上村松園と美人画の軌跡

開催概要

会期
2025年10月11日 〜 2026年01月18日
会場
福田美術館 (京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
参加クリエイター
上村松園
ジャンル
アート
タグ
日本画

開催内容

思わず絵の前で立ち尽くしてしまうほど清らかな女性たち――その作品で今もなお人々を魅了してやまない、美人画家・上村松園(1875~1949)。彼女は生涯を費やして理想の美を追い求め、珠玉の作品を数多く生み出し続けました。福田美術館では松園の生誕150年を記念し、質・量ともに国内有数の美人画コレクションを誇る当館の所蔵品から、28点もの松園の作品を一挙展示する「上村松園と美人画の軌跡」を開催します。第1回文展で3等賞を受賞した、初期画業における名作《長夜》のほか、初公開作品である《二軒茶や図》も見どころです。さらに、松園の芸術に憧憬し、美人画を追究した多くの作家たちの作品も併せて展示することで、「近代の美人画」というジャンルが辿ってきた軌跡を紹介します。

[展示構成]
第1章 上村松園と近代に活躍した女性画家たち
美人画の第一人者にして女性画家のパイオニア

 1人の女性にスポットを当てた絵が描かれるようになったのは、江戸時代からのこと。浮世絵師たちによって描かれた美人画の流れを踏襲しつつも、独自の画風で美を極めた画家、それが明治から昭和時代にかけて活躍した上村松園(1875~1949)です。松園は京都に生まれ育ち、竹内栖鳳(たけうちせいほう)に師事した後は、文展で次々と入賞するなどしてその画業を認められます。1948年には女性として初めて文化勲章を受章しました。当時男性中心の画壇で活躍する女性は珍しかったため、その存在は大いに注目を浴び、松園は多くの画家を志す女性たちの憧れとなります。大正時代以降、美人画を専門に描く日本画家たちも数多く現れることとなりました。第1章では、第1回文展で3等賞を受賞したことで著名な《長夜》、福田美術館では初展示となる《二軒茶や図》をはじめとする松園の名作に加え、松園に続く次世代の女性画家たちの作品も併せてご紹介します。

第2章 東西で活躍した個性豊かな美人画家たち
「三大美人画家」の名品ほか、新所蔵品の門井掬水(かどいきくすい)《舞踊の楽屋》に注目

 上村松園、鏑木清方(かぶらききよかた)、伊東深水(いとうしんすい)は「三大美人画家」として知られています。江戸の浮世絵の伝統を受け継いだ清方は、情趣にあふれる女性像を得意とし、深水をはじめ数多くの弟子を育てました。
 第2章では男性の視点で描かれた理想の女性像を中心に、東京の清方の弟子たちの作品と、京都・大阪で同時代に活躍した画家たちの作品を展示します。
 展示室の最後のコーナーでは、京都画壇出身の谷角日沙春(たにかどひさはる)の作品を紹介します。日沙春は美人画を進化させ、最終的には幾何学的な図形の構成による抽象画を描きました。

第3章 現在につながる「美人画」の軌跡
新たにコレクションに加わった現代美術も展示!

 明治から大正、昭和にかけて洋画を学んだ画家たちにとっても、女性の姿や精神性は重要なモチーフでした。第3章の前半では、岸田劉生(きしだりゅうせい)や小磯良平(こいそりょうへい)など、日本の近代絵画を牽引した洋画家たちによる和装美人、そして裸婦をご紹介します。
 また、西洋の油絵の伝統技法を踏まえ、モダンで斬新な美人画を多数生み出した東郷青児(とうごうせいじ)の大作《草上の三人の娘》を福田美術館では初めて公開します。
さらに、現代における「カワイイ」女性像の代表として、新しく所蔵品に加わった奈良美智(ならよしとも)の作品3点も初めて展示します。近代から現代まで、女性をモチーフとしながらも、それぞれに独特の個性を発揮した画家たちの作品が並びます。

<前期>10月11日(土)~12月1日(月)
<後期>12月3日(水)~1月18日(日)

上村松園と美人画の軌跡