令和8年度秋季展 永青文庫・早稲田大学會津八一記念博物館共同企画 白隠ワールド―細川護立コレクションのはじまり―

開催概要

会期
2026年10月03日 〜 2026年11月29日
会場
永青文庫 (東京都文京区目白台1-1-1)
ジャンル
アート、クラフト
タグ
書、禅、日本画、水墨画

開催内容

江戸時代中期の禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく、1685~1768)は「臨済宗中興の祖」と呼ばれ、膨大な数の絵画と墨蹟を手掛けて禅の教えを広く伝えたことで知られています。
永青文庫の設立者・細川護立(ほそかわもりたつ、1883~1970)は、16歳のときに肋膜を患い、療養中に白隠の著作『夜船閑話(やせんかんな)』に感銘を受けたことをきっかけに、白隠の書画蒐集を始めました。永青文庫は、護立が集めた300点を超える白隠の書画を所蔵しており、質量ともに日本有数の白隠コレクションを誇ります。
一方、早稲田大学會津八一記念博物館には、日本重化学工業株式会社の初代社長・富岡重憲(とみおかしげのり、1896~1979)が長年にわたり蒐集した美術品約900点が所蔵されており、近世の禅書画がその約三分の一を占めています。富岡がなぜ禅書画を蒐集したのか、その経緯を示す記録は残されていませんが、これらの作品は主として後半生に蒐集されたものでした。
このたび両館は連携し、永青文庫所蔵の白隠および関連禅僧の書画について調査を実施しました。約2年におよぶ調査の過程では、富岡の禅書画コレクションの中に、細川護立の旧蔵品が含まれていることが明らかとなりました。
本展では、この調査成果を踏まえ、永青文庫と早稲田大学會津八一記念博物館による初の共同企画展として、永青文庫では護立の白隠コレクションから厳選した作品を、早稲田大学會津八一記念博物館では護立・富岡の禅書画コレクションを展示し、両コレクションの結びつきとその広がりを紹介します。今秋は、徒歩圏内にある2館で多彩な白隠ワールドを存分にご堪能ください。

白隠慧鶴(はくいんえかく、1685~1768)
江戸時代中期の臨済宗の僧。貞享2年(1685)、駿河国駿東郡浮島・原宿(静岡県沼津市)に生まれました。15歳のとき原・松蔭寺の単嶺祖伝(たんれいそでん)について出家し、慧鶴と名付けられます。諸国を行脚し、24歳のとき、越後高田(新潟県上越市)・英巌寺で悟りを得ますが、さらに信州飯山(長野県飯山市)・正受庵の正受老人(道鏡慧端、どうきょうえたん)のもとで厳しい指導を受けました。33歳で故郷の松蔭寺の住職となり、以降は同寺を本拠として民衆への布教に尽力しました。明和5年(1768)松蔭寺にて84歳で遷化。多くの著作をのこし、また夥しい数の禅画・墨蹟を手掛けました。

細川護立の白隠コレクション
永青文庫の設立者・細川護立(1883~1970)は、多岐にわたる分野の美術品を集めたコレクターとして知られています。護立は10代から刀剣、そして白隠の書画に関心を持ち、コレクションを始めました。白隠との出会いは、16歳のときに肋膜を患い、療養中に著作『夜船閑話(やせんかんな)』を勧められたことがきっかけでした。以降、護立は白隠に傾倒し、自らゆかりの寺を巡るなどして書画を集めました。現在、永青文庫には、護立が集めた300点を超える白隠の書画が所蔵されています。


前期:2026年10月3日(土)〜2026年11月3日(火・祝)
後期:2026年11月6日(金)〜2026年11月29日(日)
※前・後期で大幅な展示替えを行います。詳細は永青文庫の公式サイトでお知らせいたします。

[展覧会の見どころ]
1.白隠コレクションの全貌が初めて明らかに
このたび永青文庫は早稲田大学會津八一記念博物館と連携し、専門家の協力を得て、約2年にわたり同館所蔵の白隠および関連禅僧の書画について調査を実施しました。その調査成果を踏まえ、両館にて、永青文庫の白隠コレクションを一挙公開します。同時期開催のため、重複する展示作品はありません。徒歩圏内にある2館の展示を通して、白隠コレクションの全貌を紹介します。
※会期中、大幅な展示替えを行います。詳細は各館の公式サイトでお知らせいたします。

2.白隠門下の禅画をあわせて紹介
白隠は多くの弟子を育成し、現在の臨済宗の系統が全て白隠に繋がることから、「臨済宗中興の祖」と呼ばれています。永青文庫には、白隠の弟子をはじめ、細川護立が集めた関連禅僧の書画が幅広く所蔵されています。今回はこれらの調査も行い、本展では、白隠の弟子・東嶺圓慈(とうれいえんじ)と遂翁元盧(すいおうげんろ)、遂翁の弟子・春叢紹珠(しゅんそうしょうじゅ)の禅画を、前・後期に分けて紹介します。

3.禅画ワールドにやさしく誘うコーナーも
本展は、2022年に好評を博した「仙厓ワールド」以来、4年振りの開催となる禅画展です。テーマごとに作品を展示して「達磨」や「戯画」など画題を解説するコーナーを設け、難解なイメージのある禅画の世界へやさしく誘います。

4.特別展示として、「細川家文書」(重要文化財)を一部修理後初公開!
クラウドファンディング「文化財修理プロジェクト第1弾」の支援と、国・東京都・文京区からの補助により、永青文庫の歴史資料を代表する中世文書を修理しました。本展では、特別展示として、重要文化財「織田信長自筆感状」などを修理後初公開します。原装に近い姿となった文書をお楽しみください。

令和8年度秋季展 永青文庫・早稲田大学會津八一記念博物館共同企画 白隠ワールド―細川護立コレクションのはじまり―