藤井安剛 根付展

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会 期
20181117日 -  20181125
開催時間
13時00分 - 19時00分
最終日は18時00分まで
休み
11月19日(月)
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
ギャラリー花影抄
情報提供者/投稿者
開催場所
花影抄/根津の根付屋
住所
〒113-0031 東京都
文京区根津1-1-14 らーいん根津202
最寄り駅
根津
電話番号
03-3827-1323

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

この度Gallery花影抄では根付作家 藤井安剛の個展を開催いたしますのでご案内申し上げます。
前回の個展より7年、強い個性を磨いてきた安剛にとって、飛躍となる展覧会を目指しています。
ご高覧いただければ大変幸いです。

藤井安剛 略歴
1960年愛媛県生まれ。東京在住。

古い将棋の駒を探して、骨董市などを巡っている中で、根付と出会う。
2000年頃から、独学にて根付制作開始2003年~朝日カルチャー「現代根付教室」にて、駒田柳之・黒岩明両氏により根付彫刻を学ぶ。

2008年 「藤井安剛根付展」Gallery花影抄(東京/根津)
2011年 「藤井安剛根付展」Gallery花影抄(東京/根津)
2012年 「新古典派根付展」Gallery花影抄(東京/根津)
2014年 「高円宮家所蔵 根付と宮中装束」呉市立美術館(広島)
2014年 安剛・紫苑「根付彫刻二人展」花影抄(東京/根津)
2016年 「細密工芸の華 根付と提げ物」たばこと塩の博物館(東京)
2018年 「根付展~粋な装身具・江戸の工芸品 特別出品:高円宮家根付コレクション」ひろしま美術館

象牙であれば大原光廣、玉陽斎。黄楊ならば、豊昌、五鳳交通などと、素材ごとに、理想とする仕上がリ具合が頭の中にあります。理想的な仕上がりを目指しつつ、独特の技法・作風によって、一目で誰の作とわかるような、独自の技、風合いを手に入れたいと考えています。仕上がりの技術的な部分を強調するのは、根付を「工芸」と考えているからです(藤井安剛)

■藤井安剛について
 藤井安剛という作家を語るとき、3度目の個展に至るこの10年間で熟造した技術はもちろんだが、「ゼロから何か新しいものを生み出すのではなく、既存のモノ同士の組み合わせで今までに無かった根付をつくる」という彼の言葉の中に、極めて現代的なシミュレーショニズムの視線があることは見逃せないだろう。

 たとえば安剛が作品に「古色」あるいは「慣れ」を意図的に施す行為。古色付けは能面や建築では伝統的に行われており、彼に言わせれば、古根付でも既に根底的美意識として行われていた。安剛が卓越している点は、この美意識を継承しつつも、半ば直感的試行錯誤だけで、題材と技法両方において、古(いにしえ)の時間と記憶を外部として客体化して抽出(サンプリング)、オリジナルの世界観を再構築(リミックス)する方法に到造している点だ。これはすでにファインアートを飛び越えた、現代アート(アナロジー)寄りのアプローチだ。

 もちろん本展で出品される《日本から来た魔術師》のような饅頭根付でも、裏側の粋な仕掛けや物語も見所だが、安剛作品の場合はリテラルではない。さらに奥に見えない隠喩(メタファ)一古の時間が常に見立てられているということだ。《五色の翼》は、鳳凰と髑髏の二重像というシュールレアリスムを想起させる発想が新たに加わったが、これに見える裏側と見えない隠喩を加えると、全4枚のイメージのレイヤー構造となる。だがこれこそは、江戸や明治の根付には無かった、今の我々の複雑化した社会、気持ちに極めて身近な構造だろう。

 安剛の目指す世界観とは、「人が心落ち着く居心地の良いカタチや色合い、風味等の本質」という。その本質は「現代のモノならではのアイディアを加え」ること無しでは、リアリティを獲得できない性質のものと言えるだろう。

 自然、安剛作品は現代社会に暮らす我々の繊細な心を深写する鏡になっており、彼の彫り出す作品の味わい深い豊饒な情緒と不思議に身近な詩情は、50年100年経ても紛れもなく私たちの時代の象徴としての耀きを放つ根付として残ることになるだろう。

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