山谷佑介&松川朋奈 「at home」+ 沢渡 朔 「Rain」

山谷佑介&松川朋奈 「at home」+ 沢渡 朔 「Rain」
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    会 期
    20160604日 -  20160702
    開催時間
    11時00分 - 19時00分
    休み
    日・月
    入場料
    無料
    この情報のお問合せ
    YUKA TSURUNO
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    Yuka Tsuruno Gallery
    住所
    〒140-0002 東京都
    品川区東品川1-33-10-3F
    最寄り駅
    天王洲アイル
    電話番号
    03-5781-2525

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    ユカ・ツルノギャラリーは、山谷佑介と松川朋奈による二人展「at home」と沢渡朔の個展「Rain」を2016年6月4日(土)~ 7月2日(土)まで開催いたします。

    山谷佑介と松川朋奈の新作で構成される「at home」は、「家」に象徴されるような私的な日常空間に浮かび上がる、人間の営みの痕跡に焦点を当てた展覧会です。一方、沢渡朔の「Rain」は、カメラを持つ手に蓄積された時間の中、雨の情景を敢えて無意識に撮影してきたプライベートワークとなります。

    国内外を放浪して様々なアンダーグラウンド・コミュニティで過ごす中で写真を実践してきた山谷は、はかない日々を捉えたストレートなスナップ写真「Tsugi no yoru e」、ライブハウスやクラブの床に原寸大の床写真を貼り、アルコールや靴跡などの痕跡を記録した「ground」、有効期限が切れたポラロイドフィルムを使ったポートレート「Usebefore」など、様々な角度から写真にアプローチをしてきています。本展覧会では、「箱」として立ち現れる家を、赤外線カメラで外部から撮影した新シリーズを発表します。昨年、新婚旅行を記録した作品を発表するなど、家庭を持った山谷は、無機質であるにもかかわらず、住人とともに変化し続け、人間の営みと切り離すことができない「家」に興味を持ち始めます。しかしながら、不可視光線に反応する赤外線カメラを使っても、厚い壁で仕切られた家の中はもちろん覗くことはできません。そのような「箱」としての家を、覗き込むことのできない諦めと、それでもなお人間の営みを覗いてみたいという欲求とともに、人間の痕跡らしきものを捉えることの可能性を探求します。

    一方、松川朋奈は一貫して、同世代の女性たちの癖や生活習慣などが、身の回りの事物に「痕跡」として残されていること注目しています。近年はインタビューを重ね、その中で印象に残ったフレーズを作品の主題およびタイトルとし、彼女たちの持ち物や身体を写実的な表現方法を用いた絵画として再構成しています。踵の傷ついたハイヒールや、脱ぎ捨てられたワンピース、身体の傷など、日常生活の中でうまれる破損、形の崩れ、傷跡といった痕跡は、一般的にあまり好まれないものとして受け取られていますが、松川は、それらに表れる人間性や人間の内面に関心を寄せています。事物の忠実な再現をするのではなく、モチーフのクローズアップや筆跡を残さないフラットで美しい表面など、絵画上で再構成することで、これら人間性の影である残痕を新しい価値へと転換させることを試みています。

    二人は、写真と絵画という全く異なる方法を用い、またそれぞれ別々な角度から、かつてはそこにあったという不在の痕跡ではなく、その痕跡とともに生き続けるような人々の痕跡に関心をよせています。それらは、他人の存在や日常の不可視な側面へと歩み寄っていこうという取り組みでもあります。

    また、沢渡朔「Rain」においては長年ファッションフォトやヌードフォトを中心に、女性との向き合いに熱を注いできた沢渡が、無意識下の中で色として写り込む雨越しの街との出会い頭の光景を、デジタル撮影ならではの光の反射のうつくしさ、艶めきを感じながら、昭和の歌謡曲にも似た郷愁や希望の情感を自分自身の中に探ります。他人への興味を、痕跡を通して追求している山谷と松川の「at home」と、カメラが捉えた世界そのものである沢渡の「Rain」の、両者の違いについてもぜひご覧ください。

    初日となる6月4日には3人の作家を囲んでレセプションを開催します。本展にあわせて、沢渡朔写真集「Rain」(国書刊行会)が出版 されます。世代とジャンルを超えて構成される本展にぜひご期待ください。

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