岩田壮平日本画展 ~「野馬荘(やばそう)」という名の画室より~

  • 印刷する
  • add calendar
会 期
20160108日 -  20160306
開催時間
10時00分 - 17時00分
金曜日 ~19:00 *入館は閉館15分前まで
休み
月曜日 但し、1月11日(月・祝)は開館 翌12日(火)休館
入場料
有料
一般:600円 学生:400円 *中学生以下無料
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
佐藤美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
佐藤美術館
住所
〒160-0015 東京都
新宿区大京町31-10
最寄り駅
千駄ヶ谷
電話番号
03-3358-6021

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

 このたび佐藤美術館では、新春特別展として岩田壮平日本画展を開催いたします。
 岩田壮平は1978年名古屋市に生まれ、金沢美術工芸大学院を2002年に修了。その後、日展をはじめとし個展、グループ展など様々な展覧会に精力的に発表、同時に数々の美術コンクールで受賞を果たすなど華々しい活躍をしております。
 なかでも記憶に新しいのは、本年5月日経日本画大賞展においての大賞受賞であることは言うまでもありません。
 岩田の作品は、赤を主調とした澄明で濃密な花の表現が特徴的です。花好きな幼少時代、それが興じて生け花を習いそして日本画の道へ。花を愛で直接花を以て花を表現することから日本画により花をあらわす。
 岩田の描く花が独特なのは、花を知り尽くし、そして花に対する人並み外れた強い執着故なのではないでしょうか。
 単に可憐で美しいという形容とは異なる、美と醜、双方を併せ持つからこそ「うつくしい」岩田壮平独自の花の表現そしてその世界観をこの機会に是非お楽しみ下さい。

野馬荘とは:「いつでもヤバいほど心にとどまる絵を描くようにと」名付けた岩田壮平のアトリエの名称

 美しさと毒々しさのぎりぎり紙一重の緊張感に依る独特な花の表現。
 私は今まで、岩田壮平の作品を総じてこのような印象を抱いて見てきたが「雪月花時最憶君~花泥棒」は別格と言えよう。
  花が洪水のように押し寄せてくる。
 「花に囲まれる」などという生易しいものではなく、花に押しつぶされそうで息ができない。

 息苦しさに負け後ずさりしてゆくとようやく花の輪郭とその種類が確認できる。薔薇、チューリップ、ダリア、菊など。満開に咲き誇る四季の花々が互いを押しのけ迫ってくる。その迫力に少し馴れると次に見えてくるのが不思議な全体像だ。自転車のペダルに左足を掛け左手はハンドル、右手には花。しかし、花を抱える人物とペダルを漕ごうとする人物はおよそ正対しているので常識的には別人のはず。しかし人物は一人だ。作家は画面空間を折たたみ敢えてタイトな構図にすることで見る側を画中の迷宮に留めようと企てたのではないだろうか。作家によると、この構図は歌麿や北斎の春画をヒントにしたというのだから些か意外な気もするが、これほどの大作であっても多くの要素を詰め込むには奇抜、アクロバティックでありながらも計算し尽くされた先人の知恵を借りたところは流石と言うほかにない。
 ここまでくると一瞬たりともこの作品から眼が離せなくなっている我に気付くが時既に遅し。
 要所要所でギラギラと光る粒子の粗い岩絵具。対して、垂らし込み (註)を巧みに用い色と色とが生々しく交わることで生みだされる妖しい発色。その抑揚或いは交差が魅力というよりもむしろ魔力のような輝きを放つ。
 そして最後に目を曳くのが、花泥棒の静かで篤い眼差しだ。
 これはただ単に花を見つめているのでないことは誰にもおわかりいただけよう。
 作家は、「花泥棒は泥棒にあらず」という日本人のアフォリズムを引き合いに出している。花泥棒は美しき花を愛でる心の持ち主。だからもし咲く花を手折るようなことがあっても悪事とはならないと言う意味だ。加えて、「花泥棒」とは花を以て相手の心を奪うと解釈している。
 四季折々に移り変わる自然と共に生きてきた日本人の感性はとても豊かだ。とりわけ季節の訪れを知らせる花に関しては繊細であったはず。だからこそ旬の最も美しい花に友人、家族そして大切な人を擬える。この作品の場合は愛する女性(ひと)なのではないだろうか。
 愛する女性の為?いやいや、この花自体が抱えきれない程のかの女性への愛そのものなのではないかと私は思わずにはいられない。
 そしてこのことにこそ花泥棒が単独犯である必然が隠されているという訳だ。
 私が冒頭でこの作品を「別格」と言ったのは、花好きだった少年時代の純粋精神、そして他者への眼差し、愛する女性への気持ちなど、それこそ抱えきれない程の多くの想いが盛り込まれた超大作故なのだ。
 本展は、この作品の他に同じく「花泥棒」の画題を付した作品、画家としての歩みを始めた頃の初期作品、日展出品作そして最新作と岩田壮平の画家としての道程を追いつつ、その節目節目に独自の視点で繰り出された数々の表現美を一挙に展望することによりこの画家の将来を皆様来場者と共に楽しみながら占う機会としたい。
 華麗な花に込められたこの若き優れた画家の表現世界を共に楽しもうではないか。

佐藤美術館 学芸部長 立島 惠
(註)
水分を含んだ絵具の上に濃度の違う色を垂らして滲みや濃淡の変化をつくりだす技法。

関連情報

■トークショー 
 ゲスト:土屋 禮一(日本画家・日展副理事長)
 2016年1月24日(日)午後2時~
 岩田壮平が美大時代より永年薫陶を受けてきた土屋禮一と展覧会場で作品を前にしながら対談します。

■アーティストトーク
 2016年2月7日(日)午後2時~
 作家が出品作について解説します。

▼「岩田壮平 日経ファミリーカレンダー2015原画展」
 会期:2016年2月10日(水)~3月2日(水)(平日10時~18時/土日祝休み)
 場所:日本経済新聞社東京本社2階SPACE NIOアートギャラリー
     東京都千代田区大手町1-3-7(東京メトロ大手町駅 C2b出口直結)
 問い合わせ:日経アート(株式会社日経プラザ&サービス)0120-81-3313

主催・協賛・後援

主催:公益財団法人佐藤国際文化育英財団・佐藤美術館、日本経済新聞社

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。