ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す

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会 期
20160312日 -  20160830
開催時間
10時00分 - 17時00分
4月~8月 10時00分~18時00分
ご入館は閉館の30分前まで
休み
水(祝休日の場合は翌日休 但し5月4日(水)・5日(木)は開館)
入場料
有料
一般:1000円(900円)、高・大学生:500円(400円)、小・中学生:無料
※( )内は20名様以上の団体割引
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
ベルナール・ビュフェ美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
ベルナール・ビュフェ美術館
住所
〒411-0931 静岡県
長泉町東野クレマチスの丘515-57
最寄り駅
三島
電話番号
055-986-1300

詳細

展覧会内容

フランス・パリ生まれの画家、ロベール・クートラス(1930-1985)。当時「現代のユトリロ」、「第二のベルナール・ビュフェ」として売り出されたこの画家は、流行に左右される美術界での活動に苦しみ、画廊を離れ困窮の中で制作することを選びます。画家が生涯をかけて描いたのは、小さな紙片を独自の神話のイメージや抽象的な模様で彩ったカルト、人間と動物の間のような生物が佇む静謐なグアッシュといった、一見ユーモラスな中に静かな悲しみを湛えた作品でした。画家をとらえていたのは華やかな美術界の流行よりもむしろ、石工として働いた青年時代に育まれた中世の職人世界への憧憬、パリの街角に暮らす人々や動物たちの生活、古きフランス人の精神が宿る民衆芸術といった、長い時間が醸成したものだったのです。

 2015年に没後30年を迎え、フランス・日本で続く回顧展により再評価の流れにあるクートラス作品。本展ではこの流れを受けながらも、リヨン時代の初期油絵から制作の様子が伝わる資料まで、未公開のものも含む多彩な作品を構成します。深い部分で私たちをとらえ続けるクートラスの創造世界をご覧ください。

口ベール・クートラス Robert Coutelas (1930-1985)
パリ生まれの画家。十代から工場に勤めますが、その後ロマネスクの聖堂彫刻に憧れて石工となります。アーティストを志してリヨンの美術学校に入学し、パリヘ戻り画廊と契約するも、己に忠実であるために自らその契約を破棄。その後別の画廊とも契約しますが、国内外での度重なる展覧会のため、昼は画廊用の作品制作に追われ、夜は自らの世界にこもって「カルト」(手札大の油彩両)の制作に没頭しました。その生涯をとおして描かれたカルトは、およそ6000枚にものぼります。後にはこの画廊との契約も自ら解除してしまい、画家は亡くなるまで画材にも事欠くような困窮のなかで自らの芸術を追求し続けました。カルトのほかにも、グアッシュや油彩画、自宅のダルマストーブで焼かれたテラコッタ(素焼きの彫刻)など、その制作は多岐にわたります。

初期の油彩作品を多数展示
クートラスは、画学生時代、当時画壇の注目を集めていたアンドレ・コタヴォらリヨン派新具象の影響を受けます。厚塗りのマチエールでありながら晩年の作品を彷彿とさせる深い色彩をもつリヨン時代の風景画は、晩年の制作とはまた異なる魅力をもっています。本展ではリヨン時代から終生手元においた油彩画《リヨン、クロワ=ルースの眺め》、《ブルターニュの老女》をはじめとする初期油彩作品を展示し、その後のカルトやグアッシュ、テラコッタ制作へと展開していく画家の制作の全貌を紹介します。

画家が守り続けた日本未公開の作品がフランスより多数来日
クートラスが生前「親方の獲り分」と呼んで売買も散逸も拒んだという油彩・グアッシュ作品の数々が、本展を機にフランスより来日します。これらがこれまで日本で公開されたことのある「親方の獲り分」とともに展示されることで、クートラスが守っていた作品の世界を網羅的に見ることのできる初の機会となります。

制作の裏側が垣間見える資料展示
クートラスは、カルトやグアッシュ、テラコッタ以外にも、街を行き交う人々の無数のデッサンや、身のまわりの道具のデザイン画などを残しています。
本展では、こうした画家の制作の豊かな広がりを伝える資料に加え、クートラスのカルトの中でも様々な実験的な試みの見られるユニーク・カルトや、カルト制作の下書きなどを通して、その制作の裏側を探ります。

関連情報

クートラス作品を様々な視点から見るための4つのイベント
画家の没後30年が経過した現在、目内外の回顧の動きを受けつつ、その制作世界をより多角的にとらえることを試みる本展では、クートラスの作品を美術史・デザイン・建築・音楽といった様々な専門をもつ方々の視線と交差させることで、画家の魅力をより深く知っていただく機会といたします。

■オープニングトーク「クートラスの思い出、その続き」
 ゲスト:岸真理子・モリア氏(クートラス遺作管理人)、
 佐伯 誠氏(文筆家)、橋場 信夫氏(画家)
 日時:2016年3月12日(土)13:30- 15:00
 場所:クレマチスの丘アカデミーフオーラム 定員:60名  料金:無料
 クートラス作品への「入門編」として、ご友人同士であり、クートラス作品の紹介者である三人の方が画家への親しみを込
 めて紡ぎだす言葉から、画家が愛した人々や街、フランスの習俗といった時代の匂いや手触りを共有し、クートラスの世
 界を覗きます。

