開催時間 |
12時00分 - 20時00分
最終日18:00まで |
---|---|
休み |
4月3日
|
クリエイター在廊 |
有
3/31、4/1、4/2、4/8、4/9 |
入場料 |
無料 |
展覧会の撮影 |
可 |
作品の販売有無 |
販売有 5,000円 ~ 100,000円(税別)
|
この情報のお問合せ |
mail@ayato.info
|
イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒103-0022 東京都
中央区日本橋室町1丁目13-10 |
---|---|
最寄り駅 | 三越前 |
電話番号 | 03-6262-1522 |
絵画作品の展示
テーマ「DREAMCATCHER」
--------------------------------------------------------------------------------
池田ジュンイチ展によせて
小さな家や生き物がぽつんと白く、静謐な夜の底に、孤独に沈んでいる。誰の気配もなく、なんの音もしない。あたりには淋しさが満ちているけれども、ちっとも暗い気持ちがしない。あたたかな優しさがただ画面を満たし、夜の明るさはしんしんと更けて、さらに静まりかえっていく。
たとえば子どもの頃、大人たちの気配を壁の向こうに感じながら、真っ暗な小さい部屋の中、布団にわが身を包んでうっとりと夢の底に落ちていくとき、この世界に自分ひとりが放り出されたかのような淋しさがあり、その淋しさの先に灯っていく永遠の喜びを感じていた――そんな喜びと淋しさが、きっと、子どもの頃にはあった。池田君の作品を前にしていると、僕らはそんな記憶を微熱のように思い出し、いつのまにかそれぞれの内なる幼年期の夢に舞いもどっていくかに思える。
ほの明るいあの宙の中央に、白く光り鎮まっている、蜘蛛の巣や花のように浮かんでいるもの、あれはなんだろう。ドリームキャッチャーとは、インディアンのある部族のお守りのことで、子どもたちを悪夢から守るための魔よけの力を秘めているそうだが、じつは僕らの中にも、今でも、いつまでも、あんなお守りの光が消えずにあって、ほのかに瞬き続けているのかもしれない。淋し気な顔をした大人たちは、疲れても眠らずに、わが子の安らかな眠りを守っているつもりでいるけれども、もっと大きな誰かに宙からひっそりと見守られてしまっているのかもしれない。
夜空のへその緒のような、光り鎮まるあのお守りたちの向こうには、何があるのだろう? 知らない街で迷子になったときの寄る辺のない淋しさと、親がかぶせてくれたあたたかな布団にくるまれたときの幸福感、それらがわけられないものとして混じりあっていく、幼年期の夢のような場所へとそれはひそかにつながっているのだろうか? 幼年期の遥かな夢をどうにか思い出そうとするとき、すでに淋しい大人になってしまった僕らこそが、ふと、幼年期の夢によって包まれて、永遠に「つかまれて」しまっているのだろうか? 池田君の作品から、僕は、そんな想いにとらわれてしまう。
皆さんも、池田君の作品の前に立って、そんな幸福な淋しさによって、自らの胸を、もう一度、温めなおしてみたらどうだろう。
杉田俊介(批評家)
--------------------------------------------------------------------------------
主催:Art Mall