Kwon Youngsuk 展 (クォン・ヨンスク)

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会 期
20170410日 -  20170415
開催時間
11時00分 - 19時00分
最終日17:00まで
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
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Gallery Q
情報提供者/投稿者
開催場所
Gallery Q
住所
〒104-0061  東京都
中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F
最寄り駅
銀座
電話番号
03-3535-2524

詳細

展覧会内容

クォン・ヨンソクの絵画の「吸気 呼気」

金福基(Art in Culture 編輯主幹, 京畿大學校敎授)

クォン・ヨンソクは40代に画家としてデビューした中年新人である。それには事情がある。
元々ファッション・デザインを専攻した彼はファッションビジネスを立ち上げた後に、画業の世界へ‘転向’した。クォン・ヨンソクの絵画はファッション分野での体 験を造形の基盤にしながらも、デザインの世界に基づいた感性を乗り越えようと挑戦して いる。
デザインの感性とはなにか。それは‘絵画的(painterly)なもの’の対極にある。美術史では筆のタッチが力強くて、熱い感性が吹き込まれた作風を「絵画的」と呼び、輪郭線が明確でマチエールまでもが滑らかな、冷たくて理知的な作 風を「線的(linear)」と呼ぶ。
こういった二分法的な見地からみればデザイン は確かに「線的」な特質に近い。

クォン・ヨンソクは初期作品の中で四角い色面を反復、羅列、交差させ構築する一連の抽象を制作した。ファッション・デザインの観点からは生地の模様を生かすための構成感覚、いわばパターンの造形と相接している。しかし、クォン・ヨンソクの足取りは直ちに「絵画的」なものへと移行した。作品は色彩、ニュアンス、雰囲気が混ざって一種の崇高(sublime)に傍点を打つ全面均質(all-over)な抽象へ変わった。大地や空、もしくは夕暮れのような風景、天の川のような宇宙、名も知らない惑星の指標、デジャビュのごとくふと現れる自然の痕跡のようなイメージ……。画家自身も絵を通して‘心の浄化(catharsis)’を成し遂げたと告白しているように、深い内面の世界に宿っている感性の触手が沸きあがった作品でもある。
内面的な衝突、高揚、緊張などの根本的な人間の感情や生の隠れた意味までもが……。

クォン・ヨンソクの最新作は画家の呼吸や身体リズムが強調される「表現的」な作品が多い。
この作品は二つに分類できる。まずは、太い筆をもって字を書くかのように果敢に速写した作品がある。滑らせるような筆の軌跡だけで作品が決まるわけだから、力を保って全てのエネルギーを集中させなければならない。クォン・ヨンソクはまるで自分が好きな剣道を修練するかのように画面に取り組む。絵筆は竹刀のように素早かに画面を切る。筆は風を起こし、筆は雲を浮かばせ、筆は滝を立てる。また一つは短い線で落書きをするかのようにして画面全体を埋め尽くした作品群である。脱方向に交差する線の積集合、そのフェティッシュ的な反復行為は迷宮の画面を作り出す。中心が欠如した構図、この「カオスの中の秩序(chaosmos)」の隙間からはみ出る、あのうごめく微妙なニュアンスが魅力である。実は、この両極の作品は呼吸の強弱、感情の温度、時間の長短が全く異なる。クォン・ヨンソクはこの両極を行き来する造形の緊張を楽しんでいるのである。彼はこう言う。『私は端っこ(edge)が好きである』と。真ん中から一番遠い端っこは決して安全地帯ではない。にもかかわらず、端っこの危うさを楽しむことは‘ひねくれ根性’と言わざるを得ない。その端っこには綱渡りするかのようなスリルがある。危ないと同時に冒険と挑戦という実に価値のある芸術の可能性が宿っているからだ。

クォン・ヨンソクは今回の個展の主題を「吸気・呼気(Breathe in Breathe out)」と掲げた。
酸素を吸い込み(吸気)、二酸化炭素を吐き出す(呼気)エネルギ作用、それを‘呼吸’という。呼吸は生命現象そのものである。そうみれば、彼が花という素材をたゆまず取り入れているのもこの呼吸と関わっている。動物であれ、植物であれ、森羅万象の生成と消滅も結局呼吸の又の名ではないか。呼吸とは 事象の秩序である。クォン・ヨンソクはこの秩序を自身が日常生活と呼吸を合わせていくこと、その肯定的な生き方の力にしていると言った。
この画家にとって呼吸とは絵を通した精神的な治癒とも解釈できうる。ひいてはその呼吸の意味は人同士の意思疎通や社会的な疎通といったより幅広い話として展開していくのであろう。

(翻訳:梁禎允)

関連情報

レセプション 4月10日(月)18:00~

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