間島秀徳 Jackknifing "Kinesis"
会期: 2017-09-28 - 2017-09-30
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
間島秀徳
コンテンポラリーアート
抽象
日本画
絵画
開催内容
間島秀徳 個展「Jackknifing "Kinesis"」をステップスギャラリーにて開催いたします。ご高覧のほど、よろしくお願いいたします。
■間島秀徳 個展「Jackknifing "Kinesis"」
間島秀徳、KINESIS。現場に残されたのは、ジャックナイフ。
深く、より深く吸い込む呼吸。海中へ頭を沈め垂直に潜行する。全体重が肩に乗れば水圧に押し返されることはない。自ずと深く、より深いところへと沈んでゆく。ひと呼吸が持続する限りの旅で水を裂くダイバーのからだはナイフに似る――ジャックナイフ。スキンダイビングにおける潜水方法である。
間島秀徳は、水を媒介とし、見る者を包む圧倒的な景を描いてきたが、近作では、感覚する身体のうちなる水にふれる作品を提示している。対象にふれるような触覚的視覚を中心に展開していたピカソ以降の近代絵画から跳躍してジャクソン・ポロックがドリッピングで描いたとき、その契機は視覚性に裏打ちされた〈無触〉への希求であった。肉筆でひと息、ひと息と重ねる筆触では時代のスピードを表現できない。間島の作品も〈無触〉の絵画であり、スムースに変容する水跡は、筆触の節をもたぬ無呼吸の絵画でもあった。
一方、ダイビングの世界では、人間は水圧に耐えあたかも水棲生物のように深く潜ってゆけることが証明され、この外界の拡張が内的世界をも拡げた。間島がこの現代の山水の水域に再びふれるとき、その触覚は〈無触〉の絵画を更新する。新しい身体性へ、絵画の新たな展開が始まる。(塚崎美歩)
作家略歴 まじまひでのり
1960年取手市生まれ。信州大学教授。86年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。00~01年、文化庁在外研修員としてフィラデルフィア、ニューヨークに滞在。