開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
日・月・祝
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
MEGUMI OGITA GALLERY
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒104-0061 東京都
中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F |
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最寄り駅 | 銀座 |
電話番号 | 03-3571-9700 |
この度メグミオギタギャラリーでは三回目となるサイトウ・P・ヒロヒサの新作個展を開催致します。サイトウ・P・ヒロヒサ(斉藤洋久, b.1954)は、ペプシマンやアンディ・ ウォーホールのTDKビデオカセットテープ等、数々のヒットCM作品を世に生み出してきた日本を代表するCFプロデューサーです。
サイトウのコラージュ創作における出発点は何十年にも渡る「コレクション」に端を発します。
膨大な数のコレクションを有するサイトウの審美眼は、アートのみならず自分が身につける品、自分が身を置く空間中に網の目の如く張り巡らされています。彼の千姿万態なコレクションが陳列された彼の自宅や事務所は、脅威の部屋を彷彿とさせるほどです。驚異の部屋とは15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、珍品であれば自然物も人工物も分野を隔てず一所に取り集めることで博物館の前身となった博物陳列室の事です。
一流のアート作品から、蚤の市の片隅で見つけた民藝品、あるいは道ばたで拾ったものさえも一様にサイトウの感性を基軸として集められ展示された彼の空間は、まさしく現代の驚異の部屋に相違ありません。
ダミアン・ハーストをはじめ、一流と呼ばれるアーティストの多くが、自身もコレクターの顔を持ちます。大量消費時代において商品が使用価値としてだけでなく記号として立ち現れることを説いたフランスの哲学者ジャン・ボードリヤールは、コレクションとは事物が本来有する実用的機能から切り離され日常とは別の体系に組み込まれることであると説きました。コレクションという行為それ自体が、現実を構築し直すシミュレーションの概念を内包しているのです。
シミュレーションアートの最高峰であるジェフ・クーンズは、ビニールの人形を金属に鋳造し直すことで現実の再構築を図りました。
消費時代の最中において一時代を築いたプロデューサーとして誰よりもその構造を熟知するサイトウは、“コレクション”を”コラージュ”するという二段階の構築プロセスを重ねていくことにより、ジェフ・クーンズがその時代において成し得なかった最強にして最先端の芸術行為に挑み続けています。
2012年に開催された『Pの眼』第一弾では、歴史的アイコンである毛沢東の肖像をモチーフに、その記号とはかけ離れた性、資本、死といった欲望のイメージを無数のカンバッチを散りばめたカンバス上に表現しました。
2014年開催の『Pの眼2』では、映画女優からモンスターまで、全て自身が世界各地を周りコレクションしてきたアンティークの雑誌のイメージを、縦横のグリッドの中に収めたコラージュ作品を披露し、鮮烈な印象を残しました。
今展では、鍵やタバコの箱、人形など、完全な立体物をコラージュすることで絵画と立体の境界を破壊した、サイトウにしか成し得ない迫力のアッサンブラージュを約10点披露します。
まるでひとつの棚にコレクションが収集されていくように、サイトウにとっては展覧会そのものでさえ彼の企む途方もない驚異の部屋を彩る一場面に過ぎません。謎に包まれたその全貌は展覧会が回を重ねてゆく中で徐々に明らかになってゆきます。
コレクションという行為は芸術表現になり得るか ー 飽くなき挑戦と進化を続けるPの眼、待望の第3弾に是非ご期待下さい。
レセプション: 1月8日(金) 17:30 - 19:30
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