「母たちの神-比嘉康雄」展 沖縄・聖地・神々の饗宴

開催概要

会期
2011年01月23日 〜 2011年05月31日
会場
IZU PHOTO MUSEUM (静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1)
参加クリエイター
比嘉康雄
ジャンル
写真
タグ
写真

開催内容

 比嘉康雄(ひが・やすお)は、沖縄を代表する写真家の一人であると共に、民俗学の分野でも大きな功績を残した人物です。比嘉は1968年の嘉手納空軍基地でのB52爆撃機墜落事故をきっかけに警察官を辞め、写真家になることを選びました。ベトナム戦争や日本への「復帰」に揺れた激動期の沖縄を象徴する写真家だといえます。
 撮影の仕事で訪れた宮古島で出会った祭祀に衝撃を受け、沖縄文化の古層に惹きつけられていった比嘉は、「神の島」と呼ばれる久高島をはじめ、南は八重山諸島から北は奄美大島に至る琉球弧の島々に関する膨大な記録を残すことになります。2000年に亡くなるまで、失われつつあった祭祀とそれを行う女性(母)たちの威厳に満ちた姿を丹念にカメラにおさめながら、琉球弧の精神文化の祖型を探っていきました。写真に写されたのは世界にあまり類を見ない一種の女神信仰・母性原理の祭祀であり、中には男子禁制の祭祀も多くあります。本展では、生前に比嘉の手で編まれたものの、未刊に終わった写真集「母たちの神」から全162点を紹介いたします。祖霊信仰、自然信仰に基づいた村落ごとの祭祀の多くはすでに変容し、途絶えてしまったものも少なくありませんが、残された写真は、琉球弧の神々の豊穣な世界を現在に伝えてくれます。
 本展は、沖縄県立美術館で開催された「母たちの神」展(2010年11月2日~2011年1月10日)の巡回展となります。

「人々は、魂の不滅を信じ、魂の帰る場所、そして再生する場所を海の彼方のニラーハラー(※)に想定し、そこから守護力をもって島の聖域にたちかえる母神の存在に守護をたのんでいる。この「母たちの神」は、〈生む〉〈育てる〉〈守る〉という母性の有り様の中で形成された、つまり、内発的、自然的で、生命に対する慈しみがベースになっている〈やさしい神〉である。
(中略)
この母性原理の文化は、父性原理の文化がとどまることを知らず直進を続けて、破局の危うさを露呈している時代を考える大切な手がかりになるであろう」
※「ニライカナイ」と同義。海の彼方にあると信じられている他界で、神の在所。
                                   比嘉康雄著『日本人の魂の原郷 沖縄久高島』より


出展数:162点

ご好評につき5月31日(火)まで会期延長いたします。

「母たちの神-比嘉康雄」展 沖縄・聖地・神々の饗宴