映像作家 村田朋泰 個展「AMETSUCHI」

  • 印刷する
  • add calendar
会 期
20160220日 -  20160319
開催時間
11時00分 - 19時00分
休み
日・月・祝
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
ギャラリーモモ両国
情報提供者/投稿者
開催場所
GALLERY MoMo Ryogoku
住所
〒130-0014 東京都
墨田区亀沢1-7-15
最寄り駅
両国
電話番号
03-3621-6813

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

GALLERY MoMo Ryogoku では、2016 年2 月20 日(土)から3 月19 日(土)まで、村田朋泰の8 回目の個展「AMETSUCHI」を開催します。

 村田朋泰は1974 年東京都生まれ、2000 年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業制作「睡蓮の人」が、2002 年第5 回文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門最優秀賞、その後も大学院卒業制作作品「朱の路」が第9 回広島国際アニメーションフェスティバルで優秀賞を受賞しました。さらにMr.Children のプロモーションビデオにより一躍知られるところとなり、現在もNHK 子供向け番組プチプチアニメでは「森のレシオ」を放映し、幅広い層から支持されるアニメーション作家として活躍しています。
 2006 年の目黒区美術館に於ける個展ではパペットアニメーションをアートの水準に引き上げ、2008 年の平塚市美術館でもインスタレーションと映像による総合芸術と
して、小さな子供から高齢者の方々まで多くの方の琴線に触れ、入場者数とリピーターの多さでも記録的な展示となりました。

2015年に製作した「木ノ花ノ咲クヤ森」は、現在ドイツ・シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭2016にノミネートされており、国内外から注目を浴びている。
「木ノ花ノ咲クヤ森」は、忘れてはならない出来事を記録すべく唄と舞に変換した記憶装置とも言える能の「翁舞」をコマ撮りのアニメーションにしたもの。なお、本作の一部は映画『あの日見た花の名前を、僕たちはまだ知らない。』の主題歌「サークルゲーム」のミュージックビデオにも使用された。

 今展覧会の作品「AMETSUCHI」は、昨年発表した震災での原発事故をテーマにした「木の花ノ咲クヤ森」を皮切りとした今後10 年間に渡る全5作の構想のうちの一つになります。この全作品に共通して、「物事のはじまり」としてミニチュアで表現する意向や、「翁」、「(土など)掘り起こすこと」、「旅の祈り」がモチーフとしてあり、「日本と日本人とは?」ということをミニチュアとコマ撮りで表現することを考えています。

 前回の個展で、「天下安全五穀豊穣」を祈願する「翁舞」を変わっていく現実の境目として映像化しましたが、今展覧会での「AMETSUCHI」は、「古事記」と「万葉集」からヒントを得た「富士山」をモチーフにした2 作目にあたり全3 幕で構成されています。
 富士山は江戸時代より、日本の象徴とされ、古くは葛飾北斎、最近では片岡球子などが好んで描いてきました。象徴というのは時に危険な要素を孕み、政治的に利用され易いものですが、優れた作家、特に北斎が描く富士山は西欧絵画にも影響を与え、象徴性を超えた作品になっています。多くの作家を魅了してきた、危険な要素を含む「富士山」をあえてモチーフとして選んだ今作では、富士山を背景とする本舞台の中にミニチュアの能舞台を置く二重構造として制作、作品のタイトルを山部赤人の歌「語り継ぎ、言ひ継ぎ行かむ、不尽( ふじ) の高嶺(たかね)は」から取り、壮大なドラマの一端が展開される予定です。

本展では、映像作家・村田朋泰による映像作品「AMETSUCHI」の上映とミニチュアセットによるインスタレーションを展開致します。

アーティストコメント
前回の久しぶりの展示では日本伝統芸能である「猿楽( 能楽)」の演目「翁」をコマ撮りしアニメーションに変換した。「翁」は猿楽ができる以前からあった神事芸能のため、能の中でも別格の演目である。私は「天下安全五穀豊穣」を祈願する舞いを「変動する世界を眺める縁(ふち)として存在する記憶装置」と捉えた。
以前NADiff Galleryで展示した「すずらん理容店」という作品は消えゆく風景をミニチュアセットで再現し記憶にとどめるための一つの資料として制作した。写真、映像、書籍と同様に「記録」することが目的であったが、前回の展示はこの作品からヒントを得ている。
震災及び原発事故によって誰もが自分や身の回り、社会や政治、日本についての考え方、見え方が変わったことだろう。私もその一人であるが、大量の情報、それに伴って大量の忘却が繰り返されていくことで、なにが重要か、あるいは重要でないかの判断を、脳はどのように対応していくのだろうかということについては震災前から変わらずにいた。
ある日、自宅で松竹映画を見て気づいたが、松竹の上映前のロゴが変わっていた。富士山ロゴが(2015 年1 月から高解像度カメラで撮影したもの) 本物の富士山になっていた。きれいだなぁと感心した。調べてみたら以前の富士山は巨大な模型を制作して撮影したものだという。小津安二郎監督の「東京物語」や「晩春」、山田洋次監督の「男はつらいよ」を見る前にいつもみていた富士山がセットだと知り、それにも感心した。
それからしばらく富士山についていろいろ考えていた。わたしの町には「富士見」と名のある場所があり、東京23 区内でも50 以上ある。「富士見」は「富士山を見る」という言葉だが「不死身」と重ねて江戸を長きに渡り平和と繁栄を願う意味もあった。葛飾北斎「富嶽三十六景」では、大小さまざまな富士山を描いた自然信仰を土台とした風景画である。葛飾北斎の富士山は、遠近法を使い人々の暮らしや四季とともに描いた浮世絵の風景画だが「江戸日本橋」では江戸城の後ろに富士山があり江戸は富士山に守られているように見える。
「猿楽の翁舞」「脳の記憶について」「松竹の富士山ロゴ」「葛飾北斎の描く富士山」が一つの線となったので、本展覧会のモチーフは富士山にすることにした。
本作品はミニチュアセットで能舞台を作り、本舞台に富士山を配置した。舞台は雨が降り、山は月光を浴びている。
能舞台を「脳舞台」とかけて、記憶を形成していく過程を作品にすることを目指した。

2015 年 村田朋泰

関連イベント

オープニングレセプション: 2016 年2 月20 日(土) 18:00 - 20:00

アーティストトーク
2016年2月27日(土)18:00〜19:00
過去から現在
-初期の作品から現在の作品に至まで-

2016年3月19日(土) 18:00〜19:00
ニューヨークでの展示を終えて
-外から見えたもの-

※予約不要・入場無料
※トーク中は、映像作品をご覧になれません。
 あらかじめ、ご了承ください。

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。