芳年-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師

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会 期
20180805日 -  20180924
開催時間
10時00分 - 18時00分
入館は17時30分まで
休み
月※ただし9月17日[月・祝]は開館、18日[火]は休館
入場料
有料
一般 1000円、高・大生・65~74歳800円、中学生以下・75歳以上無料(その他各種割引制度あり)※一般以外の方(無料・割引対象者)は年齢等の確認できるものをお持ちください。
展覧会の撮影
不可
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
練馬区立美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
練馬区立美術館
住所
〒176-0021 東京都
練馬区貫井1-36-16
最寄り駅
中村橋
電話番号
03-3577-1821

詳細

展覧会内容

月岡芳年(天保10年~明治25年・1839~92)は江戸に生まれ、12歳で武者絵の名手、歌川国芳に入門。幕末は武者絵を中心に、美人画、戯画など師の風に倣った作品を発表してきましたが、明治維新のきな臭い時代背景を通して、武者絵からリアルな戦闘画へと変化を見せます。この頃の作品をして“血みどろ絵”、“無惨絵”の芳年としたイメージが後世まで強く持たれてきました。一時期、神経を病んでいたこともこうした印象に拍車をかけていたのかもしれません。

しかし、それは一時のことで、“大蘇”と名乗り出してからは、新聞挿絵や西南戦争に取材した作品、歴史画・風俗画などで、人気浮世絵師への階段を一気に駆け上ります。晩年の10年間に描いた錦絵は芳年画を印象付ける名作・代表作揃いで、最期まで武者絵や物語絵の可能性にこだわり続けた、まさに“最後の浮世絵師”と呼ぶにふさわしい画業を展開しました。

そうした幕末・明治の浮世絵の泰斗と呼ぶにふさわしい芳年ですが、その画業を回顧する展覧会は意外と少なく、未だ、しっかりとした位置づけが行われていないと言って過言ではありません。
この展覧会は芳年のコレクションとしては質量ともに世界屈指といえる、西井正氣氏の収蔵品の中から選りすぐりの263点で、芳年の画業の全貌を紹介するもので、15年ぶり、まさに待望の公開となるものです。

第一章 国芳ゆずりのスペクタクル―江戸のケレン
嘉永6年~慶応元年(1853~65)

芳年は天保10年(1839)、江戸の商家に生まれ、米次郎と称しました。12歳の時、歌川国芳に弟子入りし、3年後に《文治元年平家の一門亡海中落入る図》を発表しています。ヒーローを中心に据え、海底の潮の流れを表現する黒い線が大きく画面を横断する。師匠譲りのスピード感とスペクタクルに満ちた武者絵作品でデビューを飾っています。流行絵師として、美人画、役者絵、戯画、すべてにその実力を見せています。こうしたところも師匠譲りということが言えるのではないでしょうか。多彩な表現を試みた若き芳年の姿が知られます。

第二章葛藤するリアリズム
慶応2年~明治5年(1866~72)

芳年といえば、“血みどろ絵”の絵師というイメージが長く続いていました。今回、兄弟子の歌川芳幾が手掛けた14枚と共にコンプリートした形で見ることができる《英名二十八衆句》、あるいは《魁題百撰相》に見られる血の衝撃は鮮烈です。芳年が上野戦争で目の当たりにし、記録した、現実世界の戦闘画はリアリズムを追求する近代には必要不可欠だったのです。そんな血生臭い作品は彼の画業のうちのほんの一時のことです。ただ、劇的に変化する環境に、重圧とストレスを感じていたのでしょう、芳年は明治5年(1872)暮れに神経の病を発することとなります。

第三章“大蘇芳年”―蘇りの時代
明治6年~14年(1873~81)

明治6年(1873)末の作品より、それまで使っていた“一魁斎”の号に代わって新しく“大蘇”の号が用いられるようになり、意欲的に制作に携わるようになります。明治8年(1875)には《郵便報知新聞》で新しい新聞錦絵の世界を拓いて好評を博し、西南戦争に取材するなど、風俗、時事的な要素が濃くなると同時に、歴史画や神話画、幕府の瓦解や徳川の治世を見返す作品も現れてきます。人物に劇的な動きを与える“芳年風”の確立がここで見られます。
人気風俗画家を駆け上がっていく芳年の姿がここにあります。

第四章“静“と"動”のドラマ
明治15年~25年(1882~92)
芳年はこの40代半ばから没するまでの10年間の間に代表作、ヒット作を陸続と発表します。新鮮なアングルの武者絵《芳年武者无類》、縦長で斬新な構図の竪2枚続絵のシリーズ、月をテーマにした壮大なアンソロジー「月百姿」、怪異物の集大成「新形三十六怪撰」、一方、美人画では「風俗三十二相」などなど。いずれの作品も明と暗、静と動を巧みに操り、ドラマティックな画面を構成しています。これには芝居や講談といった芸能、戯作、小説が大きくかかわっています。
明治24年(1891)、神経の病を再び患い入院。翌年6月9日にその生涯をとじます。享年54歳でした。

(プレスリリースより)

主催・協賛・後援

主催:練馬区立美術館(公益財団法人 練馬区文化振興協会)、日本経済新聞社

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