絵で知る、もっと楽しむ京都
開催概要
- 会期
- 2026年10月03日 〜 2027年02月28日
- 会場
- 嵯峨嵐山文華館 (京都府京都市右京区嵯峨天⿓寺芒ノ⾺場町11)
- ジャンル
- アート
- タグ
- 日本画
開催内容
誰もが知る名所から芸舞妓、京野菜、和菓子まで——絵画で巡る「千年の都」
千年以上の歴史を誇り、訪れる人々を惹きつけてやまない観光都市・京都。なかでも風光明媚な場所として知られる嵐山の地で、その多彩な魅力を近世から近代にかけての日本画を通じて紹介する展覧会です。
《洛中洛外図屏風》(前期展示)や《洛外図屏風》(後期展示)、原在中【はらざいちゅう】(1750-1837)の《葵祭之図》(上巻:前期展示下巻:後期展示)など、今日でも親しまれている京の名所や行事、伝統文化を描いた作品を展示します。
鴨川、嵐山、金閣寺といった京都の名所絵をはじめ、祇園祭で神の使いとして重要な役割を担う「稚児」の姿や、牛若丸と弁慶など京都ゆかりの歴史上の人物を描いた作品まで、初公開作品は計12件にのぼります。さらに、本展では、芸妓・舞妓や京野菜など、京都ならではの画題を扱った作品も登場します。また、京都と言えば、和菓子の老舗が軒を連ねる街です。畳ギャラリーでは、富岡鉄斎【とみおかてっさい】(1836-1924)や池田遙邨【いけだようそん】(1895-1988)らが意匠を凝らした和菓子の包装紙もあわせて展示します。
京都をよく知る方から初めて訪れる方まで、本展を通してまだ見ぬ京都の魅力を発見し「京都を絵で知り、もっと楽しむ」機会となることを願います。
前期:10月3日(土)~12月14日(月)
後期:12月16日(水)~2027年2月28日(日)
[展示構成]
第1章 絵で巡る京の名所
本章では、当館が位置する嵐山をはじめ、京都の美しい景色を描いた作品を紹介します。前期展示では、いわゆる「清水の舞台」で有名な清水寺や、朱塗りの鳥居が映える伏見稲荷大社、夏の風物詩・鴨川の納涼床、さらには日本三景のひとつ・天橋立の絶景を臨むことができます。また、今と変わらぬ山鉾が巡行する祇園祭の様子や、後水尾天皇が二条城へ赴いた際の大行列を描いた江戸時代の《洛中洛外図屏風》も必見です。京都生まれの画家・平井楳仙【ひらいばいせん】(1889-1969)による《鴨川涼風》は、京都の夏の風物詩である店外席「川床(ゆか)」を情緒豊かに描いた当館初公開の作品です。
後期展示でも、華やかな祇園の夜桜、古くから信仰を集める霊峰・比叡山に加え、瑞々しい新緑に包まれた金閣寺など、名所や歴史ある寺社の数々を巡ります。郊外の名所を八曲一双のダイナミックなスケールで描いた《洛外図屏風》もあわせて展示します。時間や距離を気にせず、様々な名所を観ることができるのが絵画ならではの醍醐味です。季節の移ろいを感じながら、絵画で巡る京都散策の時間を楽しんでいただけます。
第2章 絵と工芸で親しむ京の伝統文化
京都の魅力は、美しい風景だけではありません。脈々と受け継がれてきた祭礼や文化、日々の暮らしもまた、多くの画家たちを魅了してきました。本章では、京都ならではの行事や伝統文化にちなんだ作品を紹介します。
江戸時代に活躍した原在中による《葵祭之図》は、上下2巻からなり、それぞれの長さが10メートルを超える大作です。御所から上賀茂神社へ向かう人々の、生き生きとした表情や仕草が見どころです。
※前期は上巻、後期は下巻(各部分)を展示します。
さらに、京都と言えば思い浮かぶ艶やかな芸舞妓や、豊かな食文化を支えてきた京野菜などを描いた日本画の数々を展示します。また、山元春挙【やまもとしゅんきょ】(1872-1933)による風景画をもとに、刺繍で縫い表した初公開作品《富士・白糸の滝図刺繍屏風》も見どころです。京都を中心に盛んに制作されていた海外輸出用の作品と考えられ、日本画界が工芸と深くかかわりを持っていたことを示す貴重な作例と言えます。
絵画と工芸が織りなす華やかな世界が畳のギャラリーいっぱいに広がります。
第3章 京の和菓子店と画家
四季折々の風情を取り入れた京の和菓子。その繊細な美しさは、菓子を彩るパッケージのデザインにも息づいています。
和菓子の包みに掛け紙などの包装紙が使われるようになった近代以降、京都を拠点に活躍した画家たちは、その図案にも趣向を凝らすようになりました。そこには単なる仕事の枠を超えた、店主と画家の「粋な交遊」が窺えます。
本章では、今なお愛され続ける和菓子店の包装紙や紙袋、一部原画をも展示します。あわせて、その意匠を手がけた富岡鉄斎、池田遙邨、徳岡神泉【とくおかしんせん】(1896ー1972)など6名の画家による日本画も展示します。パッケージのデザインと絵画を見比べることで、それぞれの画家のセンスがより味わい深く感じられることでしょう。