コレクションを核に 関西ゆかりのデモクラートの作家たち 泉茂 山中嘉一 吉田利次 吉原英雄
開催概要
開催内容
「デモクラート美術家協会」は、1951年に画家の瑛九を中心として結成された美術グループです。既成の美術団体や画壇の権威主義を拒否し、自由と独立の精神による制作を目指して結成されました。同会の特徴は、東京、大阪、宮崎と拠点が分散しており、参加者も画家のほか、デザイナー、写真家、評論家、舞踏家と幅広い領域にまたがっていたことです。1957年に解散するまで、グループ展の開催や機関誌の発行といった同会の活動を創作の出発点として、後に世界で活躍する多くの美術家たちを輩出しました。
泉茂(1922-1995)は、同会の創立会員であり、関西における活動の中心的存在でした。1953年よりエッチング、1955年よりリトグラフの研究と制作にほぼ独学で取り組み、若い美術家たちに版画制作の機会を与える役割も果たしました。
山中嘉一(1928-2013)は、1954年より同会へ参加。泉に影響を受けて、リトグラフを手掛けたひとりです。約3年間のリトグラフ制作の後、一旦絵画に戻り、約10年の歳月を経てシルクスクリーンと出合います。約30年間に亘るシルクスクリーンの制作活動は、後年1点制作のモノタイプへと移りました。
吉田利次(1916-1998)は、泉茂とともに同会の創立会員であり、55年まで在籍していました。52年には反戦美術家同盟の結成に参加、その後も安保闘争や三池炭鉱のストなどの社会的なテーマにより一貫して人間を描き続けた同会では異色の作家です。
吉原英雄(1931-2007)は1955年頃より同会へ参加。泉に影響を受けて、リトグラフ制作を始めたひとりです。当初は版画制作に批判的でしたが、泉と共にリトグラフ技法の開発に取り組み、エッチングとの併用による独自の表現を得、後年は京都市立芸術大学で版画教室を創設し、後進の育成に大きく寄与しました。
本展覧会は、関西を拠点として「デモクラート美術家協会」で活躍した泉茂、山中嘉一、吉田利次、吉原英雄の4人の美術家に焦点を当て、1950年代以降の版画を中心とした約130作品と、写真や出版物などの資料を前後期に分けて紹介します。また、近年当館へご遺族より寄贈された泉の初期銅版画の原版を初公開し、エッチング作品と併せて展示いたします。