 岸真理子・モリア(きし・まりこ・もりあ)
 1977年に目本の画廊のバリ支店で働くため渡仏。同年クートラスと出会い、晩年をともに過ごす。
 クートラスが遺言で指定した「包括受遺者」。本人が売ることも散逸させることも許さず、「Reserve du patron (親方の
 獲り分)」と呼んだリザーブ・カルトを含め、作品を保管している。著書『クートラスの思い出』(リトルモア、2011)。
 『口ベール・クートラス作品集 僕の夜』(エクリ、2010)、Le Monde de Robert Coutelas(Fondation Jeanne
 Matossian、2012)、『口ベール・クートラス作品集 僕のご先祖さま』(エクリ、2015)、『夜のギニョール劇団』
 (リトルモア、2015)などにテクストを寄稿。現在パリ郊外往往。

 佐伯誠(さえき・まこと)
 エディター、ライター、インタビュアー。イラストレーションも手がける。
 2009年より、文化学院の文芸科講師。鎌倉のcafeエチカにて『小学工チカ』を千田哲也と共に主宰。「第一発見者」たる
 ことを心がけて、ロベール・クートラスやPOSTALCOなど、原石をみつける「源・編集」をモットーにしている。
 ANA機内詰『翼の王国』、『high fashion』(文化出版局)などで連載。新聞形式のマガジン『スタヂアム』刊行、ポスター
 形式の書評誌『book the knife』などを企画刊行。『FISH MOUTHS』(エクリ、2008)編集、訳書にエリザベス・マシュー
 ズ著『COCO(ココ)はとびきりかわったコ』(イプシロン出版企画、2008)がある。クートラスに開するテクストには、
 「からっぼのトランク 夜の旅の果て」(『翼の王国』、ANA『翼の王国』編集部、2005年5月号、56-65頁)、「クート
 ラスの火種」(『クートラス・ジャーナル』、エクリ、2010、4-7頁)などがある。

 橋場信夫(はしば・のぶお)
 東京生まれ。画布や板の上に金泥や白金、鉄など様々な素材を用いて静謐かつモダンな作品を作り出している。現代的
 な「和」の洗練された作品は、外務省や有名料亭、旅館、ホテルなどに数多くコレクションされ、2000年の沖縄サミットで
 は迎賓会場の為に作品制作を依頼されるなど、幅広い分野の支持と高い評価を受ける。クートラスとは1978年にパリ
 で出会い、交流を深めた。近年の展覧会では、国際コンテポラリーアート〈NICAF〉(1993-95、03)、ハイアットリージェ
 ンシー大阪アートブロジェクト(1994)、「空間 沈黙の風景」展(高岡市美術館、1995)、グランドハイアット福岡アート
 ブロジェクト(1996)、沖縄サミットの為の作品制作(首里城、2000)、個展(アサヒギャラリー、2010)などがある。

■特別講演「クートラスとロマネスク美術」
 ゲスト:金沢 百枝氏(ロマネスク美術研究者)
 日時:2016年5月29日(日)13:30-15:00
 場所:クレマチスの丘ホール 定員:200名 料金:無料
 中世ロマネスク建築聖堂の修復現場で石工として働くクートラスをとらえたのが、現代の人々の心にまで深く届く作品を
 残した、中世の名もなき職人たちが創りだす世界でした。クートラスの憧れた中世世界の美術と、そのクートラス作品への
 影響について伺います。

 金沢百枝(かなざわ・ももえ)
 1968年生まれ。美術史家。東海大学文学部ヨーロッバ文明学科教授。東京大学大学院理学系研究科、東京大学総合文化研究
 科博士課程修了。理学博士・学術博士。専門は西洋美術史、特にロマネスク美術。2011年、 島田謹二記念学藝賞受賞。
 著書『ロマネスクの宇宙 ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京大学出版会、2008)、『ロマネスク美術革命』(新潮
 選書、2015)。共著に『イタリア古寺巡礼-ミラノ→ヴェネツィア』(小澤実共著、新潮社、2010)、『イタリア古寺巡礼-
 フィレンツェ→アッシジ』(小澤実と共著、新潮社、2011)、『イタリア古寺巡礼シチリア→ナポリ』(小澤実と共著、新潮社、
 2012)。『すばる』(集英社)では隔月で展覧会評を担当。青花の会(新顔社)主催の講座「キリスト教美術をたのしむ(旧約篇)」
 を毎月、池袋・明日館にて開講。
 工芸青花HPにて「キリスト教美術をたのしむ(新約篇)」を連載。『工芸青花』(新潮社)でロマネスク美術について連載中。

