〈素描〉を父とすると、〈建築〉〈彫刻〉〈絵画〉の3姉妹がいる」という関係が強調されていました。自然に則ってデッサンすることは、各芸術の基本中の基本であり、決して軽んじることの出来ない大事なものと位置づけられていたのです。さらに素描そのものが作品としての価値を持つほど重要な価値をもっていたのです。

    失われた作品が追随者によって伝えられる -「レダと白鳥」に見る2人の対比
    ギリシア神話の「レダと白鳥」は、スパルタ王の妻レダが、白鳥に化けたゼウスに誘惑されている場面を描いています。
    「レダと白鳥」のテーマは両者ともに共通し、絵画となっていながらそれらは失われ、追随者による模倣によってのみオリジナルの姿が偲ばれる状況となっています。

    ミケランジェロに基づく 《レダと白鳥》
    ミケランジェロの失われたオリジナル作品はフェッラーラ公アルフォンソ・デステから依頼されました。自身の作品であるジュリアーノ・デ・メディチの墓碑に置かれた《夜》の寓意像の彫刻作品を思わせる、うつむいた女性の優美な横顔が印象的に描かれ、柔らかな雰囲気の中でレダと白鳥が向かい合っています。

    レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく 《レダと白鳥》
    ミケランジェロの作品と比べて男性性の強調された白鳥が印象的なレオナルドの《レダと白鳥》。画面左下は「レダには、2組の双子が卵から生まれた」とするギリシア神話に基づき描かれています。
    本作は、レオナルドの弟子の中でも筆頭としてあげられるメルツィの作品の可能性もあり、レオナルドが生きた時代に描かれたものです。左手に花を持つレダのポーズ、子どもに目を落とす様子はレオナルドが本来描いた構図とほぼ同じものとして現在はフィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵しています。

    見逃せない!ミケランジェロの3作品+1

    1 《背を向けた男性裸体像》
    フィレンツェ共和国のピエロ・ソデリーニがミケランジェロに発注した、ヴェッキオ宮殿の壁画《カッシナの戦い》のために描かれた習作です。《カッシナの戦い》は、レオナルドの《アンギアーリの戦い》との競作としても知られています。本作は、伸び上がるような姿勢の男性の背面には、筋肉のつき方が事細かに把握されており、彫刻家の捉え方が現れています。ミケランジェロは下描きが終わった段階で、ユリウス2世によりローマへ呼び戻され、《カッシナの戦い》は未完に終わりました。

    2 《河神》の習作
    蝋で制作された彫刻の習作で、主題はイエス・キリストと共に十字架に架けられた盗人であるとされてきましたが、現在はギリシア神話の河の神といわれています。カーサ・ブオナローティが所蔵するより大きな《河神》の作品と比較しても根拠があります。メディチ家礼拝堂のために作られ、場所を示す役割を与えられる予定でしたが実現しませんでした。このような彫刻モデルは、石材切り出しの職人に手渡され、彫刻の寸法の目安として使用され、鉱山までの輸送に耐える素材で制作されました。

    3 《イサクの犠牲》のための習作
    彫刻レリーフのための素描です。息子イサクに手をかけようとするアブラハムに対し、天使が止めに入っています。アブラハムと天使の距離が非常に近いことが本主題を扱う上でのミケランジェロの特徴といえます。イサクの左膝の位置は未決定のためか、複数の膝が動くように描かれています。

    7月11日から公開 《十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)》
    ローマの貴族、メテッロ・ヴァーリの依頼による彫像ですが、顔の部分に黒いが現れたために制作途中で放棄されてしまいました。未完成のままの《キリスト像》は、注文主であるヴァーリが貰い受け、邸宅の中庭に設置されていましたが、その後子孫によって売却され、長く行方不明となっていました。2000年になって、ローマ郊外の小都市バッサーノ・ロマーノにある修道院に納められているキリスト像が、ミケランジェロによって手がけられた本作品であったことが明らかとなりました。17世紀の初めには像が完成された形でローマで売りに出されていた記録があり、このころまでに、ミケランジェロ以外の彫刻家の手で仕上げられていたようです。制作にまつわる紆余曲折や、宗教改革、第二次大戦などの危機を経て、数奇な運命をたどった作品です。

    見逃せない!ミレオナルドの3作品

    1 《髭のある男性頭部(チェーザレ・ボルジャ?)》
    軍人チェーザレ・ボルジャの肖像といわれていますが、確実な証拠はありません。同一の肖像を異なる角度から捉えて3つの像を描いた本作品は、他視点性により絵画や素描も「彫刻の様な立体性」に劣らず表現ができるという表明でもあると考えられています。ヴァザーリによれば、ジョルジョーネの作品(現在は消失)にもモデルと鏡面を描いて異なる角度から同一のモデルを描く作品が制作され、絵画の他視点性が強調されています。

    2 《大鎌を装備した戦車の二つの案》
    レオナルドもミケランジェロも技師として仕事を依頼されることが多く、戦争の多い時代にはむしろそちらが主要なこともありました。本作はレオナルドが考案した兵器ですが実現しませんでした。ここでは馬車で大鎌を回転させ敵兵をなぎ倒していく様子が描かれています。

    3 《老人の頭部》
    レオナルドは正面から肖像を捉え、人物の顔を正確に緻密に描写する上で、その人の内面をもきちんと捉えることを意識していました。観相学と呼ばれる性格と外見の呼応に目を向ける学問が流行し、本作においても、口元を固く結ぶ老人からは頑固な性格を思わせます。本作では赤い地塗りが施された紙に赤いチョークを用いて描かれているのが特徴的です。

    主催・協賛・後援

    主催:三菱一号館美術館、日本経済新聞社、テレビ朝日
    後援:駐日イタリア大使館
    協賛:損保ジャパン日本興亜、大日本印刷
    協力:アリタリア-イタリア航空

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