古往今来 中国古美術展 Ⅺ
会期: 2018-09-20 - 2018-09-29
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
クラフト
展覧会タグ:
中国古美術
古陶磁
骨董
古美術
開催内容
およそ五千年前に始まる黄河下流域の龍山(りゅうざん)文化(ぶんか)は陶磁史においては黒陶文化と称されます。中国陶磁の魅力は精緻な技巧と多様な造形とともに色彩豊かな文様を表現する「釉薬」にあります。釉薬は燃料の灰が土にかかって生じる自然釉の時代が千五百年ほど続きます。人工的に作られた釉薬を施した原始青磁(灰釉陶)が誕生するのは商(殷)時代の三千五百年頃前です。やがて後漢末から三国時代(二~三世紀)に華南(浙江省)の越州窯で青磁、黒釉陶磁が産みだされ、南北朝期(六世紀後半)の華北(河南・河北省)で釉薬から鉄分を除き、鉄分の少ない粘土を選ぶことで白磁が産みだされました。
春秋戦国時代の青銅器を祖形とする後漢代の緑釉壷や西域文化を取り入れた唐代の三彩は墳墓を飾る明記(めいき)として花開き、宋・金時代の青磁・白磁、天目等の黒釉陶磁でその頂点をむかえます。長い時と研鑽をかさねた中国陶磁の魅力は長安(現西安)を中心としたシルクロードをセラミック・ロードに変え、西域に伝わるとともに日本、朝鮮、ベトナムなどの周辺国の陶磁文化に多大な影響を与えることとなります。