齊藤智史 " ココロコロ "

開催概要

会期
2026年09月11日 〜 2026年09月26日
会場
s+arts (東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3F)
参加クリエイター
齊藤智史
ジャンル
アート
タグ
立体、彫刻、絵画

開催内容

齊藤智史は、楠を用いてフォルムを形成し、日本画に使われる顔料や灰などで着彩をしながら、動物や人物、抽象物等を制作します。彫刻作品に加え、近年ではペインティング制作にも力を入れ、自身の表現の幅を広げながら、アジア圏を中心に注目されている作家の一人だと言えるでしょう

植木屋の家に生まれ育った齊藤にとって、心のどこかに残る感動が呼び起こされる時には常に樹木が存在します。木彫表現を通じて、自身の周りの様々な要素が繋がり、土着の文化やその地で生まれた精神を継承し、未来へと残そうとしています。時と共に曖昧になる過去の記憶を辿りながら、現在の経験が重なることで得られる新たな感覚を作品に反映させ、人間の記憶の中にある曖昧で懐かしい感覚を具現化することを試み制作を続ける彼の作品からは、どことなく懐かしいような、愛着が湧くような感覚が生まれます。

本展タイトル「ココロコロ」は、造語ではありますが、言葉の持つ響きから受ける印象から、心が弾む、心が揺れる、状態や感情が変わる、物が転がる、心地良い等、その言葉を聞いた人により、様々な意味合いが連想できます。今回は、物事の音や状態、感情などを音で表すオノマトペ(擬音語・擬態語・擬声語など)から着想を得た作品を軸に発表いたします。

「心の中にあるオノマトペは、重なり合い離れ、また重なり合う時には何もなかったようになってしまうこともあるが、予期せぬ時に現れることも、一生現れないこともある我々は様々な遭遇の接点により、他者とも混ざり合い、命が尽きようとも、その魂が世界のどこかで何かになっていて、部分ではよくわからない塊になっているのではないか
そしてまた、誰かのオノマトペになり、誰かに寄り添いながら新たな何かとなるのではないか
まるで川の中をころころ転がる無数の石のように」
--- 齊藤智史


日本語は、世界的に見てもオノマトペが非常に多い言語だと言われています。感覚を作品として具現化している齊藤が、音で繊細なニュアンスを感覚的に伝えるオノマトペに惹かれるのは、自然のことのように思われます。新作では、吹き出しのような形や言葉が新たに表れ、彼特有の曖昧さを保ちつつも、親近感の湧くような印象を醸し出す作品が見られます。言葉という具体的な表現を取り入れながらも、観る者によって異なる意味合いを感じられ、抽象度の高い印象を受ける興味深い試みとなりました。これを機に、齊藤智史の新作展を是非ご高覧ください。

齊藤智史  " ココロコロ "