初公開 田中一村の絵画 一奄美を愛した孤高の画家-

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会 期
20180406日 -  20180924
開催時間
9時00分 - 17時00分
入館は16時30分まで
入場料
有料
一般・大学生:2800円、小中高生:1800円
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
岡田美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
岡田美術館
住所
〒250-0406 神奈川県
足柄下郡箱根町小涌谷493-1
最寄り駅
小涌谷
電話番号
0460-87-3931

詳細

展覧会内容

岡田美術館(館長・小林 忠)は、2018年4月6日(金)から9月24日(月・祝)まで、田中一村(1908-77)の生誕110周年を記念し、特別展「初公開 田中一村の絵画-奄美を愛した孤高の画家-」を開催いたします。

一村は、江戸時代の奇想の画家伊藤若冲と、画風や生き方が時代を超えて通じ合う点が多く、「昭和の若冲」とも称される画家です。 50歳で奄美大島へ移住してからは、生涯最後を飾る絵を描くという決意のもと、亜熱帯の植物や鳥などを題材にして、生命力あふれる新しい日本画の世界を切り拓きました。生前は無名に等しかったものの、2010年に千葉市美術館で開催された「田中一村 新たなる全貌」展では、同館で過去最高の入館者数を記録するほど、人気と評価が高まりました。
本展では、「白花と赤翡翠」、「熱帯魚三種]をはじめとする当館収蔵の一村作品を初公開し、最高傑作と名高い「アダンの海辺」(展示期間8/24~9/24、個人蔵)を特別に展示します。奄美時代に制作された稀少な作品のほとんどは、奄美大島にある田中一村記念美術館か個人蔵であるため、奄美の地以外で鑑賞できる数少ない機会です。併せて、伊藤若冲や、東京美術学校の同級生であった東山魁夷、一村が学んだ中国絵画、文人画などの名画を展示し、一村の世界を辿ります。

見どころ1 一村が魅せられた奄美の自然
奄美時代の稀少な作品を一村直筆の添え状とともに公開。

田中一村は、1958年に奄美大島に移住したのち、20年間に渡り奄美の自然を描きました。1点を完成させるまでに2~3ヵ月を費やし、出来栄えに満足できない作品は破棄したと伝えられており、奄美時代の作品は約30点しか現存しません。本展では、その稀少な作品の中から代表作を紹介します。

田中一村(1908~1977)とは
本名田中孝。明治41年(1908)、栃木に生まれ、6歳のとき一家で東京に移りました。彫刻家であった父親の指導によって早く画才を開花させ、呉昌碩(ごしょうせき)や八大山人(はちだいさんじん)など中国画家のスタイルを完璧なまでに会得します。その早熟ぶりは、17歳のとき『全国美術家名鑑』(大正15年版)に10代の画家として唯一、名前が掲載されたことから明らかでしょう。
18歳で東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学しますが、2か月余りで退学。独学で制作を続け、30歳からは千葉で過ごします。潔癖なまでに「売り絵」を嫌う一方、川端龍子が主催する青龍展に人選するものの龍子と対立して退くなど、激しいほどに自負心の強い画家でした。画壇から離れ、教少ない支援者に支えられて制作を続けた一村は、50歳のとき、絵描き人生の集大成となる制作をしようと単身で奄美に移住します。
奄美では、大島紬の染色工として5年間働いて資金を貯め、その後3年間は制作に集中、再び染色工の仕事に戻るという、絵のためにすべてを懸けた日々を送りました。「飢駆我」という一村のハンコが物語るように、極めて質素な暮らしをかえって画作の糧としたのです。そうして奄美の風物を写し続け、自らの良心が納得する絵だけを残して、昭和52年(1977)、69歳で亡くなりました。
奄美の地で描かれた作品は、生前、公に評価されることはありませんでしたが、三回忌を機に当地で遺作展が開催され、関心が集まります。
その後、昭和59年(1984)、NHK教育テレビ「日曜美術館」での全国放映をきっかけに人気と評価が一気に高まり、その挑戦的な生涯と生命力あふれる作風が注目されるようになりました。

