東欧アニメ をめぐる旅 ポーランド・チェコ・クロアチア

開催概要

会期
2014年09月27日 〜 2015年01月12日
会場
神奈川県立近代美術館 葉山 (神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1)
ジャンル
アート
タグ
漫画・アニメーション

開催内容

ようこそ 東欧アニメの世界へ

2度のアカデミー賞を獲得したアニメーション・スタジオ「セ・マ・フォル」の拠点、ポーランドの工業都市ウッチ。イジー・トゥルンカなど、人形アニメーションの伝統を誇るチェコの首都プラハと、カレル・ゼマンやヘルミーナ・ティールロヴァーが活躍した東部の都市ズリーン(旧ゴットヴァルドフ)。第二次世界大戦後に新聞漫画家や画家が集まってアニメーションを作り始めたクロアチアの首都ザグレブ。これら東欧の3カ国をとり上げ、それぞれの個性と伝統あるアニメーションを紹介するとともに、現代のアニメーション作品も展示します。

ポーランド共和国 Republic of Poland
セ・マ・フォルは、ポーランド中央部、かつて繊維工業の中心地として知られ、今なお石畳とレンガの街並を残すウッチに1947年に設立されたヨーロッパで最も歴史のあるアニメーション・スタジオのひとつです。人形によるストップモーション・アニメーション制作を得意とし、これまでに850本を超える作品を生み出しました。ズビグニュー・リプチンスキー(1949-)監督の『タンゴ』(1980年)とスージー・テンプルトン(1967-)監督の『ピーターと狼』(2008年)により、アカデミー賞短編アニメーション部門で2度の栄冠を得ています。近年は、自主企画のみならず欧米や日本を含む海外のアニメーションの制作にも活動の幅を広げています。
その他、マレク・スクロベツキ(1951-)監督の『ダニー・ボーイ』(2010年)、クシシュトフ・ブショゾフスキ(1956-)などが監督した子ども向けアニメーション『フラッパーと友達』(2013年)などの現代作品を通して、ポーランドの誇る人形アニメーションの豊かな表現を紹介します。

チェコ共和国 Czech Republic
チェコのアニメーション草創期に広告アニメーションから実験的なアニメーションまで幅広く製作したカレル・ドダル(1900-1986)。かつてドダルの創作と私生活のパートナーであり、後に、ズリーン(旧ゴットヴァルドフ)で『アリのフェルダ』(1942年)など人形アニメーションを撮ったヘルミーナ・ティールロヴァー(1900-1993)。焼失したティールロヴァーの作品をヒントにズリーンで『クリスマスの夢』(1945年)を撮り、後に『悪魔の発明』(1958年)などコマ撮りと実写を組み合わせたSF長編映画で一世を風靡したカレル・ゼマン(1911-1989)。戦前から挿絵や人形劇で活躍し、戦後まもなくアトリエ・フィルム・トリクでアニメーション映画を手掛け、『チェコの四季』(1947年)を始めとする人形アニメーションで国際的に高く評価されたイジー・トゥルンカ(1912-1969)。シュルレアリスムの表現としてのクレイ・アニメーションによって独自の世界観を築いたヤン・シュヴァンクマイエル(1934- )。
チェコのアニメーションに国際的な高い評価を与えてきた、これらの魅力的な個性に加えて、現代チェコを代表するアニメーション作家、ミハエラ・パヴラートヴァー(1961- )の『レペテ(反復)』(1995年)を紹介します。

クロアチア共和国 Republic of Croatia
1956年にアニメーション・スタジオを設立したザグレブ・フィルム。そのグラフィック表現が特徴的な作品群から、アカデミー賞短編アニメーション部門で海外作品として初めて受賞したデュシャン・ヴコティチ(1927-1998)監督の『エアザッツ(代用品)』(1961年)、ボリス・コラール(1933-)監督のシンプルに描かれた犬と猫の親子が可愛らしい『ワン・ワン』(1964年)と戦争の影に怯えて軍拡に進む国家を風刺した『ブーメラン』(1962年)、ズラトコ・ボウレク(1929-)監督がイタリアと合作した『猫』(1971年)、ネデリコ・ドラギッチ(1936-)監督の『トン・トン』(1972年)、ヴラディミル・ユトリシャ(1923-1984)とアレクサンドル・マルクス(1922-2002)の共同監督による『悪夢』(1976年)、クレシミル・ズィモニッチ(1956-)監督の『蝶々』(1988年)などを紹介します。
とりわけ、『ブーメラン』のストーリーボード約190点とセル画約50点は、この展覧会のための日本側の調査で、ザグレブ・フィルムの倉庫から文字通り発掘されたものです。

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