企画展:それいけ! 応挙塾 -円山応挙とその弟子たち-
開催概要
- 会期
- 2026年04月25日 〜 2026年09月27日
- 会場
- 嵯峨嵐山文華館 (京都府京都市右京区嵯峨天⿓寺芒ノ⾺場町11)
- ジャンル
- アート
- タグ
- 日本画
開催内容
江戸時代の京都では、近年特に人気の伊藤若冲(1716–1800)をはじめ、多くの画家が活躍しました。なかでも、現在の京都府亀岡市で生まれた円山応挙(まるやまおうきょ)(1733–1795)は、20代の頃に西洋の遠近法を取り入れた「眼鏡絵」の制作に携わり、狩野派の絵師である石田幽汀(いしだゆうてい)(1721–1786)に師事して狩野派の基礎を学びました。その後は「写生」を重視する画法を確立して当時の絵画界に大きな変革をもたらし、さらには多くの弟子を育てるなど、「新しい日本画」の基礎を築いたことでも知られています。
本展では、円山応挙の《虎図》や《陶淵明図屏風》(とうえんめいずびょうぶ)などを展示するほか、応挙が創り出した「新しい日本画」がどのように展開していったのかを、弟子である源琦(げんき)(1747-1797)や長沢芦雪(ながさわろせつ)(1754-1799)たちの作品を通して紹介します。
さらに、今回は、新発見の作品として、応挙の弟子である山口素絢(やまぐちそけん)(1759-1818)の弟子で、応挙の孫弟子にあたる矢野夜潮(やのやちょう)(1782-1829)の初公開作品として、37点もの作品を特別に展示します。本展で展示する初公開作品は計50点にのぼります。
江戸時代の画家たちが織りなす多彩な表現の世界が広がります。
[展示構成]
第1章 画壇の変革者 ―応挙とその系譜
18世紀の京都で、1人の絵師が日本の美術史を塗り替えました。それが円山応挙です。 30代の応挙は、滋賀・円満院門跡の門主である祐常(ゆうじょう)(1723-1773)という理解者を得て、徹底的に観察して描く「写生」という新たな表現を切り拓きます。その真に迫る画風は、当時の人々に鮮烈な驚きを与え、人気を博しました。そんな応挙のもとには、彼の革新的な筆致を学ぼうと、才能あふれる若者たちが次々と集います。
第1章では、中国の文学者・陶淵明(とうえんめい)らが金屏風に描かれた作品、円山応挙《陶淵明図屏風》など、応挙の高い画力を実感できる名作も見どころです。
また、応挙の名品とともに、息子である応瑞(おうずい)(1766-1829)や弟子の源琦(げんき)らの作品を一堂に展示します。応挙の画風がどのように弟子たちへと受け継がれ発展していったのかを、優れた作品の数々を通して紹介します。
第2章 応挙門下の俊才長沢芦雪(ながさわろせつ)と岸駒(がんく)
18世紀後半、写生画の旗手として京都画壇に君臨した円山応挙の存在は、当時の絵師たちにとって最大の道標であり、超えるべき壁でもありました。
本章では、応挙が築き上げた「写生」という強固な基礎を受け継ぎながらも、そこから独自の個性を爆発させた2人の俊才、長沢芦雪と岸駒(1756-1838)に焦点を当てます。
武士の家に生まれながら、応挙の一番弟子として活躍した芦雪は、師の端正な画風を土台としながらも、大胆な構図と機知に富んだ演出によって、観る者を驚かせる「奇」の表現を追求しました。彼の筆致はときに軽妙でユーモラス、ときに凄まじい迫力を湛え、画面からはみ出さんばかりの躍動感を生み出しています。長沢芦雪《海老図》はまさに芦雪ならではの大胆な構図とユニークな作風を目の当たりにできる作品です。
対して、応挙の写実性を取り入れながら、力強い独自の様式を確立したのが、岸派の祖・岸駒です。特に彼が描く虎は、毛並みの1本1本に至るまでの精緻な写生と、獣としての凄みを強調した力感あふれる描写が融合しており、当時の京都の人々に鮮烈な印象を与えました。岸駒が極彩色の絵具で仙人を描いた作品《群仙図屏風》は、初公開の作品です。
師の画風を模倣するのではなく、独自の画風を模索し続けた芦雪と岸駒の2人の作品から、江戸後期画壇の熱きエネルギーを感じることができるでしょう。
第3章 応挙の孫弟子・矢野夜潮(やのやちょう)
円山応挙が確立した写実画風は京都画壇を席巻しましたが、その流れを汲む山口素絢(やまぐちそけん)の門下には、矢野夜潮という絵師がいました。これまで夜潮の現存作品はわずか10点足らずとされ、美術史のなかでもその実態は謎に包まれてきました。しかし、昨年、約60点にも及ぶ作品や貴重な史料が一挙に発見され、多彩な画題を描いていたことが判明したのです。本章では、この新発見作品のなかから、37点を本邦初公開します。人物一人ひとりの表情まで捉えて描き出した《祇園祭儀図屏風》や、《高雄秋景・嵐山春景図屏風》をはじめとする数々の優品は、彼が決して無名の存在に留まるべきではない、卓越した技量と瑞々しい感性の持ち主であったことを物語っています。時を経てなお色褪せることのない夜潮の筆致を、作品との対話を通じて存分に味わうことができます。
前期:4月25日(土)~6月15日(月)
中期:6月17日(水)~8月3日(月)
後期:8月5日(水)~9月27日(日)