モネ、ルノワール 印象派の光

クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》 1867 年

クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》 1867 年

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会 期
20230620日 -  20231009
開催時間
10時00分 - 17時00分
入館は16時30分まで
毎月第1金曜日は19時00分まで(入館は18時30分まで)
休み
月曜日
月曜日が祝日の場合は翌平日休み
入場料
有料
一般 1,200 円 /25 歳以下 500 円、高校生以下、障がい者手帳をお持ちの方無料
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
松岡美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
松岡美術館
住所
〒108-0071 東京都
港区白金台5-12-6
最寄り駅
白金台
電話番号
03-5449-0251

詳細

展覧会内容

当館は実業家 松岡清次郎が蒐集した美術品を公開するため、1975(昭和 50)年に設立された私立美術館です。1917(大正 6)年 貿易商から身を起こした清次郎の理想は、自らの眼にかなった「美しいもの」を追い求め、蒐めていくことでした。清次郎は東洋陶磁蒐集のため欧米のオークションに参加するうちに、印象派やエコール・ド・パリなど西洋画にも興味を抱き、コレクションを築きました。今回は当館所蔵の西洋画コレクションの中から、清次郎が晩年に蒐集したモネ、ルノワールをはじめとする、フランス印象派・新印象派の絵画を一堂に会します。

[みどころ]
館蔵のフランス印象派・新印象派コレクションを 6 年ぶりに一挙公開
モネ、ルノワールをはじめとするフランス印象派・新印象派コレクションを 2017年以来、6年ぶりに一挙公開いたします。まとまっての公開は再開後初めてです。当館の創設者 松岡清次郎は美術史をたよりに系統立って作品を集めるのではなく、「良いものは良い」というスタンスで自らの審美眼をたよりに蒐集しました。そのため、印象派コレクションにはモネ、ルノワール、ピサロといった印象派の中心メンバーに加えギヨマンの作品が多数あり、新印象派コレクションにはスーラはない一方でリュスやマルタンの作品が多いという珍しい内容になっています。この偏りからも松岡の趣味がうかがえます。コレクションを通して、蒐集家 松岡清次郎の理想の美を感じ取っていただければと思います。

トピックス
1.モネ、活動初期の名作
印象派の巨匠モネ。作品に充満する光に満ちた色彩とは裏腹に、その生涯は波瀾万丈でした。中産階級の裕福な家庭に生まれたモネは、16歳ごろには風刺画で小遣い稼ぎができるほど才能を発揮していました。それを見抜いた画家ブーダンの誘いで、モネは戸外での油彩制作を始めます。
本格的に絵を学ぶために18歳でパリに出たモネは画塾でピサロやシスレー、ルノワールらと出会います。1865年には、サロン・ド・パリ(官展)に『オンフルールのセーヌ河口』と『干潮のエーヴ岬』を初出品して2点とも入選を果たし、批評家からも好評を得るという順調なスタートを切りました。翌1866年のサロンでも、『シャイイの道』と恋人カミーユをモデルにした『緑衣の女』が入選し、父からも仕送りを得ますが、この仕送りはカミーユとの交際が理由で、すぐ止まってしまいます。さらに、1867年のサロンに出品した労作『庭の中の女たち』が落選。当時はサロンでの評価が作品の売れ行きに影響を与えていたため、モネは大きなショックを受けました。この年の夏、貧困にあえいだモネは家族の住むサン=タドレスに身を寄せています。後に妻となるカミーユは最初の子どもであるジャンを身ごもっていましたが、労働者階級の出である彼女をモネの父は認めず、身重のカミーユをパリに残して家族のもとへ向かったのでした。モネはサン=タドレスの地で熱心に作品制作に励み、活動初期の名作をいくつも生み出しました。本作もその一つ。斜面が作り出す対角線は空と地の対比構図を作り出し、それぞれの有様に視線を誘導します。光を浴びる斜面と海の明るさに対比して、画面左手の大きな崖と画面中央右手の杖を持つ人物が作り出す影の存在が一層光を感じさせ、素早く細かなタッチで移ろいゆく空と海風に揺れる草花を巧みに表現しています。モネがその目で見た光、肌で受けた風を見る者に感じさせます。

2.人物画家ルノワールここにあり
ルノワールは早くから「人物画家」であることを自負しており、友人やその家族、親しいパトロンの肖像を多く手がけています。1876年、ルノワールはパトロンであった出版業者シャルパンティエ夫妻を通じて、『風車小屋だより』や『アルルの女』などで知られる小説家アルフォンス・ドーデと知り合い、夫人ジュリアの肖像を油彩で制作しました。その2年後に誕生した次男リュシアンが本作のモデルです。ルノワールは子どもを描く際、無理にポーズを取らせず、玩具で遊ばせるなど、なるべく自然な姿を描くようにしていたといいます。本作でも、赤ん坊らしいふっくらした手に大きなビスケットを握り、ぱっちりと目を開くリュシアンの姿が、極めて自然にとらえられています。パステルの生み出すやわらかな風合いとざっくりとした線によって、幼児の柔らかな肌や頭髪、ギャザーを多用したふんわりとした衣服を忠実に表現することに成功しており、人物画家ルノワールの手腕をうかがわせる一作といえるでしょう。

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