東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び
開催概要
- 会期
- 2026年11月14日 〜 2027年03月28日
- 会場
- 東京都美術館 (東京都台東区上野公園8-36)
- 参加クリエイター
- Jean-François Millet / Vincent van Gogh / Edgar Degas / Charles Martin Émile Gallé / Claude Monet / Pierre Auguste Renoir / Henri de Toulouse-Lautrec / Eugène Henri Paul Gauguin
- ジャンル
- アート
- タグ
- 絵画、彫刻、工芸
開催内容
19世紀、芸術家たちは身近な「いま」を表すことに強い関心を向けるようになります。産業の発展によって中産階級が増え、技術革新により社会が大きく変わった時代でした。
新しく生まれた生活や風景は、それまでとは異なる新しい様式で表現されました。作品には、日々の暮らしにささやかな幸せを見つけながら、激動の時代をたくましく生きる人々の姿が映し出されています。
本展では、「印象派の殿堂」とも称されるオルセー美術館のコレクションから、「いまを生きる歓び」をテーマに絵画・彫刻・工芸・写真など約110点をご紹介します。ジャン=フランソワ・ミレー、ピエール=オーギュスト・ルノワール、クロー
ド・モネ、フィンセント・ファン・ゴッホら、身近な「いま」を見つめた芸術家たちがすくい上げた「生きる歓び」。それらはきっと、社会のあり方が急激に変わる現代のわたしたちにもなお、新たな発見や新鮮な気づきをもたらしてくれるでしょう。
[みどころ]
1.究極のオルセー美術館展!珠玉の作品が来日
ミレー《落穂拾い》(23年ぶりの来日)、ファン・ゴッホ《星月夜》(16年ぶりの来日)、ゴーガン《アレアレア》(16年ぶりの来日)をはじめ、世界中の鑑賞者を魅了するオルセー美術館の至宝が本展のためだけにパリを離れ東京へやってきます。
2.テーマは「いまを生きる歓び」。人生の愛おしい瞬間を織りなす全7編
本展のテーマである「いまを生きる歓び」は、オルセー美術館開館40周年・東京都美術館開館100周年をことほぐ企画として練り上げられました。
オルセー美術館が所蔵する約10万点から両館が選んだのは、希望を伝えるあたたかな作品の数々。全7編で人生の愛おしい瞬間を織りなします。
3.歓びあふれる展示空間で心躍る一日を!
オルセー美術館をはじめフランスで活躍するセノグラファー、セシル・ドゥゴ氏が展示の空間デザインを担当し、歓びにあふれた会場をつくり出します。 会場に一歩入った瞬間からその余韻まで、芸術を通し「いまを生きる歓び」に浸る一日をお過ごしください。
[展示構成]
プロローグ ダンス 世界をことほぐ
古来さまざまな地域で、良きことを祈り、感謝を捧げる術であり、また歓びの表現であったダンス。「いまを生きる歓び」をテーマとした本展は、さまざまなダンスの作品を一堂に会した祝祭的な空間から始まります。絵画や彫刻に表された神々やニンフの踊り、写真に捉えられた19世紀末から20世紀初頭のダンサーなど、多岐にわたる作品を紹介します。鮮やかな色彩や上昇する曲線、心地よい線や形態のリズムは、作品を前にしたわたしたちの心もきっと弾ませてくれるでしょう。
第1章 自然の美を見出す
19世紀、工業化や近代化が進む都市で暮らす芸術家は、自然へのまなざしを新たにしました。慣れ親しんだ土地の何気ない風景を描いた絵画からは、その土地への愛着やそこに美しい色彩や造形を見出した画家の歓びが感じられます。また、都市部では大通りが整備され、直線的で幾何学的な景観が広がってゆくなか、19世紀末にはアール・ヌーヴォーが花開きます。植物や生き物のかたちから着想を得た、優美な曲線を特徴とする装飾美術が人々の暮らしを彩りました。さらに、科学技術の発展は人々に新たな視覚をもたらします。これまで肉眼では見ることのできなかった世界の姿も捉えられるようになりました。
第2章 よく食べ、よく働き、よく眠る
21世紀の今日、技術革新により産業構造が変わりつつありますが、19世紀は農業から工業へと社会が大きく変化する時代でした。農村に留まる人にも、大都市に出て新しい仕事に就く人にも、つらく苦しい労働もあれば、ふとした暮らしのなかに感じる歓び、あるいは生きがいとしての働く歓びもあったはず。画家たちは、「いまを生きる」市井の人々を見つめ、ときには大きなカンヴァスを使ってその姿を美しく気高く描きました。本章では、都市や農村で支え合い働き、休息し、ときに貧困や孤独と闘いながらも、たくましく生きる人々の姿をご紹介します。
第3章 日々を重ねる
19世紀後半、都市部にはそれまでとは異なる新しい日常が生まれました。芸術家たちは、余暇を楽しむ人々の姿を絵画や写真にとどめています。友人や家族と、あるいはひとりで、公園を散歩し、スケートや釣りを楽しみ、誰かと語らう人々。家では読書にふけり、ピアノを弾き、週末には緑豊かな郊外でゆったりとした時間を過ごす人々。普仏戦争やパリ・コミューンを経て、芸術家たちは改めて身近な日常に目を向けたのです。そうして生まれたのは、現実の暮らしを映し出しながらも、理想や憧れを重ね合わせた魅力あふれる日常の情景でした。
第4章 老いも若きも、貧富も問わず
サーカスやキャバレー、仮装舞踏会など、さまざまな夜の娯楽が花開いた世紀末のパリ。人工照明の普及により、大都市の夜はいっそう明るくにぎわいを見せます。芸術家は、夜の街に繰り出す男女の姿とともに、舞台上の俳優や音楽家、さらには舞台の裏側にも目を向けます。人口が急増したパリにはさまざまな階層や職業、背景をもつ人々が行き交いました。作品には、歓びや華やかさだけではなく、ときに厳しい現実も映し出されました。しかし同時に、同じ時代を生き抜く人々への共感と、どこか愛おしむようなまなざしを感じ取ることもできるでしょう。
第5章 幸せの手ざわり
身の回りのできごとに関心を向けた芸術家は、日常の室内風景や家庭内の私的な時間も表すようになりました。愛らしい子どもの姿や親しい人々の集い、ともに暮らす犬や猫など、思わず触れたくなるような愛おしさに満ちた情景も多く見られます。
身近な「いま」を描くとき、家族や親しい友人は格好のモデルとなりました。描かれたり撮影されたりした人物同士、あるいは芸術家とモデルの間の親密な雰囲気が伝わってきます。あまりに幸福そうに見えるこれらの光景には、憧れや願いも重ねられているのかもしれません。いずれにしても、対象を慈しむようなまなざしが感じられる作品は、いまなお、あたたかな幸福感を漂わせています。
エピローグ それでも世界は美しい
戦争や自然災害など、人の生命や尊厳を脅かすできごとはいまも世界のどこかで起こりつづけています。
生きていれば、大小さまざまなつらく悲しい経験も積み重なってゆきます。それでも芸術家たちは、この世界のなかに希望を見出し、その美しさを賛美する作品を生み出してきました。なかには、近代化が必ずしも幸福をもたらすばかりではないと感じ、都市を離れ、人と自然が共生する土地へ向かった芸術家もいました。豊かで美しい自然と交感するなかで描かれた作品からは、歓びや深い畏敬の念が感じられます。また、憧れの「理想郷」を表した作品は、彼らにとっての調和に満ちた世界の姿をわたしたちの目の前に示してくれます。
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