木彫り事業を営む家に生まれた台湾在住の彫刻家。
卒業後現在に至るまでアメリカ、ヨーロッパなど世界各国で個展を開催しながら、各国のアートフェアに参加し活躍の場を広げている。代表作は、台湾犬をモデルにしたブロンズ彫刻シリーズ「The Dog’s Notes」。その内「The Archer」は台湾の高校美術教科書へ掲載、「Happy Time」は国立台湾美術館に所蔵されている。
彫刻家と台湾犬
黄柏仁の祖父の代から続いている木彫り工場は、1960年から1980年にかけ100人以上の職人が休みなく働く極めて大規模な工場であり、その製品は世界各国へと輸出されていた。その倉庫には大量の木材が保管され、未加工の高級木材は1枚300万円を超えていたが、当時は警備体制が整っておらず『台湾犬』が盗難を防ぐため家や工場を守っていた。その犬は何世代にもわたって存在していたため、ポーレンは彫刻と台湾犬に囲まれて育ち、その環境は彼の作風や哲学に大きな影響を与えることとなった。
彼の彫刻シリーズの中でも最も人気を博している「The Dog’s Notes」や「Taiwan Dogs」など台湾犬をモチーフとした作品は、彼の家族や愛する人への忠誠心と敬意を表すと同時に、観る者に日々の忙しい生活から純粋な心を呼び覚ますアラームの役割を果たしている。
その呼び戻した心こそが、常に変動する世界に立ち向かう一番の武器となるのではないか?
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