見どころ2 ―村・魁夷・若冲の競演
東京美術学校時代の同級生・魁夷と、時代を超えた好敵手というべき若冲。

大正15年(1926)、一村が入学した東京美術学校日本画科の同期に同い年の東山魁夷(1908~99)がいました。2人の交友はなかったようですが、のちに国民的人気画家となった魁東の存在を、一村は終生、良きライバルとして意識し、自らの励みとしたと考えられます。
一方、一村と江戸時代中期の画家、伊藤若冲(1716~1800)の画風の類似について、当館館長の小林忠がち早く注目し、一村を「昭和の若冲」と称しています。一村が初めて全国に紹介された「日曜美術館」において、美術史研究者としてコメントし、一村と若冲がともに、画中の個々のモチーフに等しく関心を注いでいる点や、現実をあるがままに写す写生を志しながらも、かえって装飾的な画面に仕上がっている点を指摘したのです。制作態度においても、例えば一村がさまざまな鳥を雛から育てスケッチを重ねたように、若冲も庭に数十羽の鶏を飼って日々観察したと伝えられます。生涯独身で、絵のみを生き甲斐とし、徹底した凝視と写生にもとづいて描き続けた2人は、驚くほどに似通った点が多く、時代を超えたライバルと位置づけられるでしょう。
本展は、一村・魁夷・若冲の3人の作品を見比べる、またとない機会です。

見どころ3 幸せのシンボル、花卉・花鳥の美術
幸せを招くことこそ花卉・花鳥画の使命。「お金持ち」「長生き」「夫婦仲良く」など。

書簡の一節に「未知の風景、植物、動物を調査し、写生し、絵に構成し、それを名画の水準にまで高めた上に……」と述べるように、一村が目標に置いたのは、時代を超えた名画の数々でした。主に描いたのは、東洋画の主要なジャンルである花卉・花鳥画です。
花や鳥は、元来、東洋において豊かな生命力の象徴として造形化されてきました。芳香をもつ花と、空の彼方から飛来する鳥は、それぞれに霊的な力を特つ存在とされ、次第に個々の種類が様々な吉祥の意味を担うようになります。魚も豊饒を意味する主要な生き物でした。
奄美の未知の生き物を題材とした一村の絵は、日本画の新たな境地を開拓すると同時に、生命力を豊かに表現した点において、花卉・花鳥画の原点に回帰するものといえるでしょう。それゆえに、現代の私たちに深い感動を呼び起こすものと思われます。工芸品を含む多様な美術を通じ、花卉・花鳥の伝統の広がりと、一村の絵画のそれらとのつながりを感じていただければ幸いです。

関連情報

<講演会>
 ① 田中一村と生命の輝き
   講演日:2018年4月22日(日)・7月29日(日)
   講師:小林 忠(岡田美術館 館長)
 ② 一村の愛した奄美
   講演日:2018年9月16日(日)
   講師:宮崎 緑氏(千葉商科大学 教授/田中一村記念美術館 館長)

 ※いずれも13:00~14:30/会場:5階ホール/定員:80名/参加費無料(要入館料)

 ●お申し込み方法
 電話にてお名前・人数・ご達絡先をお知らせください。
 定員に達し次第、応募を締め切らせていただきます。 TEL : 0460-87-3931

<ギャラリートーク>
 ○小林館長によるギャラリートーク:毎月第1・第3水曜日開催
  2018年4月18日、5月2日・16日、6月6日・20日、7月4日・18日、8月1日・15日、9月5日・19日
 ○学芸員によるギャラリートーク:2018年4月20日~9月14日の毎週金曜日開催

 ※いずれも11:00~/申し込み不要/参加費無料(要入館料)

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