竹久夢二のすべて 画家は詩人でデザイナー
開催概要
開催内容
「夢二式美人」で一世を風靡し、時代の寵児となった竹久夢二(たけひさゆめじ、1884-1934)は、絵画の世界にとどまらない多彩な個性と才能で、今もなお高い人気を誇っています。本展は、京都・嵐山の福田美術館が所蔵する、実業家・河村幸次郎(かわむらこうじろう、1901-1994)旧蔵の竹久夢二の作品・資料、約200点をご紹介します。
加えて、夢二と交流のあった出湯温泉の「石水亭」主人・二瓶武爾(にへいたけじ、1899-1952)氏とそのご子息の文和(ふみかず)氏が蒐集した「二瓶コレクション」や、十日町織物工業協同組合が所蔵する《十日町明石ちぢみ》を描いた美人画に関する資料などもご紹介し、夢二の新潟での足跡を辿ります。
美人画家の枠におさまりきらない、竹久夢二の魅力をぜひ会場でご覧ください。
前期 6月13日(土)-7月20日(月・祝)、後期 7月22日(水)-8月30日(日)前期・後期で一部展示替えあり。
[章構成]
第一章 夢二式美人の魅力
夢二が描く女性像に憧れ、似たような装いをする女性も出現したと言われる「夢二式美人」は、年齢や職業はさまざまながら、いずれも色白、小顔、八頭身。愁いを帯びた大きな瞳が印象的です。夢二のやわらかな筆さばきは、彼女たちのありのままの魅力を描き出しました。
第二章 憧れと現実 ~絵でたどる夢二の人生
岡山に生まれた夢二は、東京を拠点にほぼ独学で多彩な才能を開花させます。順風満帆ではありませんでしたが、大正時代を代表するアーティストとして多くの愛好者を獲得しました。旅をこよなく愛した夢二ならではの風景画や、憧れの地である長崎ゆかりの作品とともに、その生涯をたどります。
第三章 小説も書ける挿絵画家
文才にも恵まれていた夢二。詩や俳句だけでなく、雑誌の短編小説や新聞の連載小説なども執筆し、多くの自作の挿絵を添えました。本章では、挿絵の原画を物語の一節とともに紹介。文章から夢二は何を読み解いたのか、挿絵を通じて夢二の感性に触れることができるでしょう。
第四章 夢二と音楽
夢二は音楽への造詣が深く、楽譜の表紙を数多くデザインしました。当時の空気を反映した明るくモダンなデザインからは、歌詞や曲への深い理解がうかがえます。本章では『セノオ楽譜』と『中山晋平作曲全集』の貴重な表紙原画を、実際の楽譜とともに紹介します。
第五章 デザイナー夢二 ~「カワイイ」の元祖
1914(大正3)年、夢二は自らデザインした日用雑貨を販売する「港屋絵草紙店」を設立。店は商品を買い求める女性客で連日大賑わいとなります。本章では少女雑誌の表紙原画、千代紙、封筒や便箋、装幀本など夢二のデザインワークに注目し、「カワイイ」夢二の世界を余すところなく紹介します。
第六章 夢二のまなざし
独学で絵の道に進んだ夢二にとって、作画の基本となったスケッチ。常にスケッチブックを携え、メモ代わりに筆を走らせていたといいます。本章では、夢二が歩いた街や出遭った人々を描いた作品を紹介します。紙の上をのびやかに走る彼の筆跡をたどりながら、夢二の創作活動の秘密に迫ります。
特別展示 夢二と新潟
1930年10月に新潟県を訪れた夢二は、阿賀野市・出湯温泉の「石水亭」主人・二瓶武爾氏との交流から新しい竹カゴ「どんたく籠」を考案しました。同時期には十日町織物組合(現:十日町織物工業協同組合)の依頼で「十日町明石ちぢみ」の宣伝用に美人画も制作しています。これら新潟ゆかりの作品・資料を特別出品し、当県での夢二の足跡を紐解きます。
出品協力:阿賀野市立吉田東伍記念博物館、十日町織物工業協同組合