■特別トーク「”小さな黄金の手”をめぐって」
 ゲスト:中村 好文氏(建築家、レミングハウス)、皆川 明氏(デザイナー、ミナペルホネン)
 日時:2016年7月3日(日)13:30 -15:00
 場所:クレマチスの丘ホール 定員:200名 料金:無料
 クートラスはフランスの人々の生活に密着し、その記憶を染み込ませたようなアール・ポピュレール(民衆芸術)と呼ばれ
 る古い日用品や絵を愛し、作品にも取り入れました。作品と日常が地続きであったクートラスの制作について、ともにクー
 トラス作品に親しみ、人の暮らしを中心に据えた制作を行うお二人の視点から語っていただきます。

 中村好文(なかむら・よしふみ)
 1948年千葉県生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。宍道建築設計事務所勤務の後、都立品川職業訓練所木工科で家
 具製作を学ぶ。吉村順三設計事務所勤務(1976-80)。1981年レミングハウス設立。日本大学生産工学部建築工学科教授
 (1999-)。1987年「三谷さんの家」で第1回吉岡賞受賞、93年「一連の住宅作品」で第18回古田五十八賞「特別賞」受
 賞。主な作品に「上総の家Ⅰ、Ⅱ」(千葉県、1991/1992)、「museum as it is」(千葉県、1994)、「Rei Hut」(栃木
 県、2001)、「伊丹十三記念館」(愛媛県、2007)など。著書に『住宅巡礼』(2000)『住宅読本』(以上新潮社、2004)、
 『普段着の住宅術』(王国社、2002)、『中村好文 普通の住宅、普通の別荘』(TOTO出版、2010)、『暮らしを旅する』
 (KKベストセラーズ、2013)など。
 共著に『とんぼの本 フランス ロマネスクをめぐる旅』(木俣元一共著、新潮社、2004)がある。

 皆川明(みながわ・あきら)
 1967年東京生まれ。文化服装学院夜間部卒業。1995年にフアッションブランド「ミナ(minii)」を設立(2003年に「mina
 perhonen」に名を改める)。ものづくりに精力的に取り組む姿勢と、手を動かし描かれる、詩情を込めた図案の独創性
 から、テキスタイルデザイナーとしても知られる。デンマークのテキスタイルメーカーkvadrat(2006-)や、英国
 LIBERTY(2010)、スウェーデンのKLIPPAN(2013-)などへ、デザインを提供。
 2004年以降、ダンス公演の衣裳や舞台美術にも参加するほか、東京スカイツリーや金沢21世紀美術館のスタッフ
 ユニフオームをデザインするなど、活動を広げている。主な著書に『皆川明の旅のかけら』(文化出版局、2003)、
 『ミナを着て旅に出よう』(DAI-X出版、2003、口述著書)、絵本『はいくないきもの』(クレヨンハウス、文:谷川悛太郎
 氏との共著)がある。ブランドとしての主な展覧会に「粒子 exhibition of mina's works」(スパイラルガーデン、2002)、
 「mina perhonen fashion & design」(Textie Museum、オランダ・ティルブルグ、2009)「ミナペルホネン展覧会 進行
 中」(スパイラルガーデン、2010)、「1∞ミナカケルーミナペルホネンの今までとこれから」(長崎県美術館、2015)な
 どがある。現在、多摩美術大学美術学部生産デザイン学科客員教授も務める。

■クロージングコンサート
 クートラスは音楽グループのレコードジャケットやポスター制作をとおして、異なる表現を試みていました。
 様々な分野にわたり独白の音楽表現を追求されている阿部さんによるクロージングコンサートは、時を超えてクートラスに
 捧げるようなものになるでしょう。
 
 ゲスト:阿部 海太郎氏(作曲家)
 日時:2016年8月27日(土) 17 : 00 開場18 : 00 開演
 場所:ベルナール・ビュフエ美術館 大展示室
 定員:100名
 料金:3,500円(当日の入館料含む)
 阿部海太郎(あべ・うみたろう)
 1978年生まれ。作曲家。幼い頃よりピアノ、ヴァイオリン、太鼓などの楽器に親しみ、独学で作曲を行うようになる。
 東京藝術大学と同大学院、パリ第八大学第三課程にて音楽学を専攻。音楽理論や音楽史を独自に解釈し、自由な
 楽器編成によってユ二ークな音楽世界をつくり出す。蜷川幸雄演出作品の劇音楽を度々担当しているほか、テレビや
 映画、他ジャンルのクリエイターとの作品制作など幅広い分野で作曲活動を行う。現任放送中の『日曜美術館』(NHK)、
 『世界で一番美しい瞬間』(BSプレミアム)、『W座からの招待状』(WOWOWシネマ)のテーマ曲を担当。『パリ・
 フイーユ・デュ・カルヴェール通り6番地』(2007)、『シネマシュカ、ちかちかシネマシュカ』(2012)、文化施設
 「クレマチスの丘」のために作曲した曲を収録した『The Gardens - Chamber music for Clematis-no-Oka』
 (2013)など、これまでに5枚のアルバムを発表している。 www.umitaroabe.com

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