エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる

エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる

開催概要

会期
2026年06月23日 〜 2026年10月04日
会場
アーティゾン美術館 (東京都中央区京橋1-7-2)
参加クリエイター
Ettore Sottsass
ジャンル
アート
タグ
デザイン

開催内容

公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館(東京都中央区)は、「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」展を開催します。
エットレ・ソットサス(1917-2007)は、20世紀イタリアデザインにおいて世界的に知られる巨匠です。1950年代からオリべッティ社やポルトロノーヴァ社のデザイナーとして数々の名作を生みだし、1981年には国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成して、しばしばポストモダンと評される革新的なデザインで一世を風靡しました。
ソットサスは過度な合理性の追求に疑念をもち、人々の生活に自由で生き生きとした感性を取り戻そうとしました。斬新でユーモアあふれるデザインによって、現代人の生活、人生、ひいては運命を明るく照らそうとしたのです。
近年、石橋財団では新たにデザイン分野の作品収集にも注力し、ソットサスの初期から晩年におよぶ100点を超えるコレクションを形成しました。本展はこれらの作品を一挙に公開する日本初のソットサスの大回顧展であり、また同館初のデザイン展です。

[見どころ]
1. 国内初、エットレ・ソットサスの大規模回顧展
ソットサスは20世紀イタリアデザインを代表する存在であり、近年では欧米を中心に回顧展が数々開催されています。しばしばポストモダンと評されるそのデザインは、合理性や機能性を追求するのではなく、人間のより本質的な感性を揺さぶろうとする新しいデザインであったと言えるでしょう。その革新性は同時代に大きな影響力を持ち、今なお私たちに新鮮な驚きを与えてくれます。また、ソットサスは倉俣史朗や立石大河亞など多くの日本のデザイナー、アーティストたちと交流し、たびたび訪日して日本の文化にも親しみました。ソットサス率いるメンフィスのデザインは、日本のデザイン界にも大きなインパクトを与えました。ソットサスの没後20年を間近に控え、そのデザインの全体像を振り返り、真価を問い直すべきときを迎えています。本展は、ソットサスの初期から晩年にいたる100点以上の作品に倉俣やミケーレ・デ・ルッキといった盟友たちの作品を加え、ソットサスの創作の軌跡を紹介する国内初となる大規模回顧展です。

2. ソットサスにとっての「デザイン」に迫る
ソットサスはそのキャリアを通して、従来的な考え方に縛られずに「デザイン」とは何かを問い続けました。古代から現代まで洋の東西を問わず芸術や文学に親しみ、また同時代の政治・社会に対する鋭い批判精神を持ちながら、現代人の生き生きと喜びに溢れた人生のために必要なデザインとは何かを追求しました。合理的であることや機能的であることといった従来のモダンデザインのあり方に囚われない自由な創作の姿勢は、本展のサブタイトルでも参照されている、魔法がはじまるときにデザインがはじまる、というソットサスの言葉によく表れています。本展では、ソットサスによる「デザイン」とはどのようなものであったのかに迫ります。

3. 石橋財団所蔵の100点超えのソットサス作品を一挙公開
近年、石橋財団ではソットサスの作品を重点的に収集してきました。ジャンルは家具、セラミック、機器類、ガラス器、写真、ドローイングなど多岐にわたり、現在100点を超える一大コレクションとなっています。ユニークな形態と斬新な色づかいのキャビネット、高さ3メートルにも達する陶器を積み上げた柱状のオブジェ、大胆な構造と繊細な美しさが共存するガラス器、「デザイン」を問うコンセプチュアルな写真作品など、ソットサスの唯一無二の創意を存分に堪能することができます。本展は、同館が所蔵するソットサス作品および関連資料を一挙に公開する初めての機会であり、アーティゾン美術館初のデザイン展です。

[展覧会構成]
1. 1950〜60年代:オリベッティとポルトロノーヴァのためのデザイン
2. 1960年代後半〜70年代:ラディカル・デザイン〜放浪の時代
3. 1980年代前半:メンフィスの時代
4. 1990年代以降:晩年

エットレ・ソットサス
1917年オーストリア・インスブルック生まれ。建築家の父の仕事の関係でイタリア・トリノに移り住む。1939年にトリノ工科大学で建築学の学位を取得、第二次世界大戦従軍後、ミラノを拠点にデザイナー・建築家としての本格的なキャリアを開始。1950年代から60年代にかけてオリベッティ社やポルトロノーヴァ社のために名作デザインを次々に生み出し、その名を知らしめる。60年代後半には世界的な反体制の機運をうけた「ラディカル・デザイン」の潮流の只中で、東洋美術やポップアートなどに着想を得ながら極めて斬新な創作を行った。70年代前半にはミラノでの仕事を突如中断し、スペイン・カタルーニャ地方の荒野を放浪しながらコンセプチュアルな写真を撮影して過ごし、「デザイン」とは何かを哲学的に探求した。80年代には自身が発起人となって国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成、大胆な色彩と形態によるデザインの数々でセンセーションを巻き起こした。85年頃にメンフィスを離脱して以降も遊び心溢れる挑戦的なデザインをつくり続け、2007年に90歳で没した。生誕100周年の2017年には欧米の美術館を中心に大規模な回顧展が開催され、その評価はますます高まっている。

会場は、アーティゾン美術館 6階展⽰室です。