藤島武二と猪熊弦一郎展 サンプリシテとシンプル

開催概要

会期
2021年09月18日 〜 2021年12月05日
会場
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 (香川県丸亀市浜町80-1)
参加クリエイター
藤島武二 / 猪熊弦一郎
ジャンル
アート
タグ
平面

開催内容

 藤島武二(1867−1943)は、明治、大正、昭和を通じて白馬会や文展、帝展を舞台に活躍し、日本近代洋画を牽引した一人です。洋の東西を融合した華やかな女性像や、晩年、理想の日の出を求めて描いた簡潔な表現の作品で知られています。同時に 1896 年に東京美術学校西洋画科助教授に就任して以降、多くの若者の指導にあたり、猪熊弦一郎(1902-1993)もその薫陶を受けて画家の道を歩み始めました。
 猪熊は、30 代後半での足掛け 3 年のパリ遊学、50 歳を越えてからの約 20 年に及ぶニューヨークでの活動、その後ハワイと東京での制作と、拠点を変えながら描き続けました。その間、具象画から抽象画へと変化し、晩年には具象と抽象の枠を超えた作品を制作しています。
 藤島と猪熊の画風は異なりますが、ともに重視していたことが「単純化」でした。それぞれ「サンプリシテ」、「シンプル」と言い、複雑なものをいかに簡潔に表すか、描こうとしている本質を表すためには何を取り除いて何を残すか、残したものをどのように組み立てて描くかを常に考えながら制作に取り組んでいます。
 本展では二人の初期から晩年までの作品をご紹介します。それぞれの方法で「単純化」を推し進めながら描いた作品をご覧ください。

[本展の特徴]
「サンプリシテ」と「シンプル」
藤島武二と猪熊弦一郎の作品は、一見するとかけ離れているように見えます。藤島が描く対象となる風景を簡約し、色の帯、あるいは色面で大きく捉えた構成へと進んだのに対し、猪熊の作品は形が画面いっぱいに溢れるようになりました。ところが二人がともに大切にしていたことは「単純化」であり、藤島は「余贅なるものを省略し」、猪熊も「描きすぎた部分をどんどん切りすてゝ」と記しています。「描かなければならないものだけで描く」という共通する意識のもと制作された、全く異なる魅力あふれる二人の作品をお届けします。

何枚も描く藤島
晩年の藤島は、昭和天皇の御学問所を飾る作品のテーマと定めた日の出を描くため各地へ赴き、訪れた先では長逗留して何枚も同じ風景を描きました。本展では一つの土地で描いた複数の作品を展示します。藤島が各風景に感じた魅力を、「サンプリシテ」によって十全に表した絵画をご覧ください。

猪熊の「シンプル」
「シンプル」と言いながら、決して単純な形を規則的に描くだけではないのが猪熊の特徴です。80 歳になる頃から以前にも増していろいろな形を描き込んだ作品を制作しました。画面の構成は複雑になりながらも不要なものを厳しく省くことで魅力を増していく猪熊の作品をご紹介します。

藤島武二と猪熊弦一郎展 サンプリシテとシンプル