歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」-138年ぶりの夢の再会-
会期: 2017-07-28 - 2017-10-29
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
浮世絵
近代絵画
開催内容
岡田美術館(館長・小林忠)は、2017年7月28日(金)から10月29日(日)まで、特別展『歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」-138年ぶりの夢の再会-』を開催いたします。
本展では、喜多川歌麿によって描かれた肉筆画の大作「雪月花」三部作のうち、ワズワース・アセーニアム美術館所蔵の「吉原の花」をはるばる米国から迎え、当館収蔵の「深川の雪]とともに展示いたします。日本でこの2作品が同特に展示されるのは、明治12年(1879)栃木県の定願寺にて「雪月花」三部作が展示されたという記録以来、実に138年ぶりのこととなります。なお、「品川の月」も原寸大の高精細複製画を制作し同時展示いたします。
「吉原の花」が海を越え、「深川の雪」と母国日本で相見える夢のような競演に、ぜひご注目ください。
見どころ
1 138年ぷりに「雪」と「花」が日本で夢の再会!
①大作「吉原の花」22年ぶりの来日決定
三部作の一つ「吉原の花」は、今から22年前、平成7年(1995)に千葉市美術館が開催した「喜多川歌麿展」で展示されました。今回の里帰りは、明治期に日本から出て以来2度日となるもので、「深川の雪」とともに展示されるのは138年ぶりのこと。「吉原の花」と「深川の雪」を同時に見ることができる絶好の機会、ぜひ間近で隅々までご覧ください。
②最大級の肉筆浮世絵!迫力の大画面を体験
「雪月花」三部作で特筆すべきは、各作品の大きさです。一番大きな「深川の雪」で、縦約2mx横約3.4m。他の2作品も大画面で、浮世絵史上最大級の掛軸画といえます。屏風クラスの大きさであるにも関わらず、なぜ掛軸として描かれたのか、どこに掛けることを想定して発注されたのか、三部作をめぐる謎は尽きません。実際に絵の前に立ち、大画面の迫力に圧倒される体験をお楽しみください。
2 歌麿美人の変遷をたどる
歌麿といえば、美人画で名高い浮世絵師。生涯新しい表現に挑戦し続け、江戸の人々から強い支持を集めた画家でした。「雪月花]三部作の登場人物は女性が大半を占め、「吉原の花」が最多で52人、「深川の雪」が26人、「品川の月」が19人。最初に描かれた「品川の月」から歌麿晩年の「深川の雪」までは実に10年以上もの開きがあるため、歌麿美人の様式変遷が楽しめます。完結までになぜこれはどの時間を要したのか、三部作の制作時期や制作意図もまた大きな謎の一つです。
3 貴重な歌麿肉筆画を同時公開
現存する歌麿の肉筆画(筆で描いた絵)は非常に少なく、40点程度しか存在が確認されていません。岡田美術館は、うち3点を収蔵。「深川の雪」以外では、遊里の女性たちがプライベートな時間にくつろいだ様子で会話を交わす「三美人図」と、座敷に呼ばれた芸者の凛とした姿を描いた「芸妓図」が含まれます。本展に併せ、当館が誇る歌麿の名品2点を、4階展示室にて特別に公開いたします。
【特集展示①】人物表現の広がり 一土偶・埴輪から近現代の美人画まで-(4階)
4階展示室では、収蔵品約60件を集め「人物表現の広がり-土偶・埴輪から近現代の美人画まで-」と題した特集展示を同時開催いたします。日本の土偶・埴輪、中国の俑(死者とともに埋葬された人形)、そして日本・中国・韓国の工芸品や絵画において、人物がどのように表されてきたか。紀元前の昔に始まり、平成の現代まで、さまざまなテーマを横断して「人のかたち」をめぐる壮大な企画です。
【特集展示②】没後60年 川合玉堂と小林古径(3階)
本年は、明治・大正・昭和にかけて活躍した日本画家、川合玉堂(1873~1957)と小林古径(1883~1957)の没後60年にあたります。これを記念し3階展示室(第3室)にて「没後60年 川合玉堂と小林古径」と題した特集展示を行います。当館が収蔵する川合玉堂5件、小林古径5件をすべて公開するとともに、彼らとゆかりのある安田靫彦や速水御舟などの作品を展示いたします。穏やかで詩情に富み、清澄な画風で今なお多くの人を魅了し続ける、玉堂と古径の名品をご堪能ください。