テート美術館 ターナー展―― 崇高の絵画、現代美術との対話

開催概要

会期
2026年10月24日 〜 2027年02月21日
会場
国立西洋美術館 (東京都台東区上野公園7-7)
参加クリエイター
J.W.ターナー
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

このたび、2026年10月より国立西洋美術館において、「テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話」を開催いたします。

J.M.W. ターナー(1775-1851)は、英国絵画史上、もっとも偉大な画家というべき存在です。移ろう光や大気、荒れ狂う海や空、あるいは産業革命期に人間が排出しはじめた蒸気や煤煙など、この世界の一定ではない諸相をときに克明に、ときに抽象化して描きだしたターナーは、絵画の可能性をさまざまに押し拡げ、その歴史に新地平を切り拓いた、まぎれもない変革者でした。そして彼の作品は、当時の哲学や芸術において重視されていた自然の「崇高」を見る者に経験させるものとして評価されてもきました。

本展は、世界最大のターナー・コレクションを誇るロンドンのテート美術館の所蔵品から、油彩画や水彩画など、80点以上をご紹介する大回顧展となります。ターナーの作品群をテーマごとに再編し、ゆるやかな時系列に沿って展示します。さらに、彼の絵画と現代美術を併置して対話させ、その過去の画家の問題意識が後世のアーティストたちの関心とも響きあうことを浮き彫りにします。


見どころ
1.「光の画家」ターナーの傑作80点超が集結
ターナーは、世界の諸相を既知の見慣れたものとしてではなく、未知なるものとして経験するように描きだした稀有な画家です。とくに彼の後期の絵画は、形態が色彩のなかに溶け込み、われわれの眼前で世界そのものが立ち現れてくるかのごとく描かれています。「光の画家」とも称されるターナーの油彩画や水彩画、えりすぐりの80点以上をテーマごとに再編し、彼の画業をたどります。

2.風景画の巨匠が追究した「崇高」をひも解く
ターナーが生きたのは「崇高」をめぐる議論が哲学者エドマンド・バークらによって展開され、ロマン主義の芸術家たちに多大な影響をおよぼした時代でした。バークは「崇高」が巨大なものや恐ろしいものによって引き起こされると考え、これを「美」とは対照的なものとみなしましたが、本展ではその概念を鍵としてターナーの芸術を読み解きます。さらに、20世紀に「抽象的崇高」という概念とともに語られたマーク・ロスコやバーネット・ニューマンの絵画にも眼を向けます。

3.ターナーと現代美術、時を超える「対話」
過去の芸術作品と現代美術とを併置する――テート美術館は、そのような展示の方法論を国際的に主導してきた最たる機関のうちのひとつです。本展でも、さまざまな現代アーティストたちの作品とターナーの油彩画や水彩画を同時に展示します。こうした時代を超えた「対話」をつうじてターナーの芸術に潜んでいる可能性を多角的に検証する本展では、彼の絵画を見つめる経験が、こんにちのわれわれがグローバルに共有している気候変動や脱植民地化などの諸課題について考える契機ともなるでしょう。

テート美術館 ターナー展―― 崇高の絵画、現代美術との対話